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『エリジウム』:映画

 監督があの『第9地区』の監督、と聞けばついつい購入してしまうというもの。

 大まかなあらすじは、近未来、地球は汚染されて、金持ちは軌道上にエリジウムという楽園を作った。そこでは病気もなく、寿命も長い。それと、これは描写のなかったことだが、労働は基本的に人工知能搭載の人型ロボットがやってくれてるようだ。ここで出てくるエリジウムは、マジで聖書にある「エデンの園」そのものなのだ。ちなみにこのエリジウムの見た目だが、マスエフェクトのシタデルに似ている。まあ、リアリティを追求しつつもある程度空想を混ぜたらこんな形にしかならないのかもしれない。

 んで、地球はエリジウムに資源や製品を供給する生産地として搾取されている、というお決まりのパターン。まるで植民地だね。

 この映画、映像は戦闘シーンなど中々おもしろいが、何せやっている内容が完全に20世紀のSFで、『第九地区』のようにとがったセンスがどこにも感じられないのが残念。主人公が工場で働いているが、あれだけ戦闘とかこなせる知能と運動能力をもったドローンがいるなら、そいつらを工場で働かせた方が絶対人件費を抑えられて楽だと思う。

 物語の核となるアイテム、治療マシーンがとてつもなく万能。中に患者を寝かせてレンジでチン! みたいな感じでどんな病気でも治る。足の不自由な少女とか、外科手術が必要そうだが、それでも治る。しかもこんな装置が一般家庭に置いてある。この家はなんでこんなもん置いてるんだ?

 確かに、アメリカでは貧富の格差が広がりつつあり、国民は医療も満足に受けられない状態である。だが、今のSFでこれをやっても内容が古臭すぎて受けないだろう。やるなら「そこそこ満足できる暮らしだけど、心に何か不満を抱えた状態」というのが一番現代人にとってしっくりくるのではないだろうか。『時計仕掛けのオレンジ』みたいだが、あれが一番現代人にとっての問題を描いていると思う。

 この映画の唯一の見所といってもいいのは、戦闘シーンだろうか。SF兵器の戦闘シーンは、見ていて楽しい。兵器の選定、使い方もセンスがある。『第九地区』でも宇宙人の兵器が出てきたが、あれよりちょっと現実的な兵器が出てくる。ドローンとの戦闘は見応えがあった。特に破壊される様子は、新鋭芸術のようでかっこいい。

 敵の傭兵隊長とのバトルも熱かった。ただし、相手がマット・デイモンなのが悪かった。どちらが勝つかなんて分かりきっているから、大してハラハラドキドキしなかった。決戦なのに安心して見れるとか、どうかしてる。傭兵隊長の一番の見せ場は、顔面再生シーンだろうか。医療マシーンの本当の凄さというのがよく表現されている。ていうか、脳みそ半分くらい吹っ飛んでると思うんだが、記憶とか人格とかは大丈夫なのだろうか……? まあ、あの治療マシーンならそれくらいどうってことなさそうだけど……

 まあ、全体的に「普通のSF映画」でした。内容が20世紀なので、ストーリーは本当に見るところがない。ただ、戦闘シーンはよかったので、戦闘中心の攻撃的なSFを次はやって欲しいなあ、と思った。


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