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24年物語(小説家になろう版)  作者: 司馬横龍
24年物語(エピソード1)
2/31

第2話。娘の腕試し。

一瞬でSPを気絶させる、サーニャ。この強さは何処からくるのか?


今宵は、そんなサーニャの一部が見れる事だろう……。

 サーニャが15才で格闘技術を身に付けたか、今から5年前の話しである。


 遡る事10才のサーニャは、興味本意でイサムの秘密の隠し書斎部屋に入ったのである。


 サーニャは糸で引っ張られるかのように一冊の本を手に取る、その本の台は《アュブ・ハュルクの日記》であった。


 サーニャは本を広くと写真より大きい一枚の人物画がサーニャの床に落ちた、サーニャはその人物画を見て一瞬で一目惚れしたのである。


 その人物画のアュブ・ハュルク。アュブは顔に傷痕、目は片目が潰れ、左腕が無い。今で言う《障害者》であった。


 だが《障害者》とは思えない程の武装をしてるのである、背中にハルバード二本背負い、腰には無数の短戟を巻いてる、右手には謎の杖を握り。


 アュブの肩には光輝く丸い一つの球体が寄り添ってる、そしてこの世の者とは思えない《敵》と戦ってる場面が描かれてる。


 その本にはアュブ流戦闘技術書が載っていた、サーニャはこうして自分の部屋へと持ち帰る。この事は無論イサムは知らない。



 そしてサーニャが12才の時にある事件が起きる、サーニャは好奇心でお城を飛び出たしたのである、外に出る時は必ずイサムが同行するはずであった。


だが外と言っても、お城の城壁ぐらいである。


3年前のイサム「む?サーニャ何処におる!?もう昼だぞ!」


 イサムはサーニャを探したが居ない、イサムは嫌な予感に飲み込まれる。


 お城の中をくまなく探したが見つからない、お城の中を探すだけでも3時間はかかるだろう。


3年前のイサム「まさか!?お城の外に出たのであるまいな」


 イサムの嫌な予感がますます増大するのであった、イサムは自分の部屋へと戻り、タンスの床に隠してた武器を取る。


 防弾チョッキを着り、カラシニコフAKー47のマガジンを確認して部屋を出る。


3年前のイサム「ワシは、また大切な者を無くしてしまうのか、今度こそ!守ってみせるのだ!」


 イサムは自分を悔いるように、お城の外へと向かうのであった。


 その頃サーニャはお城の外を見た事がないのか。ますます興奮するのであった。


3年前のサーニャ「すごいー!」


 サーニャはネゲヴ砂漠を見るのは初めてなのだ。サーニャは7歳の時にアュブ城に来た際はタクシーの中で寝てしまってたからだ。


 何故イサムがサーニャを一人で外に出させないのか?それは広大な砂漠地域だからであった。


3年前のサーニャ「ん~でも暑いよー」


 サーニャは初めて砂漠の気温でへたるのである、汗がほとばしる。


するとサーニャの前から謎のジープが目に止まる。


3年前のサーニャ「何だろうー?」


 サーニャは不思議そうに見つめると、ジープがサーニャの所へと、移動するのであった。


派閥将校「おい!止まれ!あそこにガキがいるぞ!」


 将校だろうか運転手に命令する、運転手は将校の命令に従って車を止める。


下級兵士「隊長、なぜここに子供が!?」


 下級兵士はハンドルを握ったまま不思議そうに将校に聞く。


派閥将校「ふん!知るか!見られたからには、殺す!」


 将校はそう言った瞬間にジープから降りる、そしてサーニャの所へゆっくり移動するのであった。


 その頃イサムは、呼吸するだけでも疲れていたのである、イサムはこの時に既に60歳過ぎであった。


3年前のイサム「何処におるのだ!まったく!」


もはや愚痴しかでないのである。


 するといきなり悲鳴が聞こえたのであった、イサムの心臓の鼓動が早くなる。


3年前のイサム「サーニャ!!」


イサムは不安に押し潰されそうになる。己の力を振り絞り走る、いや小走りである。


だがイサムが見た光景は?


