帰り道
これは主人公蜜実視点の話です。
「さようなら〜」
「ばいばいっ!」
「ねぇ、これからブクロ行く」「あたしも〜」
色々な人の、色々な声や言葉。
「蜜実ィ、帰るべ!」
ぼーっとして辺りを眺めていたあたしの耳に入ってきた、友達の麻子の声。
「あっ、うん。帰ろ帰ろ。」
あたしは慌てて言う。
二人で教室を出て、学校の門も出る。
少し歩きながら他愛の無い話をした後、急に麻子が言った。
「そういえばさぁ〜、蜜実って中1?2?位からずっと其の黒い薔薇の指輪してるよね。」
今が高二だから五年間あまりも麻子は気にしていたのだろうか。
そんな事を考えながらも麻子の遠回しな質問に答える。
「これハメ始めたの中1の冬だよι ひぃおばぁちゃんの遺品からコレと一緒に『コレは蜜実の物です。』っていう謎の手紙と共に出てきた(苦笑)。」
「そっか…(苦笑)」
麻子はあたしにツラれたのか苦笑いを浮かべた。
きっと
「不味いこときいちゃったかな…ι」
とかって思っちゃってる。
そう。あたしが両親、妹、祖父母、曾祖母、あと伯母や伯父、沢山のあたしの大切だった人達を亡くしたのは忘れもしない中学一年生の冬休み。
冬休みと言ってもまだ年が明ける前。
吉畑家+親戚で山中の温泉宿に旅行に行った。
あたしは部活が大変な時期で忙しくて行けなかった。今思うとあの時行けば残されることにならなかっただろう…。
皆が泊まった宿がある山。その山が、両親達が出かけた次の日にニュースに出ていた。
――――――山火事だった。山のど真ん中にあった宿は例外なく全焼で、もちろん吉畑家が泊まった宿も…。
皆。皆、死んでいた。
女将さんも、従業員さん達も、他のお客さんも、親戚達も、吉畑家も、全て、皆、灰になった。
泣いた。
泣いた。
泣いた。
涙が枯れるまで泣いた。
やがて涙が出なくなって、嗚咽しか出てこなくなった。
あたしは入院した。
精神が安定してなくて。
情緒不安定?
それでも、麻子や、先生やクラスの皆。時には他のクラスの子達まであたしに会いに、励ましに来てくれた。
そのお陰もあって一週間しないうちに自分をとり戻せた。
だから、もう、泣かないよ。
[何があっても]。
「その…」
麻子が気まずそうに口を開いた。
「ゴメンね…変な事言って…。」
いつもの声色だが微かに声が震えている。
「ううん。麻子が遠慮する必要ないよ。ね?あたしもう平気だもん♪」
あたしは麻子に平気だと解ってもらいたくて笑顔でそう言った。
「…うん。…あ、蜜実、降りなきゃだよ!」
麻子に諭されて降りなければ気付くと慌ててバスから降りる。
「ばいばい☆ 麻子」
そう言ってあたし達は手を振りあった。
如何だったでしょうか(早)。 日本語になってない部分が多々あると思いますが、長い目で見てやって下さい!(笑)




