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みんなで集まって意見交換をしてみたよ

 さて、俺たちが富士急と舞浜へ敵情視察に行って戻ってきた翌日に部室に集まって話し合いをすることにした。


 ついでに宿題の残りも終わらせつつだけどな。


「富士急にはいろいろ見習うところがあったんだけど舞浜の方はどうだった?」


 俺がそう訊くと会長が答えた。


「そうですわね。

 参考にできても予算的に無理なものもありますが、利用できそうなものもありましたわ」


「なるほど、両方に行った甲斐はあったな、

 でこっちについてなんだけど。」


 そこで明智さんが手を上げて言った。


「まず何か一つ目玉になる絶叫マシンがあったほうがいいと思うっす。

 後はお化け屋敷ももっと怖いやつを別に作ったほうがいいと思うっす。

 できれば和風な方がいいと思うっすね」


 明智さんの言うことに頷いて俺も言う。


「やっぱり今の谷津遊園のジェットコースターだとちょっと中途半端だと思うんだよな。

 富士急だけじゃなく三重県にあるナガシマ温泉パークでも絶叫マシンはどんどん導入されてるらしいし、20億ぐらい初期費用を投入してもそれが宣伝広告になれば元は取れると思う」


 会長は少し考えたあとで言った。


「舞浜の方はそういった物を売りにしているわけではないようですし、差別化のためにもありですわね」


「どうせなら日本一を超える世界一のジェットコースターにしたいな。

 コース全長が2000mとかでさ、ギネスに認定されるくらい」


「ギネスブックに乗るという宣伝は使えますわね」


「まあ、結局は抜かされるとは思うけど、敷地の広さに制限がある遊園地だとなかなか超大型コースターの設置は出来ないからな」


「その点では谷津遊園は元塩田というだけあったためかなり敷地が余っていますわね」


「ああ他にも色々作りたいし、富士急にくらべれば倍近く敷地はあるからな」


 谷津遊園は谷津干潟の北側の戦前からの流れをくむバラ園や植物園等がある部分と谷津干潟の南の船橋市高瀬町の動物園や遊園地部分、ヘリポートやボート乗り場などがある部分まで含めれば全部で90万㎡ほど、ちなみに拡張された船橋ヘルスセンターは95万㎡ほどなので、舞浜のアレ単体や葛西臨海公園より谷津遊園は広かったりする。


 もっとも船橋ヘルスセンターもそうだが、殆どは住宅都市整備公団の団地になってしまったので、その後はどういった場所だったかは殆どわからなくなってしまっていたが。


 舞浜のアレは51万㎡とされるが駐車場面積にかなり当てられてるからテーマパークの面積その物は30万㎡くらいでそこまででかくないしな。


 ちなみに富士急高原ランドは50万㎡、ナガシマ温泉パークが63万㎡くらいでこの二つは絶叫系アトラクションをたくさん作ってるし、東部動物遊園地は61万㎡でパーク部分は53㎡。


 日本で一番でかいのは家テンボスで152万㎡、舞浜のアレはその後に新設された海やホテルなどのリゾートを含んだ舞浜のアレ全体だと200万㎡くらいなのを考えるとまだ小さいとも言えるけど。