3年前のイサム「ば馬鹿な!?」


3年前のサーニャ「あー!おじ様!」


 サーニャは平然としていたのである、イサムは理解不能であった。


 なぜなら、倒れてたのは、あの派閥将校と下級兵士であったからである。


3年前のイサム「サーニャ!?これを一人で倒したのか!?」


 イサムはもはや疑う余地さえも無かった、目の前に倒れてるのは……。


 紛れもなく兵士なのだから、兵士はまるで仰向けで眠ってるように気絶してるのである。


3年前のサーニャ「そうだよ??」


サーニャは平然と話す。


 イサムは氷づく、当然である、まだ幼い子供が熟練の兵士を倒すのだから……。


そしてイサムは心の中で誓う、サーニャを怒らせまいと。


3年前のサーニャ「早く帰ろうよ!喉乾いた!」


サーニャはイサムの手を握る。


こうしてイサムはサーニャの強さを知ったのである。


 イサムは何故サーニャがここまで強いのかは不思議でならなかった。


 それ以前にまだ12歳の子供がここまで強いのは異常なのだっとイサムは心の中で呟く。


3年前のイサム(待って、ワシが逆になってるではないか!)


3年前のサーニャ「そーいえば、おじ様!すごい!装備だね」


 サーニャは平然と痛い所を突く、イサムの心境さえも子供の無邪気には敵わない。


3年前のイサム「はは……何だろうか疲れたのぅ」


イサムはもはや疲労感で満ちていた。


3年前のイサム「ワシがしっかりと礼儀作法を教えるからな!」


 イサムはサーニャを教育する方針を決めたのである。しっかりと教育させようと決める。


3年前のサーニャ「は~ぃ」


サーニャはしぶしぶ返事をする。


 アュブ城に戻った二人は先に冷蔵庫へと走る、先にイサムはサーニャに冷たい飲み物を渡す。


 サーニャは両手でイッキ飲みする、リモンナナをサーニャに飲ませる。


 エルサレムの一般的な飲み物であった(リモン)はレモン(ナナ)はミントっと意味である。


3年前のイサム「よし!準備をしょうかの!」


イサムはサーニャの顔を見て微笑みながら呟く。


3年前のサーニャ「何の!?準備なの?」


サーニャは不思議そうにイサムに質問する。


3年前のイサム「良いか!あの者達は克服しにやってくるのじゃ!」


イサムは派閥達を気絶さてた事に危機感を覚えていた。


 それはつまり彼らに対しての宣戦布告である事を意味していた。


3年前のサーニャ「えーでも、向かうから来たんだょー!」


サーニャは頬っぺたを膨らます。


3年前のイサム「ええぃ!とにかく克服しに来るのじゃ!こっちも準備をせねばならん!」


 あの軍服から見て相当な派閥組だと、なら早急に準備を急ぐしかないとイサムは考えたいた。


3年前のイサム「よし、始める!サーニャも手伝うのじゃ!」


 イサムはコップをテーブルに置いて移動するのであった、サーニャもコップを置く。


3年前のサーニャ「お風呂入りたいー!お腹も空いたもん!」


サーニャはまるで危機感がまったくないのである。


なぜサーニャが後に性格が180度も変わるのか。


 すべてはこの「アュブ城合戦」で明らかになるのである。


 始めにイサムはお城の外に罠を仕掛ける、そして次に城門にも、爆薬を仕掛けるのであった。


3年前のイサム「これサーニャ!遊んでないで手伝わんか!」


イサムはサーニャが遊んでる事に不安を漏らした。


3年前のサーニャ「えーだって!爆薬だよ!?怖いもん!」


 サーニャの態度は明らかに嘘だとイサムは気づいてた、ただ単にサボりたいだけであった。


3年前のイサム「誰に似たんだか、親の顔が見てみたいわぃ!」


 イサム……それは己の事を意味してるのだっとサーニャはまん丸な目で見つめる。


3年前のサーニャ「もーしょうがないな!」


 サーニャは爆薬の配線のコードを手伝うのである、この後の恐怖を知らないのであった。


 すると、いきなりアュブ城から鐘の音が聞こえてくる、鐘の音……何を意味するのか。


3年前のイサム「いかん!もう時間か!サーニャ!戦闘準備だ!」


 イサムは急に慌て始める、それは「敵」が来る合図であった。


3年前のイサム「今直ぐに!アュブ城に戻るぞ!」


イサムは作業の中断をしたのである。


3年前のサーニャ「うん!」


 イサムとサーニャは走ってアュブ城に戻る、サーニャは先にアュブ城に到着していた、イサムは。


