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出会い
彼との出会いは寒い冬だった。
秋の終わりに入社した私は、冬に入社した彼とは社歴はほとんど違わない。
彼は、勤務地が違かったので入社して暫く経ってから挨拶をしたのを覚えている。
その後、詳細は知らないが彼は異動になり、同じオフィスで働くようになった。
しかも配属は同じ部署、近くの席。
彼とは業務上あまり接する機会は無かったが、困った時にすぐに助けてくれたり他の従業員に対しても対応が早かった。
近くの席になってから半年経つと、私は彼が気になるようになっていた。
【何か話す事はないか…】と考えてしまうようになり、なぜこんなことを思うのか考えたところ。
「あ、私。この人のこと好きなんだ」と自覚したのであった。
しかし、この事は言ってはならない。
本人にも気づかれてはならないし、周りの従業員にも察せられてしまうわけにはいかない。
彼の左手薬指には指輪がある。
彼の愛する奥様もつけてるだろう、指輪。
シンママの私が、好きな彼の幸せを奪う事はしてはならない。
そんな彼と、私の話を少しずつ話していこうと思う。
良ければお付き合いください。