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記憶の中のある日

中学生3年生、15歳の天音雫です。


何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

「ーーと!ーーーーぎと!おい、渚冬!!」


「うぇ、ぁ、へ?」


何もない広い草むら、【祐月叉】(ゆうづきしゃ)で座り込んでいた幼き渚冬に声がかかる。


橙色の長髪に垂れ下がった目尻が特徴の声の主は渚冬の横にドサッと座りこんで渚冬の顔を覗き込んだ。


「なにボーッとしてるんだよ、なんか悩みごとか?

悩んでるなら聞くぜ!離婚話でも不倫話でも浮気話でもお任せあれだぜ?!」


「悩み事の方面違うと思うんだけど………」


見当違いな方向へ見解を広げる友に渚冬は突っ込みながらも微笑んだ。


渚冬の友達、いおり 夕星ゆうせいはにぱっといたずらっ子の笑顔を浮かべて渚冬をくすぐる。


「浮かない顔すんなって!!」

「や、やめてやめて……っ」


急所をくすぐられ草むらを転げ回る渚冬を容赦なくくすぐる夕星に渚冬はとうとう権能である水を使って壁を作り、

夕星を引き剥がした。


「えー、権能使うのは反則だろーー?」


息も絶え絶えな渚冬に夕星は不服そうに口を尖らせた。


「俺が権能使うの上手くないのをいいことにさー!

てか、お前まだ10歳なのになんでそんな使いこなせんの?」


「練習、かな……」


「うわー、一番聞きたくない言葉が聞こえた気がする。ちょっと聞こえなかったな。何か言った?」


「練•習•が•大ーーー」


「ああっ!!あそこにUFOがあっ!」


言いかけた渚冬を強制的に遮り、大声を上げて夕星は何もない場所を指さした。


「えっ、どこ?!」


純粋すぎる渚冬は夕星が指さした方向を見上げ身を乗り出す。


「ははっ、騙されてやんの〜〜!

渚冬、本当この手に弱いもんな!!」


「うあぁっ!!」


背後ががら空きになった渚冬の背中を裏切った夕星が、勢いよく押し押す。


渚冬はそのまま草むらに仰向けで倒れ込んだ。


「夕星……僕のこと騙したな……」


仰向けになり朝露に濡れた草をまともに顔に食らいながら渚冬はぼやいた。


「気のせいだ、気のせい。

母さんが体調悪そうにしてんのは心配かもしれねぇけど、心配しすぎると早死するぞ?」


その一言で渚冬勢いよく体を起こし、


「は…?何で、夕星が、それ……」


「悪りぃな!!俺は耳が早いことで有名なんだぜ、知ってたか?」


ただ呆然と目を見開く渚冬に夕星は台詞とは裏腹に悪びれる様子もなくそう答えた。



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