第18話「初めての魔法演習」
* * *
場面は演習場へと移る。
「はい! じゃあみなさん!」
アリシアはぱん、と手を合わせ、明るい声で呼びかけた。
その声に、生徒たちははっと顔を上げる。
「私のことが見える位置に移動してください!」
促されるまま、生徒たちはぞろぞろと動き出し、
やがてアリシアを中心に、自然と円を描くように並んでいく。
その整った円を見て、アリシアはにこっと微笑んだ。
胸の奥にわずかな緊張を抱えながらも、
「では早速はじめますね!」
と明るく告げる。
円を囲む生徒たちから、「はい!」「お願いします!」と元気な声が返り、
場の空気が期待で満ちていく。
アリシアはその反応にそっと頷いた。
そして、ふと何かを思い出したように指を軽く鳴らす。
「皆さんは、何か見たい属性ありますか?」
講義に使う魔法の属性を、念のため確かめるように尋ねる。
その問いに、横にいた女子生徒が「はい!」と勢いよく手を挙げ、
そのまま元気いっぱいに、
「水属性が見たいです!」
と言った。
一瞬で生徒たちの視線がその女子生徒へ集まる。
アリシアもそちらに目を向け、ふふっと柔らかく微笑んだ。
「分かりました!」
軽やかに返事をし、そして一呼吸おいてから、
「先生水魔法は得意です!」
と胸を張って言うと、アリシアはくるりと生徒たちを見渡し、
確かめるように一人ひとりへ視線を送った。
皆が期待に満ちた瞳でこちらを見つめているのを確認すると、彼女は小さく頷く。
そっと胸の前へ手のひらを掲げると、淡い青光が花開くように魔法陣が展開した。
生徒たちは思わず目を見開き、静まり返った空気の中でその光景に見入る。
魔法陣の中心に、水の球体がふわりと浮かび上がる。
アリシアがゆっくりと手を上へと持ち上げると、それに応じるように水球から細い水の線が天へ伸びていく。
昇った水は一定の高さで円状に広がり、薄膜となってきらきらと輝きながら霧へと形を変えた。
淡い水霧は静かに降り注ぎ、アリシアと生徒たちを包み込むように降りてくる。
生徒たちの間からは、息を呑む音すら控えめに漏れた。
声にならない感嘆が空気の揺らぎとなって広がる。
やがて中心にあった水球は完全に消え失せ、
降り注いだ霧はひとつの帳となって結界の形を成した。
アリシアはゆっくりと手を下ろし、
「これが、方陣を使った水魔法、水帳結界になります。」
と説明する。
その直後、生徒の一人が手を挙げて問いかけた。
「先生! これはどう言った効果のある魔法なのでしょうか?」
アリシアは明るく微笑み、
「はい。これは、帳状の魔法結界になります。ある程度の魔法なら、これで防ぐことが出来ます。」
と答える。
生徒たちは再び感嘆の息を漏らし、
頭上から降り注ぐように展開された水の帳を、目を輝かせながら見渡していた。
お読みいただきありがとうございました。
投稿予定に何とか間に合わせるため、ご飯を食べながら作成しました!
次回も楽しんでいただけたら嬉しいです!




