第3話。サーニャの決断。イサムの覚悟。
サーニャの3年前、それは子供では考えられない経験した事であろう。
そして過去のサーニャは、ある事を決断する。
それは亡き母の面影……。
今宵はサーニャの母親の物語である。
時が戻って、サーニャはお城に戻り、イサムの部屋へと入っていった。
サーニャ「イサム様?」
イサムは拗ねてるのか、返事をしない。
イサム「ワシは寝とる」
イサムは明らかに嘘が下手であった。
サーニャ「寝てる人間は返事をしませんよ」
サーニャはクスッと笑い、イサムの近くに寄り添う。
サーニャ「イサム様、沖縄に行って仲間を集めるのです」
サーニャは優しい言葉で真の狙いをイサムに伝えた。
イサム「ワシはサーニャと離れたくはない!」
イサムはサーニャに甘える、それはサーニャを一番信頼してるからである。
唯一の《家族》だからである。
サーニャ「なりません、この城は二人では限界があります」
サーニャは優しく頭を撫でる、サーニャは《メイド》ではなく《家族》として接してる。
イサム「沖縄……あの時以来じゃな」
サーニャ「えぇ……そうですね」
イサムはまるで子供のように、サーニャに甘える、もはやどっちが子供か分からない。
イサム「サーニャ……むにゃむにゃ」
イサムはいつの間にかサーニャに抱かれたまま寝てたのである。
サーニャ「ふふ、イサム様は本当に子供みたいですね」
サーニャは静かにイサムの頭を枕に移動させる。
そしてサーニャはイサムのおデコに軽くキスをする。外国ならではのスキンシップだ。
サーニャ「私が必ずお守りいたします、イサム様が私を守ってくださたように」
サーニャ(そう、あれは今から7年前の出来事)
これは私が7歳の時の物語……。
遡る事1998年7月13日。沖縄県宮古島に、こじんまりと建ってる煉瓦家があった。
既に夜は暗くぽっりと家の中は明かりがついていた、その家に住んでる少女は母に甘えるように何かを手渡す。
少女「ねぇ~マミー!絵本を~ヨンデ~!」
少女は背伸びをして小さな手で絵本を母親に渡そうとするのであった。
母「はいはい~今片付けしてるから、あとでね!」
母親は子供の絵本を取るとテーブルに置いたのであった。
それを見た少女はほっぺを膨らませ
少女「もういいもん!しらない!」
少女は拗ねて自分の部屋のベットに潜り込む。
それを見てた母親は、少しため息をして娘の部屋へと入っていった。
母親は微笑み娘の頭を撫でながら、娘に話かける。
母「絵本を読むから、ちゃんと言うこと聞くのよ?」
母親の表情は優しさに道溢れてる。
少女「マミー!大好き!」
少女は母に抱きつくと母は娘の横に座って読み始める。
母「サーニャは本当に、この絵本が好きなのね」
サーニャ「うん!絵本の妖精さん大好き!」
サーニャは笑顔で瞳を輝きさせながら答えた。
母親は何かを感じたのか窓の外を覗くと……。
謎のフードを被ってる人影がこっちに向かってくる事に気づいたのだった。
母親は一時的に読むのを止めてサーニャに絵本を渡す。
母「いいわね、ちょっと用事を思いだしたから、一人で読んでなさい」
母「その前に水分を取っておきなさい、お水を」
母親は優しく娘に話しかけて頭を撫でる。
サーニャ「うん!えへへ」
サーニャは頭を撫でられて嬉しいのであった。
母親は冷静に保ちながらも半分は恐怖を背負って玄関先へっと進んでいった。
サーニャの母「ど、どなたでしょうか?」
サーニャの母親は恐怖で声が震える。
フード被った人影は強い口調で話しかけてきた。
フード被った人影「私だ……ドアを開けてくれ」
サーニャの母親は冷静さを保ちながら応えた。
サーニャの母「いいえ、開けるわけにはいけません」
サーニャの母「そちらが何者なのかを教えてくださいませ」
サーニャの母親は強い口調で威嚇したのであたった。
フード被った人影「……」
サーニャの母親は謎の男が反応が無い事に、ますます恐怖心が増した。
サーニャの母親は覗き穴から覗こうとした同時に謎の男の青色の瞳が写り込んだ。
サーニャの母「きゃぁぁ!」
サーニャの母親の悲鳴が上がる。
謎の男「落ち着け、私だ、コンスタン家だ!」
謎の男はサーニャの母親を落ち着けさせる為に、名を名乗る。
サーニャの母親は、いきなりコンスタン家の名前を聞いて胸の鼓動がなるのであった。
サーニャの母「あなた様はイサム様ですか!」