「で、でもあまり待ち時間が長くなりそうなのは良くないと思います」


 そういうのは浅井さん。


「ああ、たしかにそれはあるよな。

 谷津遊園もいくつかの人気アトラクションは待つけど3時間とかは流石に待たないし」


 舞浜のアレは来場者数に対し、面積が狭すぎてアトラクションの数が限られ、人気アトラクションもかなり偏ってるから、大抵はかなりの時間を待たされるのは事実だ。


 そもそも日本へあれを招致したのは広告会社の雷通の関係者なので何らかの裏がある可能性が高い。


雷通の有名な

1.もっと使わせろ

2.捨てさせろ

3.無駄使いさせろ

4.季節を忘れさせろ

5.贈り物をさせろ

6.組み合わせで買わせろ

7.きっかけを投じろ

8.流行遅れにさせろ

9.気安く買わせろ

10.混乱をつくり出せ

を見れば舞浜のアレはかなり当てはまるしな。


 GHQによって行われたとされる3S政策は、日本人を娯楽に熱中させ政治などに関心を持たないようにするために行われたものと言われて、3S政策の3Sとは、スポーツ(sports)つまりスポーツ観戦、スクリーン(screen)映画鑑賞や後にはテレビ鑑賞、セックス(sex)古くはポルノ映画からビニ本・アダルトビデオなどの映像や官能小説などと、ノーパン喫茶のような風俗と喫茶の境界が曖昧な業種などで風俗などへの敷居を低くすることなどであるとおもうが、それらでガス抜きをさせつつ金を無駄遣いさせ、日本をアメリカや中国の都合のいい国になるようにしていったのは事実だと思う。


 自虐的な歴史を教科書に乗せ、国旗の掲揚や国歌斉唱をあたかも悪い事のようにして、アメリカや中国に都合のいい自虐的教育を行ったのは米中の共同で行われたことだろう。


「そう言えば行列で待ってるカップルや夫婦っぽい人たちでなんか険悪な雰囲気になってる人が結構いたです」


「ああ、舞浜のアレは待ち時間が長いせいや、そもそもが若い女性向けの施設なんで、カップルや夫婦で行くと別れることになるっていうのは有名だけどな。

 後はキャストや他の客も若くて可愛い女性が多いからそっちへ目が向くってこともあるらしいけど」


「そうでしたか、でもそれもわかるです」


 朝倉さんがそう言うと斉藤さんもウンウンと頷いた。


「まあ、女同士なら他愛ないおしゃべりで時間を潰せるけど、普通に男性と二人で行ったら待ち時間は気まずいことになりそうだものね。

 それにデート中に他の女に目を奪われるようじゃあ当然気分を悪くするわ」


「まあ殆どの男はそんなもんだと思うぜ」


「ええ、それもわかるわ」


 舞浜のアレやセイント・リオのビューローランドなどは明らかに女性をターゲットにしてるがセイント・リオに関して言えば「若い女性」と「女子向けの家族連れ」を完全にターゲットにしているのから、「男性が行っても楽しめない」と言っても問題ないが、舞浜のアレは”男性でもそこそこ楽しめる”のが問題で男性や男児はそこまで好きではないから、始めはまだ良いけどだんだん疲れてくると無口になったりイライラしたりしてきて、長い待ち時間を我慢してまで楽しむのは難しいからトラブルが起きやすい。


 たとえば雀荘や競馬場に彼女や妻を連れてきて女性側が楽しめるかと言うと多くはそうではないと言えばわかるだろう。


 もっとも旅行や観劇なども含めて多くの娯楽は男にとっては女ほど楽しめないものが多いし、映画鑑賞でも映画の内容によって男女の温度差はかなり出るだろうけどな。


 なので舞浜のアレにカップルや夫婦で行くと彼氏や夫に幻滅して別れることになる例が結構あるんだけどこれは少子化の原因の一つかもしれないとすら思うのだ。


 実際に仕事して金を稼げ、育児や家事にも参加しろ、週末は家族サービスでどこかに連れて行け。


 そんなんじゃあ、現実の女より二次元の方が良いってやつがでてもおかしくはない。


 なにせここの来場者数は他所を寄せ付けない数だからな。


 これは結婚したての男女が海外への新婚旅行を機に離婚してしまう成田離婚にも繋がると思うが、些細なトラブルからお互いの関係を悪化させ破局に至ることは少なくないともおもう。


