尋問質問
中学3年生の天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。
これからも2週間くらい、テスト期間なので投稿できなくなります。すみません。勉強頑張ります。
これからもよろしくお願いします。
「てか渚冬、お前、こんなとこにいていいのかよ?弟と妹はどうしたよ。お前のこと探してるかもしれないぞ?」
「………少し散歩に出かけるって言ったから大丈夫だよ」
「本当か?迷子になったりしてないか?弟の方はまだしも妹はまだ0歳なんだろ?泣いちゃってるかもしれないぞ?」
「夕星は僕の保護者か何かになったの……?」
保護者……といえか半ば警察官並みに心配され、稲荷家の家族構成の話を持ち出され、渚冬は何も反論できなくなり草の上で体育座りをして押し黙った。
黙った渚冬に夕星は質問の手を緩めない。
しかし、その方向は変えていく。
「っつかさ、あそこに咲いてる花あるだろ?あれ、一年に3ヶ月しか咲かないって知ってたか?」
「…………………」
「おーい、無視すんなー渚冬。
家に帰るか、俺のつまらない話に付き合うか、二択だぞー」
黙ったまま腕に顔を埋める渚冬に容赦なく、割と辛めの選択を迫る。
しかしそれが夕星の優しさの裏返しであることを渚冬は知っていた。渚冬はぼそっと、
「どっちも選ばない」
その言葉を聞いた途端、夕星は深い溜息をつき、
「ーーーーなら、家帰って弟と話してやれよ。お前長男なんだろ?俺は兄弟いねぇからこんなとこにいていいけどさーー」
「ーーーーーー」
「お前は、大事な弟と、可愛い妹がいるんだろ?しかも0歳だろ?0歳。生まれたばっかじゃねぇか。俺みたいにうっかり燃やしたらどうすんだよ」
「桜は炎の権能じゃないよ……?」
大事な話の中で語られた彼の壮絶な過去はすでに時雨夜では有名な話だ。
夕星本人の体験談を出されれば、流石の渚冬もごちゃごちゃ言ってここに留まってはいられない。