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24年物語(小説家になろう版)  作者: 司馬横龍
24年物語(エピソード2)
12/31

第12話。エルーシャと子犬。

地球上に人間ではない種族がいた。


その者たちは何者なのか?


今宵は、その人間ではない種族の物語である……。

 2005年7月5日。イスタンブールから離れた森林に徒歩で歩く者がいた。


 アュブ城を目指して旅をしてる2人組の物語である。


 2人組は夏用うすボロなジャケットを着てる、なるべく人混みを避ける為に森や森林を目指して進む。


 一人は女性である、ショートジャケットを着てる。もう一人はボロいジャケットだ。


2人は人間ではない、ドワーフとエルフだ。


ドワーフの名は「ガロガン」


エルフの名は「エルーシャ」


 歩いてると不機嫌な顔でエルーシャが急に立ち止まる。

エルーシャ「……」


エルーシャは立ち止まってガロガンを睨みつける。


ガロガン「ふぁ~あ~腹へったなぁ」


 ガロガンは、あくびをしながら歩く。エルーシャが立ち止まってる事に気づいてない。


エルーシャ「ガロガン!」


 エルーシャの睨みがますます強くなる、次の瞬間エルーシャは。


エルーシャ「お腹空いた……ガロガン」


 エルーシャは急に駄々っ子になるのであった、エルーシャは走ってガロガンの正面に立つ。


エルーシャ「空いた、空いた、空いた!」


 エルーシャは不機嫌な顔で駄々こねる、ガロガンを睨み付ける。


ガロガン「うるせょ、俺様にどうしろて言うだ!後で狩りしろ!」


 ガロガンはエルーシャの不機嫌な態度に苛つくのであった、すると何処かで鳴き声が聞こえてくる。


謎の鳴き声 「くぅ~ん」


 異変に感じたのかエルーシャは耳を傾ける、エルーシャはエルフだ、耳が良いのである、謎の鳴き声に反応した。


エルーシャ「ガロガン、今、鳴き声が聞こえなかった!?」


 エルーシャは鳴き声をした方向へと向かう、エルフの身体能力は人間の倍だ。


ガロガン「おい、待てぇ!何処へ行くだょ!」


ガロガンはエルーシャを追いかける。


 エルーシャは巧みに樹木と樹木の間をジャンプしながら走る、まるで空中浮遊である、人間では到底到、真似できない、早業であった。


 エルーシャは鳴き声がする場所へと到着した、遅れてガロガンも到着する、そこに居たのは。


子犬っであった。子犬は7歳ぐらいである。


ダックスフントだ、オスである。


エルーシャ「ガロガン、子犬だわ!」


 エルーシャは両手を使い子犬を持ち上げる、エルーシャとガロガンの口からヨダレがでる、すると子犬はまん丸な瞳でエルーシャを見つめる。


子犬「くぅ~ん」


エルーシャ「……」


エルーシャ(かわいい〜この子犬は見た事ないわ)