「男は仕事に集中しすぎてレジャーとかの準備が適当だったりするしねー」


 最上さんが笑って言った言葉が俺の胸にぐさりと来たが、まあ強ち間違ってない。


「そ、そうだな、仕事ばかり考えるのはたしかに良くないな」


 俺がそう言うと朝倉さんが言う。


「部長は今更取り繕っても意味ないです。

 会長が銭ゲバなのと同じように、部長は仕事狂いの人間なのは皆んな知ってるです。」


「あ、そ、そうなんだ……」


 そう言うと斉藤さんにとどめを刺された。


「そんなの去年からわかっていたことよ。

 あなた去年の夏以降は受験のこと以外ほとんど考えてなかったし、実際効率を上げるための休憩以外は受験対策の勉強しかほぼ行動をしていなかったでしょう」


「ソウイワレレバソウデスネ」


 それ以外返す言葉がないぜ。


「それはともかくあそこの清潔さは徹底していますから、それに関しては特に見習うべきですわ。

 売店近くだけでなくその他の場所にもなるべくゴミ箱を設置してその中身が見えないようにして、園内にあるトイレを徹底的に清潔にすることは大事ですわね」


 話題を変えてくれた会長に感謝しつつ俺は答えた。


「あ、う、うんそうだよな。

 富士急のホテルでも感じたけど清潔感って大事だよな」


 それに付け加えるように斉藤さんが言う。


「あと、セイント・リオ関連のブースはその他のものが見えないように隔離するべきね。

 雰囲気を大切にするというのも重要だわ」


「ああ、なるほどな。

 園の中を女性や女子向けの場所、男性向けの場所、男子向けの場所、家族向けの場所ときちんと分けたほうがいいかもな、ある程度混ざるのはしょうがないけど」


 そして明智さんも言う。


「あと食堂は駅弁だけでなくって、和洋中のレストラン列車も追加したらどうっすか?

 あのホテルみたいなやり方はいいと思うっすけど」


「あ、うんそれもいいかもな」


 会長が思い出すように上を向きながら言った。


「舞浜の方は和や中華はないけどレストランの種類は色々ありましたわね」


 会長がそう言うと浅井さんが言った。


「そ、そういえば学校の遠足などに利用してもらうっていうのは?」


「ああ、今までは福引の商品とかテレビCMしかやってなかったけど、昔は小学校の遠足で結構来てたはずだしそれもいいかもな」


 俺がそう言うと会長が驚いたように言った。


「昔は谷津遊園に遠足に来ていた学校は結構あったのですか?」


「ああ、千葉県の北西部で遠足に適当な場所は少ないからな。

 俺も小学生の時に行った記憶があるぜ」


 俺がそう言うと朝倉さんも頷いた。


「わたしもです」


「なるほど、過去の実績があるなら旅行代理店に掛け合ってみる価値はあるかもしれませんわね。

 最も代わりにうちの学校の校外レクリェーションに舞浜へ行くことになるとかはありそうですけど」


「まあ、一学年が行くとしても、600人かなりの数だしな。

 うちの学校マンモス校だし」


「まあ、結局どこかには行くことになるのですから問題はございませんが」


 それから斉藤さんが言う。


「挨拶の仕方もいらっしゃいませではなくこんにちわと親しくなるイメージのほうがいいわね」


「ああ、舞浜はそうなんだ。

 なら谷津遊園もそうしていったほうがいいかな。

 後“タイムマシン”っていう恐竜のアトラクションは、今だとちょっと時代遅れだしアニメの宇宙空間のシーンを体験できるようにしたいな」


 60年代から70年代前半は恐竜ブームで怪獣ブームとの相乗効果でかなりの人気だったが今は恐竜ブームは沈静化しているからな。


 もっとも映画の“恐竜公園”の公開でその後また人気になったりもするんだけど。


「なるほど。たしかにそれはありますわね」


 そして最上さんが言う。


「“ふなばなっしー”とか“やつばらっしー”みたいな谷津遊園だけのぬいぐるみを売店で売ったらどうかなー?

 お菓子の缶とかにもプリントしたり、船橋名物って言うなら梨とかバラ園が有名ならバラのジャムなんかも、もっと推して行ったほうがいいと思うよー」


「おお、それは確かに習志野は日本で一番最初にソーセージを作ったらしいからそれを売りにしてもいいかもな」


 習志野では1915年(大正4年)9月から1920年(大正9年)1月までの間、第一次世界大戦中に日本の捕虜となったドイツ兵約1000人が収容されていた「習志野捕虜収容所」があって、ソーセージ製造の秘伝を教えてもらったらしいが、ここで教わったソーセージの製造技術がやがて、日本全国の食肉加工業者たちに伝わっていく事になったので、習志野市は「日本のソーセージ製法のドイツからの伝承の地」といわれるようになったらしい。


 まああんまり知られてはいないけど。


 こんな感じで俺たちは谷津遊園の今後を話していったんだ。

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