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第16話 社員募集





会社の建設がだいぶ進んだ。

その前に、施設の維持管理のための社員は採用が決まり、残すところはダンジョンを探索する『冒険者枠』だ。


一応、最初は50人程度の採用を考えているが、受験資格は20歳以上の健康な男女としている。


パーティを組みたくないという者もいるかもしれないが、安全のためにはパーティを組んでほしいものだ。


『冒険者枠』の採用の募集をかけたところ、1000人を越える人数が申し込んできた。



『最古のダンジョン』に入れば、直接異世界に行くほどではないが、身体能力や魔力の向上が認められるようだ。

だから闘う能力よりも人間性に重点を置き、書類審査で半分くらいまで絞る。

志望動機には、家族の病を治したいというような内容もあった。


受験者の中には、意外にも女性の受験者が多いと感じた。

どこかで『若返りの果実』の噂でも流れているんじゃないだろうな?

何となく一抹の不安を感じる。


他にも、身体能力の高ささえ有れば採用されると勘違いしている者もいるようだ。

何人かで集まって話をしている者もいる。


「今、この『ダンジョン・サーチ』はすごく注目されているよな? この会社に入ることができるかな?」


「噂では希少な物が手に入ったら、それだけで億を稼ぐことも有り得るって聞いたぞ。」


「それより『魔法』よ!私は『黄金の騎士』のような魔法を使ってみたいわ!」


「そのためには『ダンジョン・サーチ』に入社しないとな。社員じゃないと、ダンジョンには入ることができないんだろう?」


「ぜひとも入社したい。」





面接官は西園寺財閥から人員を借りている。


会社施設は建設中であるため、会場を都内で借りて面接をする予定だったが、問題が発生した。


書類審査で絞ったものの、いざ集まった者について、一応イブに確認してみた。



『イブ。他の会社などの、いわゆる「スパイ」を目的とした者はいるか?』



『マスター。かなりの数がいますよ。やはりそういった目的で潜入、諜報活動をする者は、書類選考を通るように優秀な者を送り込んでくるのでしょう。』



『かなり居るのか。その他の志望動機には、どういったものがあるんだ?』



『はい。純粋にこの会社で働きたいという者がいますが、金銭目的の者もいます。』


『それに、書類審査の申告通り、本当に家族の病気を治したいと願う者がいるようです。どうやらマスターが以前、

火災現場で助けた高齢女性の末期の癌を治癒した

大怪我を一瞬で治した

という噂を聞いてきたのでしょう。』



『そうか。癌の末期となると、試せる治療を全て行い、他に方法が無く、藁にもすがる想いだろうからな。癌の他にも難病はたくさんある。家族の治療を望む人は多いだろう。』



そういう人達には頑張ってもらいたいし、実際に家族のために頑張ることができるよな。



『イブ。家族のために頑張る、という志望動機が本当の者から優先的に、受験番号を出してくれ。もちろん『スパイ』は除外してくれよ。』



『分かりました。そうすると52名になります。採用予定より2名多いですが、よろしいですか?』



『それで良い。少しくらいなら大丈夫だろう。麗華には言っておく。』



採用したい『冒険者枠』の候補はできたが、一応形だけでも面接を行ってもらう。

合格者には、後日通知が行く予定だ。



年内には、早くも会社の各施設の一部が完成し、その後も順次、完成していく予定だ。


会社が完成した時点で、いよいよ『最古のダンジョン』を設置したいと思う。




面接会場の控室にて。


「翔様。お疲れ様でした。しかし翔様が選んだ52名には、どのような理由があるのです?翔様のことですから何か根拠があるのでしょう?」



僕は、麗華にもだが誰にも『イブ』のことは言っていない。

ただ『そういうことが分かるスキルがある』とだけ説明している。

いずれは話すこともあるかもしれないが、今はこれで良いと思っている。



「選んだ者達は、誰かのために頑張ることのできる者なのは間違いない。頑張ってもらいたいと思っているよ。」

「それと、ダンジョンは会社のシンボルでもあるし、社員の目の前で設置したい。」



僕は、麗華にそのように相談した。



「社員の目の前では、翔様が身を隠すことはできないでしょう。それならいっそ『黄金の騎士』の格好で行うのはどうです? 社員の士気も上がりますし、良いPRになると思います。」



そうするか。

会社と『黄金の騎士』のつながりを認めることにはなるが、今更だしな。


『黄金の騎士』の格好なら僕の正体はバレないし、確かに麗華の言うように社員の士気が上がるだろう。



「麗華の言う通りにしよう。あと採用予定の社員に対し、家族に病気を患っている者がいれば申告するように伝達してほしい。」


「それは構いませんが……どうされるのです?」


麗華が困惑したように言う。


「ちょっとな。手間をかけて悪いが頼む。」


そんなの、僕がこっそり治療しに行くに決まっているだろう。

これから、ちょっと忙しくなるかもしれないが、社員よりもまず僕が頑張らないとな。





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