エルーシャの目が輝きを増す。


エルーシャ「この子犬も連れていくわよ!ガロガン!」


 エルーシャはガロガンの方を向いて子犬を抱っこする、母性本能が働いたに違いない。


ガロガン「お前、今ヨダ……うげ!」


 ガロガンは何かを言おうとしたのか、エルーシャのパンチが腹にヒットするのである。


エルーシャ「ガロガン、殺すわよ?」


エルーシャは微笑みながらガロガンを睨みつける。


エルーシャ「ん~名前つけないとねぇ~ヴィトよ!」


エルーシャは子犬を「ヴィト」と名付けた。


エルーシャ「ファッション本が好きなのよ、ヴィト!」


ヴィト「わん!」


 エルーシャはヴィトに話しかける、エルーシャはファッション本が大好きなエルフである。


 有名ファッション本「ヴィト」から名付けたのである。


 エルーシャは立ち上がりヴィトを見つめながら目を輝きさせる。ガロガンと2人だけだった。


 エルーシャにとってヴィトはこの時代の初めての生き物に対しての接触であった。


ガロガン「とにかくだ、アュブ城へ向かおうぜ!」


エルーシャ「ヴィト、私の家族よ!」


 エルーシャはもはやヴィトにメロメロであった、ガロガンの言葉が上の空である。


ガロガン「とにかくだ、アュブ城へ向かおうぜ!」


エルーシャ「二回目も同じ事を言わなくても分かるわよ!ヒゲジジィ!」


 エルーシャはヴィトをあやしながら。歩きだすのであった。


ガロガン「ヒゲジジィっで悪かったな!」


 ガロガンはエルーシャの後を歩きながら。小声っで呟く。


エルーシャ「もう限界、狩りに行くわ!」


エルーシャは空腹の為に狩りの準備をする。


 時刻は夕方になっていた、二人は狩りの準備を進める。始めにエルーシャが行動に出た。


 エルーシャは弓の名手だ、狙った獲物は百発百中だ、野生の鹿やイノシシを仕留める。


ガロガンは枝を集める。そして枝に火をつける。


ガロガン「なぁ?そのワンコは何を食べるんだ?」


ガロガンは犬を見つめる。


エルーシャ「本当は乳を飲ませたいけど」


 エルーシャはヴィトを、あやしながらガロガンを見つめる。


エルーシャ「ガロガン、乳を出して!」


エルーシャは冗談か……本気か。


ガロガン「出る訳ねぇだろうが!」


ガロガンはツッコミを入れるのであった。


 エルーシャのお腹が鳴る、エルーシャは無言で野生の鹿とイノシシの皮を剥ぐ。


エルーシャ「お腹が空くと何でも美味しそうに思えるわ」


エルーシャは皮と腎臓。肺を取り除く。


ガロガン「同感だな」


ガロガンは口からヨダレが出る。


エルーシャ「それじゃ、肉を火炙りにするわよ」


 エルーシャは肉を枝に刺して焚き火に当てる、肉が焼ける匂いがする。


ガロガン&エルーシャ「……」


二人は肉をボッーと眺める。


 肉が丁度良い加減に焼ける、エルーシャは先に食べようとした時だった。ヴィトが見つめる、目をまん丸して。


それを見てたエルーシャは。


エルーシャ「食べたいの?待っててね」


 エルーシャはヴィトの為にお肉を小間切れにする、エルーシャは手でヴィトの口に運ぶ。


ヴィトはゆっくりと食べるのであった。


エルーシャ「良かったわ〜見なさい!食べたわよ!」


エルーシャは喜ぶのであった。


エルーシャ「ガロガン!水を持ってきて」


エルーシャはガロガンに命令するのであった。


ガロガン「てめぇ!俺様を!」


ガロガンは言葉を無くす、何故なら。


エルーシャ「ヴィトは〜次は何を食べたいの?よしよし〜」


 エルーシャはヴィトを、あやしながらいつの間にか笑顔になっていた、微笑みが増えてるのだ。


ガロガン(何だよ、笑顔が戻ったじゃねぇか)


 エルーシャはアュブが亡くなって以来。感情が死んでいたのであった。


ガロガン「チッ!水を汲んでくればいいだろ!待ってろ!」


 ガロガンは立ち上がり、水筒を持って水を汲みに行ったのである、そして数分後に戻ってきて先にヴィトに水を飲ませる。


ガロガン(おい、俺はワンコの次かよ)


ガロガンは優先順位に心から虚しくなる。


 いつの間にか夜になっていた、二人は寝袋を用意するのである。


エルーシャ「ねぇ何時になったら?アュブ城に到着するの?」


エルーシャはヴィトと寝袋で寄り添って横になる。


ガロガン「そうだな、今はイスタンブール辺りか……まだまだ南下だな」


 ガロガンは寝袋で横になる、目を閉じて寝ようとする。


エルーシャ「アュブ城の場所は何処よ?」


エルーシャはまた質問するのであった。


ガロガン「エルサレムだ、イスラエルだな、いいからもう寝るぞ」


ガロガンはあくびをする。目を擦るのであった。


エルーシャ「そのエルサレムに?何日で着きそう?」


エルーシャはまたもや。質問するのであった。


ガロガン「14日間……だ……グ〜」


ガロガンは遂には寝てしまう。


エルーシャ「ヴィト、明日はガロガンがエサよ!」


 エルーシャは、ここぞとばかりにガロガンをエサにする。


ヴィト「ワン!」


ヴィトはまるで理解してるかのように吠える。


こうしてエルサレムを目指すのであった。


15日間の旅は続いた。

次回、第13話。アースィム、初めての街!?

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