3年前のサーニャ「おじ様!遅いーー!」


サーニャはアュブ城の入り口で仁王立ちしていた。


イサムはアュブ城に到着するのに、10分はかかってる。


3年前のイサム「はぁはぁ……これサーニャ、労ってくれ!」


もう何も言うまい、イサムは己の歳を呪った。


3年前のサーニャ「もう!おじ様!門開けて!」


 アュブ城の入り口の門はイサムしか開ける事が許されてない、サーニャにはまだ門が重たいからである。


3年前のイサム「分かっとる!慌てるでない!」


 イサムは門を開いて二人はアュブ城の中へ入る、そして二人は屋上へと上がっていく。


 屋上は周りを見通す事が出来るようになってた、そして展望台にもなってる、展望台には望遠鏡が固定されている。


イサムは望遠鏡を鉄門へと向ける。


 鉄門の入り口には、既に軍用車両が停まっていた、軍用車両は軍用ジープに軍用トラックであった。


 そして軍用トラックから15人も降りてるのが見えるのである、軍用ジープからは、派閥将校が降りてきた。


 サーニャが気絶させた、あの派閥将校である、兵士の皆が降りたと同時に兵士全員がブルーベレーの帽子を被る。


一人の兵士が派閥将校へと近づく。


二等兵士「バウロン将軍!準備完了です!」


 二等兵士は敬礼して派閥将校の事を「バウロン将校」と呼んだ。


バウロン将校「ふん!なら、始めるぞ!」


バウロン将校「あれを!持ってこい!」


二等兵士「ハッ!直ちに!」


二等兵士がトラックの荷台から取り出したのは。


二等兵士「バウロン将軍、ロケットランチャーをお持ちしました!」


 ロケットランチャーを準備していたのである、それを望遠鏡で見てたイサムは。


3年前のイサム「な、何じゃとー!ロケランじゃと!アイツら!」


イサムはロケットランチャーを見て驚くのである。


バウロン将校「我々をコケにした罪は重いぞ!くそガキが!」


 バウロン将校はロケットランチャーをアュブ城の屋上に標的を向ける、それを見てた二等兵士は。


二等兵士「バ、バウロン将軍!その命令は無かったはずですが!?」


二等兵士はバウロン将校を止めようとする。


バウロン将校「ふん!構わん!我々の力を見せてやるのだ!」


 バウロン将校は余程、サーニャに負けて悔しかったのか、もはや恨みでしかない。


 バウロン将校はロケットランチャーを屋上に向ける、そして次の瞬間。


3年前のイサム「いかん!サーニャ!!」


 イサムはサーニャを抱き締めて屋上から、他の屋根へと飛び降りるのであった!


っと同時にランチャーの弾が屋上にヒットしたのである、屋上はものすごい爆音で包まれる。


サーニャは悲鳴をあげるのであった。


サーニャは間一髪にイサムと一緒に他の屋根へと移動してた。


3年前のサーニャ「こ、怖いよ、うぇーん」


 サーニャは初めての経験であった、イサムは久しぶりにサーニャの涙を見たのである。


3年前のイサム「だぁー!ワシの城がぁぁぁー!」


イサムはある意味で涙が出てるのである。


バウロン将校「ふぅーすっきりだ」


 バウロン将校はロケットランチャーを地面に置いた、その時である。


バウロン将校の後ろから声が聞こえてくる、その者は。


リィ軍曹「おい!これは命令違反になる!」


彼はリィ軍曹。アジア人であった。


バウロン将校「言葉に気をつけろ!今は将軍だぞ!」


 バウロン将校はリィに怒鳴りあげるのであった、二人は戦友でもあった。


リィ軍曹「ハッ!申し訳ありません!将軍!」


リィ軍曹は敬礼をするのである。


バウロン将校「おい!手榴弾を持ってこい!」


二等兵士「直ちに持ってきます!」


 二等兵士は敬礼してトラックの荷台から手榴弾を取り出しバウロン将校に手渡す。


バウロン将校「鉄門の先に爆薬がある、手榴弾で爆破させる!」


 バウロン将校はイサムの戦術を見抜いていたのである、バウロン将校が手榴弾を投げると案の定。


手榴弾の爆発と同時に罠も爆発するのであった。


バウロン将校「よし!では、トラックで移動するぞ!早急に片をつける!」


バウロン将校の命令で一斉に全員トラックに乗る。


兵士一同「サー!」


 一方イサム達は、戦闘準備へと追われていた、イサムは愛用のカラシニコフAKー47を手入れしていたのである。


そして愛用レッドベレーを被る。


3年前のイサム(懐かしいのぅ〜あの時以来か、このレッドベレーを被るのは)


