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親の方が離れてってどうするの…親離れってそう言う意味じゃ無いから…

"グガゴオオオオオオ!!!"


白輝の竜が吠え、煌めく白炎を吐く


「な…何よこれ!?」


女は観客席まで後退するが、ジュピターへの注意を解いてしまう


(今だ)


ブハが召喚され、すぐさまジュピターに回復魔法が施される

状態異常も解除され、彼女は全快した


「あんたにはもうスキルがあるでしょう!なんて欲張りなのよ!」


「彼、あたしのじゃ無いよ」


"ガゴオオオオオオ!"


カドルが吠え、シータが輝く白いオーラに包まれる

回復効果は無いが、それはシータの魔力を底上げした


「…カ…ドル…?」


「!?」


シータは女を振り払い、よたよたと竜の方へ歩いて行く

ジュピターとブハも白竜の足元に合流する


「っ…逃がさない!」


女が手を挙げると、観客席に座っていた者達が一斉に立ち上がる

これがハッピーデイを過剰摂取した者達の末路だ


「あいつらを取り押さえるのよ!」


観客達が一斉にジュピター達に向けて走り出す


「…やるしか無いか」


ガルジャナ、バユ、ブハ全てが消滅する


「凄く不本意だけどね。アヴァターラ」


次の瞬間、劇場が極光に包まれる


"ガオオオオオオオオオオオオオオオ!!!"


桁外れの光属性

共鳴する様にカドルが吠える


囚穢界固(しゅうえかいこ)


どこまでも白い光は、劇場内の全ての存在を完全に回復させた


「…何だ…?」

「ここは…一体…」

「こりゃ夢か…?」


観客達は正気を取り戻す

勿論シータも


「…は!ジュピターさん!大丈夫…て、あれ?此処は一体…」


「おはよう。眠り姫ちゃん」


ジュピター以外誰もこの状況を理解できていない

しめたと言わんばかりに、ジュピターは更にもう一つランプを砕く


光が、そっくりそのまま同量の闇となる


全聖巡乱転(ぜんせじゅらてん)


闇の中、赤い光が飛び交う

少しして闇が全て消えると、劇場からはジュピターと女以外の全ての者が消えた


「さて、これからどうしたものか」


ジュピターは後輪を展開するが、アグニ、ガルジャナ、そしてタマスのランプが消えている


「メイン戦闘員全員潰れちゃった。これ37時間待たないと再使用できないんだよね」


女はジュピターに拳銃を向ける


「だったら何故逃げなかったの?」


「あんたと話がしたいと思って」


「………」


女は引き金に指をかける


「…お母さ」


「私の名前はルビィ!あんたに母親と呼ばれる義理なんて無いわ!」


「…ルビィ」


ジュピターは早足で歩み寄る

ルビィは後退するが、その前にジュピターに抱きすくめられてしまった


「な…」


「産んでくれてありがとう。ママ」


「……………」


静寂

その時ルビィは、家族は工場じゃ出来ない事を理解した


「…ホント馬鹿ね。私って」


次の瞬間、ジュピターの少し上で銃声が響いた


「…はえ?」


ジュピターの腕の中で、ルビィが倒れて行く

頭には銃創

ルビィの目の少し手前に、『リタイア』と言う表示が少しの間だけ投影された


「…」


ジュピターはルビィを抱き上げる


「あたしもそう思うよ。ママ」




ルビィは劇場の地下室の床を更に掘り抜いた場所に埋葬された

ジュピターが脱出すると同時に劇場は崩れ、そこはただの瓦礫の山となった


「これまた派手にやりましたわね~。ジュピター、お怪我はありませんの?」


「うん。大丈夫だった。まさかダンジョンに連れてってくれるなんてね」


ジュピターは嘘をついた


「そう言えばあのドラゴンはどうしたんですの?」


「主人の元に返した。ダンジョンドロップアイテムを届けたかったみたいでさ、全部あげちゃったよ」


「ふぅん」


直接でなくともブハの光の影響を受けた事によって、アイレーアの筋肉痛もすっかり良くなっていた


「この後はどうしますの?」


「うーん…折角捕まえたお宝も逃がしちゃったし、一旦やる事は無くなったかな。取り合えずみんなと合流しよう」


「みんな?」


「あたしの可愛い弟子達だよ」




「ん…うん…?」


最初に目を覚ましたのはゼル

そこはジュピターが温泉を作った自然公園で、付近にはアザミとシータも倒れている


「おーい」


遠くからジュピターの声

その声で残りの二人も目を覚ます


「ジュピターさん?あれ?シータ確か、ジュピターさんに会いに行こうとして、それで…何してたんだっけ」


ゼルもアザミも困惑していたが、シータはひとしおだった


「あの…ジュピターさん」


「ん?」


ジュピターの、純朴に不思議そうな顔

シータはそれ以上何も聞けなかった


「あら?貴女はさっき会いましたわね」


「?」


3人を見つけるなり、アイレーアは堂々とした足取りで三人の前に立つ


「初めまして御機嫌よう。わたくしの名前はアイレーア・チェニコフ四世!チェニコフ王国王位継承権第一位ですわ!」


目覚め早々、よく分からない狂言を言うツインドリルお嬢様の出現に、3人はぽかんとする


アザミが疾風の如き高速移動でジュピターの傍に移動する


「のおジュピター殿。彼女は何だ?」


「お城に幽閉されてたお嬢様。戦力になりそうだから連れてきた」


「何故体操着とブルマなんだ?書いている名前が名乗ってるのと全然違うぞ」


「シー。そう言う趣味だから言わないであげて」


ジュピターは自身の手抜きを誤魔化すため大嘘を吐いた


「…おお、そうか。ふふ。解ったぞ」


アザミは大人びた微笑みを浮かべると、再び定位置に戻った


(ごめんアイレーア。君をとんでもない電波系中二病って事にしちゃった。本当は偉い人なのに)


ふと、ジュピターの元にひらめきが舞い降りてきた


(待てよ?うちの目の前には今、どこだか王国の次期女王様が居るんだよね?)


重役達を逃した時点で、行動を起こす機会はもう失った物だと思っていた


「良い事思い付いた」


ジュピターはアイレーアの元まで歩いて行き、肩をぽんと叩く


「?なんですの?」


「ねえ君、建国に興味無い?」


「???」

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