呪われた接吻
蜜実視点です。
本当に
この人は、なんなんだろう。
人を、
魅了する笑顔。
虜にする笑み。
ツ ク リ ワ ラ イ
気持ち悪い位。
その笑顔に慣れてる事にも嫌悪感を抱く。
他の人は気付かないのかしら?
凄く失礼だけど。
見ていられないの。
作り笑いしか出来ない咲人が可哀相。
「その笑顔、止めて?」
あたしはそう言った。
なおしてくれるはず。そんな期待を込めて。
「フフフ…」
咲人が笑った。
この笑顔は心からの笑顔だ…
あたしは直観的にそう感じた。
そして、この笑みは嘲笑。
そうも思った。
咲人は言った。
「本当に面白い子だね…蜜実…。」
口の端を釣り上げて笑う咲人。
かなり恐い。
ジリジリとあたしの方へむかってくる。
何…?
何ι?!
やばい恐い!!!
「あ…の!ご‥ごめんね!?」
あたしは咄嗟に謝った。
咲人が恐かったから。
《作り笑い》って言ったのやっぱり怒ってる…?
「そりゃ…初対面で‥ぁぅ…失礼だとは…」
「よくわかったね。」
「‥へ?」
あたしは近寄る咲人から逃げるように後退りしようとしているけど恐怖で動けない。
咲人の紅い目に囚われたまま。
「誰にも、バレた事は無かったのになぁ。」
咲人は凄く楽しそうに笑う。
「じゃあ蜜実には地で話そう。…僕の地を見抜けたのは蜜実が初めてだ。本当にニンゲンか?」
何言ってんの?!?!
あたしは列記とした人間です!!!
咲人の手があたしの顔に伸びる。
「あたしは…人間です!」
「咲人‥何言ってんの?」
そう言おうとして口を開けた瞬間、咲人がボソッと何かを呟いてあたしの唇を唇で塞いだ。
(はっι?!?!?!?!?!?!)
こともあろうか咲人は舌まで入れてきた。
もう恐怖も何も怒りと羞恥心で消え去った。
嗚呼…あたしが赤の他人だったらばきっと
《あぁ、あんな美男とチューしてるよ。幸せ者だなぁ…》
とか思えるんだろうけど、今はそれどころじゃあないι
「ふぅぅ〜!!!」
窒息死する…ι
…って!!!
死・ん・で・堪・る・かぁ!!!!
“バシバシバシバシ!”
あたしはそれこそ死に物狂いで咲人の胸をたたく。
「っぷぁ!」
あたしの願いが届いたのかやっと咲人は唇をはなしてくれた。
「な…に‥を…!」
「ご馳走様vv 今、蜜実に呪いをかけてやったんだから僕に感謝しろ?」
咲人はそう言い放った。
「…は?!?!呪い?!?!」
この世界の人間(?)は出会ってすぐに呪いをかけるんですか?
ってか…呪いをかけられる位ならまだベロチューだけのが良かった…(凹)
「成長が止まる呪いだから大丈夫。」
「な〜んだぁ‥!って!ちょっと!!!」
「何?蜜実?」
にっこり笑顔の咲人。
二重人格すぎる‥。
「成長が止まるって…ってか…ぅぅ‥ベロチュー…」
ファーストキスだったのに…。
「フッ。初めてをありがとうございます?」
再び嘲笑。
「はぐぅっ…なんで‥」
「秘密‥。」
もうヤダ…。
全てはあたしが作り笑いを止めてほしいって言った所為?
だからって…。
「蜜実、行こうか。」
咲人は再び歩きだす。
「…ぅぅぅ…」
腹グロ咲人より一言。 「ん〜。美味しかったよ?(笑)」