3年前のサーニャ「おじ様……人を殺した事あるんだ」


 サーニャは一粒の涙を流す、サーニャはイサムの過去を知らない、それ故に恐ろしかったのかも知れない。


 普段知ってるイサムでは無くなる、サーニャにとって辛い事なのだ。


3年前のサーニャ「わ、私が!謝ればいいんだよね?謝る!」


 サーニャはイサムを殺人鬼になってほしくない一身で提案したのだろう、イサムの反応は。


3年前のイサム「ならん!己がやった事だ!もう覚悟を決めよ!サーニャ!」


イサムは初めて本気でサーニャに怒ったのである。


3年前のサーニャ「お……おじ……」


サーニャは一粒の涙から大量の涙へと零れる。


3年前のイサム「これは戦争だ、先に手を出した方が負けるのだ、覚えておくのだぞ」


イサムはサーニャに何かを伝えようとしたのだろう。


3年前のイサム(あぁ、そうだとも、ワシはどれ程の人を殺めてきたか)


3年前のイサム(サーニャお前には悪い事をしたな)


イサムはサーニャを見つめて心の中で答える。


3年前のイサム「サーニャお前は、隠れるのじゃ」


 イサムは既に「兵士」の顔になっていた、あの優しいイサムの面影は消えていた。


3年前のサーニャ「やだ!サーニャも一緒にいる!」


 サーニャは駄々こねる、するとイサムはサーニャを睨みつける、青色の瞳が鋭さを増すのである。


3年前のサーニャ「はい……隠れます」


 サーニャは初めてイサムに睨みつけられて敬語になるのである、サーニャの心に変化が起きてる。


 イサムは先にサーニャを移動させる、サーニャの後ろ姿が寂しさで見てとれたのであった。


 すると、入り口から兵士の足音が聞こえてくる、イサムは戦闘準備する。


3年前のイサム「久しぶりの戦闘じゃ!腕がなるのぅ!」


 イサムはまるで、戦闘を楽しみにしてるような、言い方であった、イサム・コンスタン彼は何者だろうか。


ブルーベレー軍隊15人は正々堂々と入り口の門から侵入したのである。


バウロン将校「気をつけろ!アイツは一般人ではない!あの罠からすれば危険だ!」


バウロン将校は全員に警戒態勢をさせる。


兵士一同「サー!」


先に一手を撃ったのは、イサムであった。


 イサムはAK47を撃ちまくるのである、家の中は銃撃の火花が散っていた。


 ブルーベレー軍隊は既に6人もの、被害を受けていたのである。


 バウロン将校は銃撃を避ける為に壁に背を向けて、銃撃の弾を避ける。バウロン将校は苛ついてた。


バウロン将校「リィ軍曹!階段から上ってアイツを仕留めろ!」


バウロン将校はリィ軍曹に命令する。


リィ軍曹「了解~!」


 リィ軍曹は素早い動きで階段を上っていく、彼は軍隊の中でも最強の分類に入る人物である。


 リィ軍曹はイサムの横に到着したのである、そしてリィ軍曹はイサムに格闘戦に挑むのである。


3年前のイサム「ぐぬぁ!格闘だと!?」


イサムはリィ軍曹と格闘に移行した。


 リィ軍曹の格闘戦術は中国のカンフーとブラジルのカポエイラを組み合わせた最強の武術である。


 リィ軍曹のブラジル流回し蹴りがイサムを襲うのである。


3年前のイサム「うぐ!?」


 リィ軍曹の回し蹴りがイサムの右腕に当たるのであった、イサムは銃撃戦なら得意だが、格闘戦闘は苦手であった。


リィ軍曹「どうした!これが本気か!死ね!トドメだ!」


リィ軍曹は得意の虎拳をイサムの胸の心臓がある位置に虎拳を叩きこむ。


3年前のイサム「うっ……!」


