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8月になって谷津遊園が再オープンしたが出だしの客入りは好調なようだ

この前のお話については陰謀論的な話からだいぶ改定いたしました。

良ければ再度読みなおしてみてください。

 さて、パオーイングの修理がずさんであることがテレビや雑誌、新聞などで大々的に報じられて知られると共に、更にはその検査にて日本向け機種の747SR-100型に関して垂直尾翼に関する構造的欠陥も顕になったことにより機体は全てリコールされ、その他の747型についても全世界で過去の修理記録の洗い出しや再点検が行われることになりパオーイング社の信用を大きく失墜させた。


 もっとも日ノ本航空も運輸省東京航空局も納入の際に機体の安全性をチェックしたとして、これでいいと許可を出していたことが問題になった。


「納入された書類だけ信じるからそうなるわけなんだよな」


 結局この後は納入された機体に整備書類が添付されていても、自社できちんと再検査をおこなって確認することが義務付けられた。


 墜落すれば大惨事になる航空機であれば当然であるが、これにより航空機業界のずさんな慣習もわかり飛行機の利用者が減ってその分は鉄道が吸収することになる。


「そう言えばキャンプ場の食堂車と共に格安で寝台列車の車両や中古のトレーラーハウスも手に入れましたので、そちらも遊園地の中のキャンプ場宿泊施設に加えておきましたわ。

 バンガローは今週中に、コテージは来週末にでも完成すると思いますわ。

 コインランドリーも必要でしょうからそちらもまた設置しておきました」


 ちなみにコテージは一戸建ての家を貸し切る貸別荘タイプの宿泊施設で、冷暖房、トイレ、お風呂、ミニキッチンや冷蔵庫、テレビ、調理器具、食器、寝具などがあるので料金は高め。


 バンガローは木造の簡易な小屋で板の間もしくは畳の間の部屋がひとつあるだけのシンプルな平屋作りの建物で、基本的にエアコンとコンセントくらいしかなく他の設備はなにもないので風呂トイレ炊事場などは共用のものを使う。


 ああ、布団とかは借りることはできるけどな。


 なのでバンガローを建てるのは早いが、コテージだと時間が掛かる。


 そしてバンガローはテント代わりといった感じだけど、コテージは貸し別荘に近いので泊まる際はコテージのほうが楽は楽。


「おお、そりゃナイスアイデア、そういやブルートレインもだいぶダイヤが減ったんだっけ。

 もともと温泉とかはあるけど、コインランドリーがあればたしかに便利だよな」


「パオーイングのずさんな修理やそれを飛行許可した日ノ本航空や日本の運輸省に対しての不信もあって、国内の移動は飛行機ではなく新幹線や寝台列車などを利用する人が増えたようですから、もったいないと今頃は思っていそうですわね。

 ええ、女性にはとても大事ですわ」


「まあそりゃしょうがないよな。

 ああ、女の子にはそうなんだろうね」


 会長と俺がそんなことを言っていると斉藤さんが言った。


「あなたのお母さんは息子が毎日部活のサッカーで服や靴下を泥だらけにしてくるから、お洗濯が本当大変ってうちのお母さんに言っていたわね」


「う、う、うちの母さん斉藤さんのお母さんにそんなこと言ってんだ」


「うちのお母さんは逆に羨ましがっていわわよ。

 そういう元気な男のコが欲しかったって」


 俺と斉藤さんの会話に会長が驚いてる。


「ど、どういうことですの?」


「ああ、中学校の夏休み辺りから斉藤さんと一緒に此処の学校に入るため二人で勉強してたらお互いの母親が相手の子供を気に入ってみたいでさ。

 鴨川に一緒の家族旅行とかもしたし、プールとかにも行ったんだ」


「そ、そうでしたの」


 なぜかちょっと声が震えてる会長。


「やっぱり部長は天然のおんなたらしです」


「ほんとうっすよね」


 なんか朝倉さんと明智さんがヒソヒソ言ってるがそんなつもりはまったくないんだがな。


「そ、そうなのですか?」


 と浅井さんが朝倉さんに聞いているな。


「部長には気をつけたほうがいいです」


 と朝倉さんが答えてるけど。


「ああでも、自分も気持ちはわかるっすよ。

 ボードゲーム好きな人間なんて全然いなかったのに自分が役に立つって言ってくれたっすからね。

 そしてそれが雑誌に掲載されるなんて夢のようっすよ」


 朝倉さんもそれに頷いた。


「確かにそうです。

 ロックとかテクノなんて理解してくれる友達はいなかったですし、自分の作った曲がゲームになるのはとても嬉しいです」


 そこへ最上さんも加わった。


「そうですよねー。

 高校生にもなって絵本作家志望なんて言っても笑われるばっかりだったのに、わたしの描いたイラストがゲームになって全国の子どもたちに見てもらえてるなんて夢みたいですよー」


 ふふっと笑って斉藤さんが会長を見ながら言う。


「結局みんな似た者同士なのね。

 誰かさんをのぞいて」


 斉藤さんに言われて珍しく会長がムキになったように言い返した。


「誰がのけものですか」


「あら、あなたのこととは明言していないわよ」


「どう聞いてもわたししかいないではございませんか」


 まあそれはともかく誰だって墜落するかもしれない飛行機に乗りたくはないからな、こう言うと危險ばかり煽る偏向報道のマスコミのやり口がある意味役に立っているともいえる。