サーニャの母親はドアを開ける、するとそこに立ってた人物は。
謎の男はフードを脱いで、彼は名乗った。
イサム「イサム・コンスタンだ、海外電通を受け取り、会いにきた」
名乗ると同時にサーニャの母親は彼に抱きつくのであった。
サーニャの母「あぁぁ!ようやくお会いにできましたね」
サーニャの母親は抱き付いたまま一粒の涙を流した、イサムはそれに答えるかのように強く抱き締める。
イサム「ようやく、見つけた!」
イサムは彼女に対して優しく接する。
サーニャの母親は彼からゆっくりと離れた。
サーニャの母「私たら、コホン!し、失礼しましたわ、お入りくださいませ」
彼を家の中へと誘導するのであった。
イサム「うむ、では失礼させてもらおう」
イサムは、ゆっくりと家の中へと入るのであった。
サーニャの母親「どうぞ、お座りくださいませ」
サーニャの母親は洋風式の椅子を引いてイサムに座らせる。
イサム(長きに渡りコンスタン家に従えてきた所属メイドの末路が)
イサム(これまではとは何と悲しき事か)
イサムは部屋の様子を伺って嘆く。
サーニャの母親はイサムの心情を悟ったのか、話しかける。
サーニャの母「私は信じておりました、イサム様が私達を決して見捨てないと」
サーニャの母親は胸に手を当て過去の事を思いはしる。
イサム「あの時に決めていた、地獄の果てまで探しだすとな」
イサムは真顔で語りだす。
イサム「我が一族は、あの襲撃事件以来、コンスタン家は私だけになってしまった」
イサム「せめて従えてくれた者が逃げられて良かった」
サーニャの母親は、一粒の涙を溢す。
サーニャの母「お痛わしい事でしょう、イサム様」
サーニャの母親は涙を拭いて語りだす。
サーニャの母「もう7年も経過しましたね」
イサム「そうだな、だが悔いはない、二人共再会できたのだ、いや三人だな!」
イサムはサーニャも途中で入れた。
サーニャの母「そうですね、三人ですわね」
サーニャの母親は微笑んだ。
イサム「これでコンスタン家の血筋が絶えても悔いはないな」
イサムの本来が二人を探す事を目的に活きてた事を自覚してたのである。
それを果たしたイサムには、もはや目的が無くなってた。
サーニャの母「イサム様!!」
サーニャの母親は、怒った顔つきで首を横に振る。
イサム「す……すまない」
イサムは、なぜ自分から絶える事を口から吐いたのかを悔いる。
サーニャの母親は場を和もうと話しだす。
サーニャの母「で、では!紅茶を淹れますね」
サーニャの母親は紅茶の準備を急ごうとした時であった、サーニャの母親に異変がおきた……。
口から大量の血が溢れたのであった。
サーニャの母「う……あぁぁ」
サーニャの母親は、その場で床に倒れる。
イサム「ニーナ!!」
イサムは慌ててサーニャの母親の所に駆け寄って、抱き寄せる。
ニーナ「イ……サム様、名前を覚えてて、くださた……のですね」
イサム「忘れるわけあるまい、あの時、私は誓ったのだ、名を忘れまいと!」
コンスタン家とは本来は貴族であり、ニーナは元々コンスタン家の代々メイド所属の側であった。
それ故に従えるメイドは決して己の名前を教えてはならない規則であった、貴族コンスタンの権威、富、財産を守る為でもある。
ニーナ「嬉しいゅ……ございま……す」
ニーナは己の身体を震い立たせるように、イサムの顔の近くで、話しかける。
ニーナ「サーニャを連れて行って……くださいませ」
ニーナ「ここを火事にみせかけるの……です」
ニーナはイサムの袖を力いっぱい握って問いかける。
イサム「出来ぬ……私には!」
イサムは己の不甲斐なさに一粒の涙を流して顔が歪む。
ニーナ「あぁぁ……イサ……ム様の青色の……瞳はなんて」
ニーナ「なんて美しい……のでしょ……か」
ニーナはイサムの青色瞳から一粒の涙が零れ落ちるのを手の平で受け止める。
ニーナは最後の力を振り絞ってイサムに説明する。
ニーナ「さぁ計画を進めてください(ゲホゲホ)下準備は」
ニーナは、最後の言葉を発する間もなく息を引き取った。
イサム「下準備だと……!?」
イサムは、その下準備の意味を深く理解するのであった。
台所をみつめると灯油タンク3缶と無数のマッチであった。
イサム「ニーナ、意思は受け取った」
イサムはニーナの上半身をゆっくりと床に下ろした。
イサム(ニーナはいつから病魔におかされてた!?)
