メンタル・プレッシャー
中学3年生、天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。
それに、夕星が言うことは、大体いつも正しかった。
自分よりずっとふざけていて、いつも軽い。でも、軽さの底、その心の芯には揺るがない何かが、夕星にはあった。
「わかった。夕星がそう言うなら帰るよ。夕星も、一人っ子だとしても、帰ったほうがいいよ。心配されちゃうよ。」
「よし!それでこそ長男だ!!まだ10歳だけど頑張れよ!俺も見守っててやるから!」
「夕星も同い年だよね?」
立ち上がった渚冬が、思わず問い返すが夕星は笑うだけだった。
色々なところを曖昧にぼかすのも夕星の特徴だった。
これまで何回はぐらかされてきた事か、わからない。
「じゃあ、夕星。また、会えたらね。」
「おー、あんまし無理すんなよー、長男」
無理しないでと言いながら長男というプレッシャーをかけられ、プラマイゼロのメンタルになった渚冬はなんとも言えない気持ちで家路を辿っていった。
夕星は、その渚冬の重そうな足取りを、ずっと後ろから見ていた。その背中が見えなくなるまで。
「ーーーー無理、すんなよ」
静かに、紡がれた不安げな言の葉は渚冬に、届くことなく、祐月叉の草原へと、吸い込まれていった。