第11話 異世界にも黄金の騎士が!?
街中でのマンションから、約一週間後の土曜日。
僕、天童翔も一応休みだが、会社に顔を出している。
今日は出勤している人も少ないし、急ぎの仕事も無いから異世界の『グレンダ王国』に行こうかな。
空間魔法『アイテムボックス』でラフな格好に着替えてから異世界に転移した。
〜〜一週間前、グレンダ王国、アイリス〜〜
私達が『黄金の騎士』と出会った翌日、私の妹ルミエールの病が完治したことが話題となりました。
妹が、生来からの病にふせっていることは有名でしたので、その噂はすぐに広まりました。
『黄金の騎士が第2王女の病を完治させた』と。
カケル様には逃げられましたが、妹が元気になったことは喜ばしい限りです。
今度改めて、きちんとお礼しなければなりませんね。
ふと、王都の片隅で座り込んでいる女性がいました。
その女性の年の頃は、20歳を少し越えたところのように見えます。
長く綺麗な黒髪をしていて、身なりも整っていますので身分のある方かもしれません。
何より、その女性が纏う魔力です。
カケル様ほどではありませんが、それに迫る程です。
カケル様とは、黒髪という共通点が有りますしどことなく顔のつくりが似ている気がします。
すごくお綺麗な方ですが、お会いしたこと無い方ですから、どこか遠方から来られたのでしょうか。
しかし、お供も連れず、何故か途方に暮れているように見えます。
「アイリス、あの女性が気になる?」
隣からリデルが聞いてきます。
「そうですね。あの魔力、カケル様に近いものがありますし何やら困っている様子ですから。」
「お話を聞いてみましょう。何かお力になれるかもしれませんしね。」
そう言ってティエルも同意します。
そして私が代表して、黒髪の女性に声をかけました。
〜〜異世界、西園寺麗華〜〜
私は自宅の自室を出たはずですが、何故かここ、グレンダ王国の王都という所に一人でいます。
中世ヨーロッパの様な街並み、外人の様な方がほとんどで、中には犬の様な耳や尻尾のある獣人という方もいました。
幸い言葉は通じましたので、ここがどうやら異世界でグレンダ王国という所だと分かりました。
地球とか日本と言っても誰も知らないからです。
私は、これからどうしようかと途方に暮れていたところ、すごく綺麗な女性3人に声をかけられました。
「どうかされましたか?」
声をかけられ、顔を上げると目の前に金髪の女性がいました。
その脇に銀髪の女性、耳の長い女性がいます。
3人ともすごく綺麗でスタイルが良いです。
こんな女性達がいるんですね。
私は今の状況を一瞬忘れ、その3人に見とれました。
「いえ、ここがどこなのか分からないのです。私は西園寺麗華と申します。日本の自宅にいたはずなのですが、いつの間にかここにいました。」
私は、アイリスと名乗った女性に、私の今までの経緯を説明します。
アイリスさんが言うには、私は転移してきた『異世界人』ではないかということ、帰る方法は分からないとのことでした。
半ば予想していましたが、いざそのように言われると絶望感のため泣きそうになります。
これからどうしたら良いのでしょう。
「良ければ私達とパーティを組みませんか? 帰る方法を探すにも、時間がかかるかもしれませんし。」
何でもアイリスさん達は、冒険者という仕事をしていて依頼を達成し、報酬を得ているそうです。
アイリスさん達に迷惑をかけてしまうかもしれませんが、この世界で働きながら帰る方法を探すしかないようです。
アイリスさんが言うには私には魔力が多いそうで、魔法というものを覚えればお役に立てそうです。
「ところで、レイカさんは『カケル』様という方はご存知ですか? 貴女と同じ黒髪なのですが。」
アイリスさんが思いついたように私に聞いてこられます。
カケル様?
日本人の名前のように聞こえます。
もしかして、私の他に日本人がいるのでしょうか?
「いえ、知人にはいませんが、同郷にありそうなお名前です。その方がどうしたのですか?」
「この辺りで黒髪は珍しいので、もしかしたらと思ったのです。ということはカケル様も異世界人かもしれませんね。」
アイリスさんは何かに納得した様子で頷いています。
「その、カケル様という方も日本人だとして、やはりその方も日本に帰ることができていない、ということでしょうか?」
「分かりません。カケル様は『黄金の騎士』だと思われます。このことは今のところ、私達しか疑っていないと思います。『黄金の騎士』は『最古のダンジョン』をクリアし、私の妹の重病を治してくださった今話題の方です。ただ、すぐに消えてしまわれるので、世間的には正体不明でしょう。」
『黄金の騎士』?
日本でニュースに出ていた方と同一人物ですか?
リデルさんから、その『黄金の騎士』の特徴を聞くと特徴は一致します。
さらに詳細に『黄金の騎士』や、カケル様の目撃された状況を確認すると、異世界と日本を行き来していると思えます。
ということは、カケル様なら日本に帰ることができ、もしかしたら私を連れて帰っていただけるかもしれません!
希望が見えてきました!
絶対に帰りたいです!
こうして、私はアイリスさん達とカケル様を探すことにしたのです。