 イサムの口から血が流れだす、そしてイサムは階段から転げ落ちる、それを遠くで見てた者がいた。


3年前のサーニャ「い……いやー!」


 サーニャはリィ軍曹の前に脱兎の如く走ってリィ軍曹を攻撃するのである。


リィ軍曹「ぬお!?何者だ!?」


 いきなりの不意討ちで、リィ軍曹はバランスを崩してしまう、サーニャは連打の如く格闘戦闘に持ち込む。


 リィ軍曹も負けまいと、得意のブラジル流と虎拳で応戦するのである。


リィ軍曹「おい!何だ!この子供は!あ、あり得ない!」


 リィ軍曹は軍隊の格闘模擬戦で負けた事がないのである。


 目の前に自分と互角で戦う子供を見てリィ軍曹は、初めて恐怖を覚える。


3年前のサーニャ「よくも!よくも……お前は許さない!」


サーニャはもはや、怒りが頂点に達していたのである。


サーニャはリィ軍曹の格闘を巧みにかわす!


 もはや、サーニャの格闘戦闘技術はリィ軍曹の上をいっていた。


リィ軍曹「そ、そんな事がぁぁぁぁー!あってたまるかぁ!」


リィ軍曹はもはや、冷静でなくなってる、


 勝てないと分かってるからこそ、悔しいのである。焦るのであった。


 そして決着がつくのである、サーニャは階段の手すりを利用して大ジャンプするのである。


そしてリィ軍曹に回し蹴りをおみまいしたのである。

リィ軍曹「ぐぁ……!」


 リィ軍曹の顔にサーニャの靴が当たる、リィ軍曹は脳震盪を起こして気絶してしまう。


 サーニャは直ぐに階段を下りて脱兎の如くイサムの所に駆けこむのである。


だが、目の前に居たのは、あのバウロン将校であった。


バウロン将校「あの時のくそガキか!」


 バウロン将校は何とイサムの背中に銃を身構えていたのである。


3年前のサーニャ「お願い!止めて……殺さないで!」


サーニャは涙が溢れだすのである。


バウロン将校「自分のした事に悔いるがいい!」


 バウロン将校はイサムの背中に銃弾をおみまいしたっと同時にイサムは床に倒れる……。


それを見てたサーニャは。


3年前のサーニャ「い……やぁぁぁぁ!」


サーニャはイサムの所へ駆ける、サーニャはイサムの頭を抱える。


3年前のイサム「サー……ニャ……」


イサムはサーニャの顔を手のひらで包み込む。


3年前のサーニャ「いや……死んじゃ、いや!何でも言う事聞くから!」


3年前のサーニャ「死なないで……もうワガママ言わないから……パパ……!」


 サーニャは初めてイサムの事を「パパ」と呼んだのである。サーニャの涙が止まらない。


3年前のイサム「何!今何て言うた!?」


イサムはまるで何も無かった事のように、すくと立ち上がる。


3年前のサーニャ「きゃぁぁ!」


サーニャはいきなりイサムが立ち上がるのを見て、驚いたのである。


3年前のサーニャ「えぇ!?ど、どうしてなの!?生きてるの?」


 サーニャは、いつの間にか、ブルーベレーの軍隊団員に囲まれていたのである。


しかも死んだはずの団員が生きてるのである。


3年前のサーニャ「囲まれてる!?パパ!」


サーニャはイサムの袖を握る。


3年前のイサム「今パパって言うたろ!言っただろ!」


イサムは「パパ」と呼ばれて嬉しいのであった。


リィ軍曹「もういい!茶番はおしまいだ!イサム将軍陛下!」


 リィ軍曹がいつの間にか起き上がっていたのである、リィ軍曹からまさかの発言が飛びだしたのである。


3年前のサーニャ「将軍陛下!?」


サーニャは訳が分からなかった。


3年前のイサム「ははは!サーニャに本当の事を話しても良いじゃろう!


