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バトルシップ:映画

典型的な「金のかかったB級映画」が今作『バトルシップ』の見た目そのままの本質だ。もちろん、この作品に崇高なテーマとか波乱万丈な物語なんて全く求めていないし、むしろ必要ですらない。荒筋は「科学技術的に洗練された宇宙人がやってきたが戦略技術的に全く洗練されていないのでアメリカ海軍の勇気と知恵で撃退することができた」というもの。全くこれ、アメリカ海軍のPV映画とも言えるかもしれん。「USA! USA!」するための映画。

後半はタイトル通りの海戦が繰り広げられるが、前半は本当にツマラナイ。なんせダメ男がひたすらバカをやるだけ。兄がそれを見かねて色々面倒を見て、結局このバカ男も兄と同じ海軍に入隊。そこでだいぶ根性を叩き直されたのか、だいぶマシになってた。

よく某都知事なんかが「だらしない若者は自衛隊に入れたらいい」とかいうようなことを言ってたように思うが、それと同じことが海外でも言われているんだなあ、と実感。ダメな若者が軍隊で人間的にも社会的にも成長していく――ある意味、昔からよく繰り返されていることなのだろう。

 それはさておき、エイリアンがこれまたいい加減な奴らなの。何の戦略もなく突然空から降ってきて、いきなりバトル開始。

 でもよく考えて欲しい。このエイリアンがどこからやってきたかは詳しく述べられていないが、とにかく太陽系外の惑星からやってきたことだけは確かだ。

 未だ人類は火星へすら有人飛行を成功させていないところを見ると、このエイリアンたちの、「戦艦を地球へ派遣する」というのは相当の物理学的偉業とも言えるだろう。そんなエイリアンにとって人類の最新兵器なんて、石槍のようなものではなかろうか。

 そんなエイリアンの戦艦の内、連絡船と思しき船は地球の衛星にぶつかっただけであっけなく粉みじんになる。ていうか、わざわざ地球に着陸しなくても、そこらへんの小惑星を捕まえてきて地球に落とせば十分なんじゃないの? と思った懸命な諸君。そんなことをすれば海軍が活躍できないでしょ! だから何とでもエイリアンたちは地球に着陸する必要があったのです。

 一つだけ印象的だったシーンは、やっぱりアメリカでの軍人の扱われ方。戦前に活躍した退役軍人が呼ばれて、なんて日本でやったら「軍国主義!」とか言われて確実に批難されるだろう。また退役軍人のお爺ちゃんたちがまたカッコイイ。日本の元軍人の被害者ヅラしかできないクソジジイと比べくべくもない。やっぱり勝ってる戦争はカッコイイ。これは本能だから仕方ない。勝つのは気持ちいい。

 とにかく、物語はものすごく大雑把だけど、宇宙人との海戦は熱い! この映画はそれを味わうために映画館で見ないと面白くないだろうなあ。敵をいい加減なエイリアンに設定したのも逆にいい。これが日本軍とかナチスの残党とかだったら歴史考察なんかも絡んで中々荒唐無稽な戦いを描くことは難しかろう。『パールハーバー』の二の舞だ。

 その点、敵がエイリアンなら問題ない。いや、いくつか問題はあるが、全部「映画の都合」でどうにでも捻じ曲げられるし、それをやっても海戦アクションさえしっかり作っておけば、誰も文句を言わない。いい具合の荒唐無稽さである。

 そして欠かせないヒロイン要素。今回のヒロインは乳だけ良かった。これはもう乳だけ映せばいいんじゃないかな。でも一番萌えたのはウィル・スミスを女体化させたような黒人女海兵隊員。健気に戦う姿がいいね。この映画のチケット買うときの愛想悪い店員とは比べ物にならんね。

 とにかくエイリアンとの架空荒唐無稽海戦を楽しみたい、楽しめる、という方には十分楽しめる映画なんじゃないかと。久々に頭空っぽにして映画を見たような気がする。


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