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コラプススタンプ   作者: アネミアン
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0:逆波(さかなみ)白(しろ)

よろしくお願いします。

人目の少ない暗い道を少年が歩く。

逆波白。それが彼の名前。見た目は12,3ぐらいの少年。その名前に反し、黒いぼさぼさの髪を目にかかるまで伸ばし、黒いズボンとシャツに膝まである黒いコートを羽織っていて、少し険しい目に眼鏡をかけている。あまり近づきやすいとは言えない。

道はレンガが敷き詰められているが彼の足音はない。太陽はとっくに沈んでしまって明かりは街灯の中の電球だけ。

音の無い静かな空間だ。

しかし、その静寂を壊す荒い足音が通りに響いた。

彼が振り向く。

彼の前には大柄な男が立っていた。帽子を深く被り鼻の頭から上は見えない。

「あなたは誰ですか」

白が尋ねる。しかし、答えが返ってくるとは思っていない。

男はそのまま白へと歩き続ける。

白の予想通り、返事は無い。

「ブラックパペットか」

白が呟き、続ける。

「大分早いな」

男の手が白の胸に触れる瞬間、男が小さく光り霧の様に消えた。

白は男が触れる直前に、逆に触れた手を服でパッと払い、そこで彼も消えた。


     ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


同じ消えた、でも前者と後者は大きく違う。

男は白の魔法で消された。対して、白は移転の術で移動しただけ。

白が移転したのは魔法管理組織も正式に発表している公式な魔法だが、男が消えるなどと言う魔法は魔法管理組織には無い。

この魔法を使う事が、彼が魔法開発に関わった事のある者だと証明している。

彼は昔魔法管理組織に属さない、独自の魔法開発研究所で魔法の研究や開発をしていた。

正式な研究所へ行かなかったのは、彼のその当時の歳では入れなかったからだ。

その時彼の歳は12。学校では天才と呼ばれ、親類の中では希望の星。

異常なまでの魔法についての技術と力を持っていた。

彼はそこでいくつかの強力な魔法を産み出し、そこで得た利益は大きい。

彼は将来に幸せを約束されたはずだった。


     ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


白は見通しの悪い路地裏に転移した。

ポケットから一枚の魔法陣の描かれた紙を取り出し、封印を解除する。

紙に封印されていた魔力石を取り出し、その石で地面に魔法陣を描き始める。

魔力石が削れ、白い線が引かれる。

円、線、点が次々と描かれ、5分も経たない内に魔法陣が出来上がった。

魔法陣は魔法の発動を助け正確性を上げたり、先に書いておき魔法の発動速度を上げることなどに使われるが、これはどちらかと言えば前者だ。

白が今から発動させようとしている魔法は世界外転移。転移を世界単位で行う、本来は大掛かりな魔法補助装置が必要となる魔法。しかし世界単位の転移は逃亡には非常に有効だ。すでに彼のような場合は世界外に逃げるしかない。それは、彼の命に刻まれたコラプススタンプを守るため。


     ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


13歳の時、彼は一つの魔法を生み出した。

彼はその魔法をすぐに発表し、気づいたときには遅すぎた。

世界というもの、そのものに影響をもたらす魔法。しかし、それは使い方を間違えれば世界の崩壊を起こす事も可能だ。それに気づいた彼は、自身の開発した情報を封印する魔法、コラプススタンプを使った。

唯一の情報を封印する魔法。

それにより、その魔法に関する情報が全てが彼の命に封印された。

彼の命が消えない限りその情報が他人に知られる事は無い。しかし、それでも存在の有無までは封印する事は出来なかった。

人々は力を求める。その力が封印された彼はその者たちの標的とされた。

これが、彼が幾多の世界を転移し続ける理由である。

封印の副作用で成長を奪われた彼自身さえも、この追いかけっこの先に何があるのかは分からない。

捕まってはいけない。その事だけで彼は逃げ続ける。


     ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


魔法陣の中央に立つ。

ここで座標の特定ををしなければいけない。多少の時間がかかる。しかし、次元の狭間に落ちては出れるかすら分からない。途中に邪魔が入られては困るが、仕方ない。安全な世界を探す。

「見つけた」

座標の特定を始めてから3分ほど。ここまで短くなったのは彼の経験からだろう。普通はするはずの無い世界外転移を繰り返しているうちに大分早くなった。

「黒髪が普通、人口十分、魔法の存在、あり」

確認を終えたと同時に彼はわずかな光りを発し、消えた。

彼の終わりの無い逃亡が続く。

他の連載、終わっていません。

文章を書くことにも慣れないままで、真面目な文章を書くんで、変なところもあると思います。よろしくお願いします。

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