 まあ列車で事故が起きたらそっちをさんざん叩くんだろうけど。


 キャンプ場でもキャンピングカーで乗り付けてのオートキャンプや懐かしの寝台列車や日本では珍しいトレーラーハウスへの宿泊とプールや海水浴がいっぺんに楽しめるということもあってそちらもなかなか好評、宿泊の際に問題になる着替えもコインランドリーがあればそれで洗濯乾燥できるのは便利だろう。


 プールと遊園地は別とホテルへ泊まっていく家族も意外といるらしくホテルへの案内のキャッシュバックもそれなりに金額になってる。


 八千代とかの方からくる行商のおばちゃんたちの朝の取れたての産地直送野菜は社員食堂でも好評だし、ラジコンを思う存分に走らせることができる場所としても口コミでラジコン好きに広まりつつあるらしい。


 でまあ、谷津遊園のほうはオープン初日から客がどっと押し寄せて、プールやコークスクリューやゴーカート、大型特殊筐体がたくさんのゲーセンなどはやっぱりそれなりに賑わってるようだ。


 で、俺たちは何をしてるかと言うと夏休みの宿題を片付けているところ。


「ええ、と、ここは?」


「ああ、そこはね」


 でもって俺は宿題はとっくに終わらせて、今は浅井さんに勉強を教えてるところで、何しろ一学期の分を詰め込みで覚えないといけないから浅井さんも大変だ。


「一学期分を夏休みで覚えないといけないから大変だと思うけど、頑張ろうぜ」


「は、は、はい!

 一生懸命頑張ります!」


 そして朝倉さんがまた言ってる。


「いままでろくに着るものものなく、食べるものもなくいじめられていた女の子をその環境から救い出して、美味しいものをたべさせて、綺麗な服を着せてあげたりしたうえに、勉強もわかりやすく教えてるとか部長はハーレクインの王子様ですか」


「まあそういうことを天然でやるからこそ部長っすよね。

 さしずめ現代版シンデレラと王子様ってとこっすね」


 シンデレラか……そう言えばマックロデスのヒロインはアニメの中で歌手デビューして実際には声優タレントとしても人気になるんだよな。


「うん。浅井さん、勉強が終わったら本格的に声優や歌手としてデビューできるように頑張ろう!

 遊園地関係の劇団も作るつもりだしな」


「え、ええと、が、がんばります」


「ああでもすぐは無理だからトレーナーとトレーニング施設が必要だな。

 会長、ついでに学費無料のタレント・声優養成所の所属オーディションをしたらどうだろう?」


「え、ええ、それはいいですが、ちゃんとお金になりまして?」


「いやほんと会長はぶれないね。

 でも今ならいい人材を獲得できると思うんだ。

 うちで作ってるアニメに出演させることができれば結局は金かからなくてすむと思うよ」


「なら、そういたしましょうか。

 ああそういえばタカイトクトイズは5億でラジオのトーキョーベイFMは1億でとテレビ房総は10億でそれぞれ買収できましたわ」


「あ、じゃあ谷津遊園の宣伝とかゲームのジュエルズや桃伝の宣伝とかのCMを作ってもらってバシバシ打とうぜ。

 そうすれば制作費だけですむし」


「わかりましたわ」


「あとそろそろ社員も増えたし保養所代わりに伊豆と福島の旅館を買おうと思うんだけどどうだろう」


「保養所は節税対策になりますからよろしいですが、なぜ伊豆と福島なのですか?」


 会長が首を傾げて聞いてきたので俺は答えた。


「どっちも温泉があっていいけど、伊豆は夏の海を、福島は冬のスキーをメインにしたい。

 今はホテルに押されて旅館の経営が厳しくなってるところがあると思うから売りに出している物件もあると思うんだ」


 それに将来起こる原発事故を防ぐためにもある程度福島に根を張っておいたほうがいいはずだ。


「なるほど、わかりましたわ。

 夏は海で冬はスキーというのは、たしかに良いですわね」


「福島は有名な会津高原のスキー場とかもあるしね」


「スキーリゾートでしたら冬の利用は間違いなくありますわね。

 夏でも山が好きな方は行くでしょうし」


「うん、東北新幹線を使えば会津までは時間もそこまでかからないはずだし。

 でもまあ海が近いところもほしいし海と温泉が揃ってる場所なら伊豆かなって」


 俺がそう言うと朝倉さんが聞いてきた。


「なんでそんな温泉にこだわってるんです?」


「え、温泉があれば春や秋でも行く人がいるだろうって思うからだけど。

 ある程度は保養施設が稼働してないともったいないしね」


「たしかにそうですわね。

 四季すべて訪れられる場所が一番ですわ」


「まあ部長に限っては女湯の覗き狙いだとかラッキースケベ狙いはないっすよね」


 明智さんが笑って言うので俺は苦笑。


「おいおい、そんなことはしないよ」


 今はそんなことにかまけてる余裕なんて正直ないぜ。

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