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紫乃宮

中学生3年生15歳の天音雫です。

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

「ここが、紫乃宮……

夕方、のはずだけどこの森はもう真っ暗なんだ………」


見慣れぬ森を感覚だけを頼りに歩き回る渚冬は一人、そう呟いた。


森の中は、特に何の変哲もない、渚冬の良く知る”森“であった。


特別幻想的な風景であるとか、周りの木が金色に光っているとか、そういった現象は見当たらない。





あのとき、白髪の男、京により、渚冬は爆音と共に紫乃宮の何処かに無事転移していた。


尻餅をつきつつ渚冬は周りを見渡し、異能で掌に水の球を浮かべてから、恐る恐る、勘だけで歩き始め、今に至る。


水の球を常に浮かべるのは、暗い森での捜索を少しでも楽にするように、ランプがわりにすると同時に、何か起こったときにとりあえずこの球を、投げて時間を稼げるようにするためだった。


幻の花。月華。運良く今宵は満月らしい。




ーーーーそんな偶然があるのだろうか。


否、京は今日が満月だからこそ渚冬に教えてくれたのかもしれない。


「……凄く、親切なお方だったな……もっと詳しく、森の内部の様子とか、生息地とか聞いておけばよかったな……」


一人後悔しながら、道へ張り出した木の根を避ける。


森の中は、不思議なことに幾つも道が作られていた。それも獣道ではなく人工的に整備された道だ。


もしかしたら、自分と同じように病に侵され大切な誰かを助けるために何人もの人がここで月華を探しているのかもしれない。


あるいは、京はここには珍しい動植物が生息していると言っていたから、興味を惹かれて見に来る人がいるのかもしれない。


「観光地、なのかな……

いや、それはないか……」


ボソボソとつぶやきながら、足元に注意し、凛と咲き誇っているはずの花、月華を見つけようとするのだが、渚冬が見かけた花はどれもしぼみ、枯れ果てていた。



他の花は満月の夜は枯れてしまうのだろうか。


訝しげな表情で、一つの枯れた花の目の前で水の球をかざし観察してみるが、原因は不明のままだった。


しかし、咲いていなければそれは月華ではないということだ。


つまり、その花が枯れていようがいまいが渚冬には関係なかった。


それでも渚冬は何かが引っかかり、しばらくそこから動けずにいた。


自分は何か重要なことを見落としているのではないか。


そんな焦燥感に駆られる。


だが、それも一瞬のことだった。


「僕は、母上を、助けるんだ」


自分自身に言い聞かせるように、まじないをかけるようにそう呟き、後ろ髪をひかれる思いでその場から離れ、さらに森の奥へとすすむ。


奥へ行けば行くほど、暗く、寒くなっていくように感じられた。


真昼に久遠書架へと出かけた渚冬の服装は軽装だった為、夜の森の気温の低さに震えながら道を進んでいた。

こんばんは。メリークリスマスの日なのと、作者が今日から冬休みに入ったので、いつもはあまり投稿しない平日に投稿してみました。


今年の冬休みは、前書きの所でも度々言っていたのですが受験勉強があるため、一週間に1、2回の投稿になると思います。


いつも曜日不定期ですみません。恐らくこの冬休みの間も不定期の投稿になると思います。


作者の諸事情をここまで読んでいただきありがとうございます。受験勉強もしますが夢も諦めたくないので同時進行で(受験勉強多めで)頑張っていきたいと思います。


いつもは何も書いていない後書きですが目を通してくださった方、ありがとうございます。


また、いつも読んでくださっている方、本当にありがとうございます。作者の原動力になっています。


受験頑張ります。

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