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第13話 麗華は何処?





「麗華が行方不明になって一週間だぞ。何故、足取り一つ見つからんのだ。」



私は西園寺財閥の当主、西園寺龍臣。

私達夫婦にはなかなか子供ができず、やっとの想いでできたというのに、その一人娘の麗華が行方不明になってしまった。



「あなた、皆は一生懸命麗華を探してくださっています。少し落ち着いてください。」



私の最愛の妻である、西園寺静香が私をたしなめる。

妻の言いたいことは分かるが、一向にすすまぬ麗華の捜索に、居ても立っても居られぬのだ。

今までも麗華を大切に、できるだけ家族の時間を大事にし、厳重な警備のもとに可愛がってきた。



「あなた、できる手は打ったのです。今は麗華が見つかることを願いましょう。」



私は静香の言う通りだと思いながら、ため息をつくことしかできなかった。





〜〜天童翔〜〜


西園寺麗華が宿泊する宿に来た。

彼女が本当に日本人なら、可能なら日本に連れて帰ってあげたいと思う。

指定された部屋のドアをノックし中に入ると、室内は薄暗かった。

何故、室内が暗いんだ?



「西園寺麗華、何故室内が暗いんだ?」



「すみません。恥ずかしいので、このままで良いですか?」



恥ずかしい?

確かに二人だけで話がしたいとは言ったが、男と二人だけで話をすることが恥ずかしいのか?



僕が室内を進むと、西園寺麗華は震える声で、



「初めてなので、優しくしてくださいますか?」



なんてことを言う。

この時点で、さすがに僕もおかしいと気づく。

まさか、そういうことか?

絶対に勘違いをしているぞ。



「西園寺麗華。勘違いをしていないか? 僕は話がしたいと言ったはずだが?」



「はい。ですから、日本に連れて帰る代わりに言うことを聞くように、ということですよね? 確かに私は何でもすると言いましたし、私には今何もありません。お好きになさってください。私の全てを差し上げます。」



おうぅ、やっぱりか!

違うだろ! 秘密の話があるに決まっているだろう。

いや「お前の部屋に行く」と言ったらそうなるか?

日本に連れて帰る見返りに、好きにさせろと?



『そうですね。これはマスターが悪いです。予想できたことです。』



イブが最もなことを言う。



「すまなかったな、そうじゃない。これから僕の秘密を話す。これは誰にも内緒にしてほしい。」



西園寺麗華が、虚をつかれたような顔をする。

そんな西園寺麗華を見ながら、僕はオリハルコンの全身鎧に換装『黄金の騎士』の姿になる。



「黄金の騎士。ニュースで見た方と同じです。…では本当に? 本当に実在したのですね。」



「見ての通り、僕は巷で『黄金の騎士』と呼ばれているようだ。ついでに言うと、僕はこの世界と日本を行き来できる。これが僕の秘密だ。」



「では、私を日本に連れて帰ってください!約束は守ります!」



西園寺麗華は、本当に日本に帰りたいのだろう。

緊張した姿から一転、僕に詰め寄ってくる。



「分かった。秘密は守ってもらう。あと一つ、僕の頼みを聞いてもらう。良いか?」



西園寺麗華は、西園寺財閥の娘だと言っていた。

なら、西園寺財閥の影響力を使って、金貨の処分方法とか『最古のダンジョン』の活用方法など、どうとでもなるだろう。

どうするか相談したい。

西園寺麗華は、日本に帰ることができるのが嬉しいのか、顔を赤くして笑顔になる。



「分かりました! 何でもします! よろしくお願いいたします!」







「ちょっと待ってください! お話は聞きました! 私達も行きますよ!」



そう言って、会話に割り込んできたのはティエルと、続いてアイリス、リデルの3人だった。

何故かティエルが興奮したように言う。



「異世界、行きたいです! 異世界に行けば力が手に入るという言い伝えがあります! それに見たこともない世界にも興味があります!」



西園寺麗華の件が片付きそうだと思ったら、また面倒なことになった。

僕も『黄金の騎士』になっているし、言い逃れはできないだろう。



「分かった。ただしどうなっても責任は取れないぞ? 秘密も守ってもらう。あと、西園寺麗華と同様、僕の頼みを一つ聞いてもらう。それで良いなら連れて行こう。」



西園寺麗華だけに頼み事を言うのは不公平かと思い、ティエル達の覚悟を試す意味でもそう提案する。

アイリス達は3人で何やら相談し、意を決したのか頷き合い僕に答える。



「本当に良いのか? 条件を全て飲むのか?」



4人が頷き、覚悟が揺るぎ無いのだと分かった。

まあ、何か異常が有ればすぐに戻ってくれば良いか?



「それじゃあ僕に触れてくれ。接触していないと転移できないからな。」



僕がそう言うと、4人は僕の前後左右に抱きついてくる。

いや、僕に触れろとは言ったけど、これは何か違うだろ!

改めて触れる方法を指摘するのも面倒になり、僕は日本に転移した。





日本の僕の部屋に転移した。

僕の部屋から見える屋外を見て、西園寺麗華が涙をこぼす。



「本当に帰ってくることができたのですね。」



西園寺麗華が喜びでうずくまるなか、他の3人は日本に興味津々のようだ。

西園寺麗華は改めて、



「カケル様。日本に連れて帰っていただき、本当にありがとうございました。」



と言い、その後にとんでもないことを言い出した。



「私達は約束通り秘密は守ります。それと、私達4人はカケル様の言うことは何でもします! 私のことは麗華と呼び捨ててください。末永くよろしくお願いしますね。」



と4人が、すごく良い笑顔をしていた。

頼み事を聞いて欲しいと言ったが、何でもしろとは言っていないのだが。

これからの生活を想い、僕は不安になったのだった。





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