イサムはどうしょうもない怒りと悲しみに押し潰されそうになっていた。
イサム「もっと私が早く見つけていれば」
イサムは嘆いても仕方がないっと行動に移す事にした。
まず始めにニーナを白い布に覆い被せさせた、次に灯油を撒いたのであった。
灯油がトレンチコートに付いてしまう、イサムはトレンチコート脱いで、そしてサーニャの部屋へといく。
イサム「サーニャ、サーニャ!」
イサムはサーニャを見つけたが眠ってる、絵本を抱いたまま。
まるで睡魔に襲われたかのように。
イサム「ニーナ!!すべては計画通りか!?」
イサムは飲み水のコップを発見したのであった。
イサムは絵本をリュックサック入れてサーニャをダッコして家を出る瞬間に……。
マッチに火をつけて撒いてた灯油に引火させたのである。
イサム達は家から離れてから家はものすごい業火となっていた。
火事の噂を聞き付けて、消防車、救急車、警察が集まりだしたのである。
その騒動で、ようやくサーニャは起きたのである。
サーニャ「まみー??」
サーニャは半分寝ぼけて、イサムをまみーっと呼んだ。
イサム「ようやく、起きたか」
イサムはサーニャを下ろした。
サーニャ「マミーはどこ~?!だれなの?」
サーニャはこの状況を読みきれてない、混乱するサーニャ。
イサム「よいか、お前の母はお前を助けて……」
イサムは途中で言葉が詰まるのでる。
イサム「家が火事になって私達を先に逃がしたのだ!」
イサムは二度の言葉で伝えた。
サーニャ「どうしてなの?マミーも一緒に逃げなかったの!?」
サーニャは理解ができなかった、当然である、まだ幼い子供なのだから。
サーニャは家の方向へ帰ろうとする、それを阻止するイサム。
イサム「サーニャ!戻ってはならん!」
イサムはサーニャをダッコするがサーニャは避ける。
サーニャ「どーーしてなの!!もどるもん!」
サーニャは泣きだしながら、家へ戻ろうとする。
イサム「いいがけんにするんだ!!」
イサムはついには叱ったのである。
サーニャは不安と恐怖と叱られて、ますます泣きだした。
イサム「しまった、私とした事が……」
イサムはサーニャを強く抱き締める。
イサム「ニーナはお前の事を愛してた、私はニーナの友人だ」
イサム「お前を助けてやってほしいと言われたのだ」
イサムは優しく語りだしてニーナが所属メイドだとサーニャには伝えないで伏せたのであった。
サーニャは、イサムの胸元で泣きやむ。
サーニャ「マミーは……マミーは生きてね?」
サーニャは母が生きてる望みを捨ててない。
イサム「あぁ……もちろんだ!」
イサムは涙をこらえる。
イサムは家の方角を見て炎に包み込まれる家を眺める、夜だというのに家が烈火に包まれるせいか。
まるで夕方のように周りが照らさられる、すると彼の怒りが混み上がり、青色の瞳が火事の炎で赤色に染まる。
そして火事の炎でイサムの影が、まるで悪魔のように写り混む。
サーニャ「ゃだ~おじざばまぁ!コワイよ~アクマがぁ~」
サーニャ「うわぁぁぁん」
サーニャはイサムの影が悪魔に見えて怖がる。
サーニャの泣き声でイサムはハッと目を冷ます。
イサム「はは!許してくれ、サーニャ」
イサムはサーニャを強く抱き締める。
サーニャ「もう、ならないで!」
サーニャはイサムの胸元を強く握る。
イサム「誓って誓おう、誓うぞサーニャ」
イサムはサーニャを二度と泣かせまいと己の心の中でも誓うのであった。
イサム「サーニャに渡したいのがある」
イサムはリュックサックから「絵本」を取り出しサーニャへ渡す。
サーニャ「あ~私の大好きな絵本!おじさん持ってきてくれたの?」
サーニャは絵本を見るや喜ぶ、なぜならサーニャのお気に入りだからである。
イサム「世界に一冊だけの絵本じゃからな!」
イサムもサーニャの初めての喜ぶ顔が見れて微笑む。
サーニャ「マミーの大切な絵本なんだよ!」
サーニャは気づくはずがない、この作者が誰なのかを気づくのは、この後のお話である。
イサム「サーニャ、約束しょう、我が剣と盾とグリフォンに誓って必ずや守るとな」
イサムは膝をついて誓った、サーニャの為なら真の偽りでも、生きて背負うっと。
サーニャ「うん!おじ様!」
サーニャは今度は自分から強く抱き締める、その時である。
サーニャはイサムの瞳が宝石の様に輝いて、みえたのだ。
サーニャはイサムの目玉に手を伸ばす。
サーニャ「えい!」
サーニャは親指っと人差し指っと中指を使って目玉をもぎ取ろうとしたのだった。
イサム「ぎゃあぁあ!!」
サーニャの不意打ちでイサムは悲鳴をあげる。
イサム「サーニャ!こら!」
イサムは手のひらで眼を守り、優しく叱る。
サーニャ「えへへ、ごめんなさぁい~」
サーニャは笑いながら。謝りっつもイサムの目玉を狙う機会を伺う。
サーニャの《癖》はここから始まったのである。
イサム「さぁ、そろそろ我がアュブ城へ帰ろう」
サーニャ「おじ様!お城に住んでるの!」
サーニャはお城と聞いて喜ぶ。
イサム「そうだとも!私は貴族だからな!」
イサムは微笑んでサーニャを安心させるのであった。
イサム「さぁ!二人で帰ろう!」
サーニャ「うん!」
イサムはサーニャの手を繋ぐ。
イサム・コンスタン(どんな手段を使っても守ってみせる、それが悪魔に魂売ろうとな)
次回、第4話。謎の組織と絵本。




