呪いの訳と服の謎
蜜実視点の話です。
「行くぞ。」
そう言った咲人に、ついていく訳にもいかないが、ついていかない訳にもいかない。
何が悲しくてあたしは自分に呪いをかけた奴と一緒に歩かなくてはいけないのだろう…。
イヴェーリオ、助けて。
ってかそもそもなんであたしが成長が止まる呪いなんかをかけられなきゃいけないの?!?!
そこで、あたしはきいてみた。
「ね…、ねぇ、咲人くぅん?」
怒らせたら何しでかすか判ったもんじゃないから無意識に猫なで声ι
「…なぁに?蜜実。」
作り笑いは無くなったものの、嘲笑の嵐。
まぁでも作った表情よりも好きかもしれない。
やっぱズバっと言うべきだよね?
「呪い、といて?」
「蜜実、そんなに老人に憧れていたのかい?」
「いや、別に憧れている訳じゃないけどさ、成長を止められても困るんだι だってこのままじゃあたし一生未成年だよ?」
「はぁ…。」
咲人はやや大きめのため息をついた。
「蜜実、言っとくけど、ここは蜜実がいた世界じゃあない。時の流れが違ったら困るだろう。」
「どう困るの?」
「寝て起きる毎に30さい位ずつ歳をとっていたり、5時間毎に1歳ずつ若返っていったり。」
なるほど、それは確かに困る。
「そっか…。」
改めて此処は別世界なんだと思い知らされた様な気がした。
「僕の家に着く前に服をどうにかしないとね。」
気付けばいつの間にか森を出ていた。
「呪いがかけれるんなら魔法もつかえるんでしょ?魔法で出してよ。」
嫌味たっぷりに言ってやった。
「蜜実がいいなら僕もいいケド、本当にいいかい?」
恐ろしい程の作った笑顔で咲人はあたしに問い掛ける。
きっと、絶対よからぬこと…変な服を出すなこの男…。
「やっぱり結構です。」
あたしは即座に断った。
「じゃあ近くに城下町があるからそっちで買おうか。」
咲人が言った。
元の口調は変わっていないのに表情だけで此処までキャラが変わるとは…ι
等と考えてしまう。
どうせ世話になるならもっとまともな人がよかったなぁ。
「蜜実、なんか僕にとてつもなく失礼な事考えてるだろ。」
にっこり笑顔の咲人くん。
コワイコワイコワイコワイコワイ!!!
もう一度自分にききます。
《本当についてって平気?》
仕方ない。
ってかついてかない訳にもいかないんだよ?
多分どっちにせ大変な目にあうと思う。
異世界にきちゃった時点でもう大変じゃんι。
はぁ‥
というか、服服言ってるけど、この世界の服ってどういうの…?
咲人は和服を着流してるし…
イヴェ…一角獣は服着ないよねぇ。
どうか変なのではありませんように!!!(願)




