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銀と蒼と

中学3年生、15歳の天音雫です。


何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

翡翠色の袴に黒い帯、所々に金色で施されている植物の模様。


碧緑の瞳孔の鋭い目元、時雨夜では割と珍しい銀髪を肩ほどまで伸ばし、横で軽く結わえているその姿は、青年という見た目からは考えられないほど、圧倒的なオーラを放っていた。



「ーーーーいえ、こ、こちらこそすみません。おまたせしてしまったみたいで。もう時間なのに、長々と……」


「気にすることはありませんよ。

半年間といえども別れは別れ。兄弟の別離の瞬間は心が痛むものですから」


胸の前で左右に振った右腕、袴の袖から除く右手首に小柄な白い蛇が巻き付きうねうねと動いている。


そう、彼こそが、今年、巳年の執行人なのだ。


執行人はいろいろな仕事を掛け持つが、その中の一つとして、神が時雨夜から人間界へ修行へと行くときの案内係というものがあった。


何故その役目を執行人が果たすのかを説明するのは歴史をかなり遡ることになり、話が長くなるのだと、渚冬は何処かで聞いたことがあるが、確か由緒正しい、正式な理由があったはずだ。


白色の蛇は見ているこちらを惑わすように、執行人の手首で美しくとぐろを巻き続ける。


美しく怪しいしなやかなその動きに渚冬も湊も思わず釘付けになった。


その視線に気づいているのかいないのか、


「狼車は祐月叉にて待っております。ご準備が整い次第向かいましょう」 


今回の狼様は割とのんびりした感じの子でしたので、急ぐ必要はなさそうですけどね、と肩をすくめて付け足す執行人に、湊は頭を振った。


「すみません、すぐに行きます。

待たせてしまってごめんなさい。」


「しっかりした弟さんですね」


頭を下げる湊と渚冬に水の流れるような視線を送りつ執行人はそう零す。


手首に巻き付く蛇も同調するように身を乗り出した。


「じゃあ、渚冬兄。」


悲しそうな、涙をこらえているような目で、祈るように、小さく。


「母上と、桜を。」


お願い、ね。


弟の強すぎる責務感に全身が痺れるような感覚を覚えながら、渚冬は頷き返した。


「ーーーー任せて」


自分より何cmか低いその身の肩に大きな鞄を背負い、


「じゃあ、半年後にね、渚冬兄」


そう笑って、執行人とともに去っていく。


祐月叉へと続く道を、人間界への道を、歩んでいく。


その後ろ姿を渚冬はずっと見つめていた。


銀髪と青髪が見えなくなるまで、


ずっと、ずっと、ずっとーーーーーーーー












「なぎと」


後ろから、声がかかる。


聞き馴染みのある、自分より幾分か高い声。


「ーーーーーーは」




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