3年前のイサム「なぁ!我が戦友である、バウロンとリィよ!」


 高笑いしながらバウロンっとリィを交互に見つめる。イサム、バウロン将校、リィ軍曹は戦友であったのである。


バウロン将校「おい!芝居は最後まで通すのが約束だろ!パパで中断しょて!」


 今までのが芝居であったのである。だが途中っで中断されたせいか不機嫌になる。


3年前のイサム「すまん!ついパパが嬉しくてなー」


イサムの顔がほっこりしてるのである。


バウロン将校「我が部隊よ!集まれ!我がイサム将軍陛下に敬礼をするのだ!」


 すると号令と共に団員が集まり、被ってたブルーベレーを放り投げて、ズボンに隠してたレッドベレーを一斉に被るのである。


バウロン将校&リィ軍曹&部隊団員「将軍陛下に敬礼!万歳!万歳万歳!」


 一斉に敬礼をするのである、一ミリも誰もズレなく合わせる、もはやシンクロである。


3年前のイサム「久しぶりじゃのぅ!我が兄弟達よ!」


 イサムも敬礼をするのであった、イサムの正体は元独立軍レッドベレー部隊の将軍陛下であった。


3年前のサーニャ「でも!?どーして私に嘘をついてたの!?」


 サーニャは呆然っとなる。何故サーニャには嘘をついたのか、そこが疑問であった。


3年前のイサム「サーニャ、お前に本当の愛、勇気、大切さをを教えてやりたかったのだ」


イサムは膝をついてサーニャを抱き締める。


 それは唯一のサーニャが家族である事を認知してもらい故に、大胆な芝居を考えたのである。


3年前のイサム「だから、決して危険な事をしてはならん、愛してる、サーニャ」


イサムはサーニャをもう一度優しく抱き締める。


3年前のサーニャ「うん……パパ」


サーニャは涙が止まらない。サーニャの心の中で覚悟を決めたのである。


3年前のサーニャ(私がパパを守らないと!もう!ワガママな自分は卒業しなくちゃ!)


3年前のサーニャ(ママ見てて私も貴族のメイドになるから!)


バウロン将校「イサム将軍!もういいだろう!」


 バウロンは親子の感動的な所を見るのが、恥ずかしいのである。


リィ軍曹「いいではありませんか、俺は、ずーっと見れますよ」


 リィ軍曹は親子の邪魔をしたくないのであろう。リィ軍曹は微笑む。


3年前のサーニャ「あ!先倒した人だ!」


 サーニャは人差し指っで指す。リィ軍曹の痛い所をつくのである。


3年前のイサム「シッ!言ってはならん!サーニャリィはな!一応、部隊の中では強いだぞ!」



 イサムは人差し指を立てて唇にあてる。何故かイサムは二回繰り返す。


リィ軍曹「それわざとだろ!?」


 リィ軍曹は少し呆れる。サーニャ、バウロン、イサムは大笑いするのであった。


3年前のイサム「とにかく、皆お腹空いたろう!是非、食堂で食べよう!」


イサムは前もって全員分の食材を買っていたのである。


団員一同「サー!」


部隊の団員は敬礼をするのであった。


3年前のサーニャ「ちょっと着替えてくる!パパ!」


サーニャは着替えてくる事にしたのである。


 全員食堂に移動して準備を進める、食堂の洋風テーブルは30人が座れる広さであった。


団員が食器、コップを並べるのである。


3年前のイサム「むむ!?サーニャは遅いのぅ」


イサムは心配な顔になる。サーニャが心配でならない。


バウロン将校「イサム将軍!いつの間にか親バカになりましたな!」


 バウロン将校は優しいイサムを見るのが新鮮なのだろう。


リィ軍曹「歳を取りましたね、イサム将軍」


リィ軍曹は二人の中で一番若いのである。


3年前のイサム「ははは!そうじゃな!」


イサムの笑い声と共に食堂の入り口から、一人のメイドがやってくる、そのメイドとは!?


3年前のイサム「な!?サーニャ!その格好は!」


 イサムは驚いたのは無理もない、サーニャの格好はコンスタン家代、代々に仕えてきた。


まったく露出の無い正装であるメイドの服装なのだから。

3年前のサーニャ「これより私はメイドとして……」


3年前のサーニャ「コンスタン家の真のメイドとして従えさてもらいます」


 サーニャはそう伝えるとイサムの横に移動したのである。言葉使いも変えていた。


バウロン将校「記念に撮影をしょうではないか!皆集まれ!」


 バウロン将校の号令で皆が集まる、イサム・コンスタンを中心に整列するのである。


無論サーニャはイサムの横である。


 こうしてサーニャはイサムに対しての敬語を使うようになったのである。


 それは覚悟であった、コンスタン家のメイドとしての……。

次回、第3話。サーニャの決断。イサムの覚悟。

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