8月の開園前に谷津遊園オープンのTV局の取材を受けたよ
さて、買い取った谷津遊園の運営は別会社による経営とするために、新たに株式会社船橋ベイサイドリゾートというアミューズメントパーク運営専門の会社を立ち上げた。
「こういうときには専門家の先生に頼めばいいのは助かるな」
俺がそう言うと会長が頷いた。
「ええ、大きな会社になった社長が自分で動くのは非効率的ですわ」
もっとも本体となるゲーム制作会社の株式会社ライジングよりも株式会社船橋ベイサイドリゾートの従業員数が10倍もいたりするのはなんだかなという気もしないでないが、これで雇用を作り出して、安定した生活ができ、安心して結婚し子供を生み育てることができるという目標の第一歩を踏み出せたと思う。
アニメの制作のほうも現状3本、日曜朝の女児向け枠で考えてる“二人はプリティファイター”、夕方の男児枠で考えてる原作の漫画家さんの許諾を得て作ってる“ギガンティックロボ 地球が止まる日”、同じく夕方だけど青年向けの“メガゾーン22パート2”を同時に進めていてテレビ局にその企画を持ち込んでいるが、最悪はOVAでだしてもいいかもと思ってる。
「作れた雇用はたかが100人されど100人ってな」
きっと伊邪那美様も喜んでることだろう。
アパートを借り上げての社員寮も整備したし、保育園の設立の認可も今取ってる。
高めの時給と交通アクセスの良さ、そしてちょうど夏休みのバイトを探していた高校生や大学生などの応募も多く、京成線沿線の八千代方面など谷津遊園から舞浜のあれに移動をするのは通勤時間の関係で難しいと会社を辞めた人たちが応募してくれたりもしてなんとか8月の開園までにはスタッフの確保は間に合いそうだ。
「これで8月の開園もどうにかなりそうだな」
舞浜のアレを参考にして谷津遊園のマスコットキャラクターとして、船橋が梨の名産地であることのアピールをするために梨の妖精であるフナバナッシーというキャラと、谷津バラ園をモチーフにしたバラの妖精であるヤツバラッシーをマスコットキャラにしてみた。
「精一杯アピールするっしー!」
「するですー!」
なんかあっちに比べてちょっとシュールな気もするがまあいいか。
あとは陣天堂の許可を得て大人気のスーパーマリオンブラザースのマリオンとルイージヒン、アプリコット姫、大魔王ビビンバなどのキャラクターショーをやる。
「きっと受けるっす」
明智さんがそう言ってくれたので俺は頷いた。
「ああ、そうだよな」
もともと谷津遊園のステージでは仮面バイカーやアルテママン、戦隊ヒーローショーもよく行われていた。
それに加えて、オープニング期間に機動要塞Ζガンガンの森口浩子さん、超時間要塞マックロデスのヒロインでもあり歌手でもあるリンリン役だった飯島真理子さん、ドクタートランプせんべいちゃんの水林亜土さん、装甲猟兵ズボンズの“むせる”で有名なTETSUzinさん、J10シリーズ初代の銀河必殺ブレイダーのたいらおさむさん、飛翔戦士ムテキオーやゲームセンターをあらすぜの水木次郎さん、ドラマの女番長刑事のヒロイン斉藤雪さんや大西ゆかりさん、北野陽子さん、河合苑子さんなどを呼んでのコンサートもする予定だ。
こちらもデビューしたてのあまり知名度は高くないアイドルコンサートは谷津遊園のステージで度々行われていたので問題はない。
来年になったら機械ロボクロノの大逆襲ショーや二人はプリティファイターショーをやるのもいいな。
「ニューオープンではゲームやアニメ、テレビドラマを全面に押し出すのね」
斉藤さんがそう言ったので俺は頷いた。
「ああ、舞浜のアレはおしゃれで外国っぽいイメージを展開することで、雑誌を通じて若い女性をターゲットにしてるから、こっちは男やファミリー向けにして差別化して、棲み分けをしたいしな」
そして開園する前に実際に自分たちの目で谷津遊園のアトラクションなどを一通り体験してみて、変える必要があって変えられるものは開演前に変え、工事などが必要ですぐに変えられそうにないものは8月が終わったらどうするかを確かめることにした。
「そういえば谷津遊園の再オープンのニュースレポートも含めてテレビtokyoからの取材希望が来てますけどどうしますの?」
会長がそう言ったので俺は答えた。
「そりゃ受けるよ、テレビで谷津遊園の再オープンがニュースで流れれば更に知名度も上がるだろうしね。
万博や舞浜のアレにばかりに話題を持っていかれてばかりじゃまずいしな」
テレビtokyoの放映地域は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川と首都圏のみで全国放送ではないけどだからこそインタビューとかが来たんだろう。
「わかりました、では取材を受けることにいたしましょう」
まあうまくいけば入園者も増えるだろう。
「谷津遊園はプールもあるから、みんな水着や着替えも持ってきてくれな」
「わかったわ」
「わかりましたわ」
「りょーかい」
「わかったです」
「わかったっすよ」
そして翌日俺たちはオープン前の谷津遊園でTV局の取材を受けていた。
男性のカメラマンと女性のインタビュアーの二人だけのようで、そこまでは大きな扱いじゃないのかもな。
「すみません、私テレビto-kyoの者です。
取材許可を頂いておりますが、早速よろしいでしょうか?」
「ええ、僕はかまいませんよ。
ただ僕は普通の高校生ですから取材とか初めてですので、うまくできるかどうか」
「そこら辺は予め打ち合わせをしたうえでこちらが質問して答えていただく形なので大丈夫ですよ」
「わかりました」
というわけで実際の撮影の前に、インタビュアーさんと入念な打ち合わせを行い、質問項目を丁寧に整理していったが、こういった応答の練習をしてから数時間ほどかけることもあるそうだ。
「ではスタートしましょう!」
「はい、本日は来月8月1日に再オープンする千葉県の谷津遊園へきています」
「そしてこちらが谷津遊園を再オープンに導いた、高校一年生で16歳にして株式会社船橋ベイサイドリゾートの代表取締役社長となった方です」
「はい、僕が株式会社船橋ベイサイドリゾートの代表取締役社長の前田健二です」
「いやあ、現役の高校一年生で16歳になったばかりで会社社長ってすごいですね」
「ええ、本業は株式会社ライジングというゲーム制作会社でそっちで100億円ほど稼げたので思い切ってやってみたんです」
インタビュアーの女性がめちゃ驚いた表情をしたけど演技か素なのかはよくわからない。
「100億円ですかー、それはものすごいですね」
「ええ、今SAGAマーク3やゲームセンターで大ヒットしてるジュエルスっていうゲームのおかげですね」
「なるほどー、すごく売れているそうですよね。
ゲーム制作ってとても儲かるんですねー。
で、一緒にいる女性たちが」
「はい同じ学校のゲーム制作部の仲間です」
「いやー、美少女の皆さんに囲まれて楽しくゲームを作って、しかも億万長者のお金持ちなんてすごいですね」
「いえいえ、本当の大金持ちには全然たどり着いていませんよ。
楽しく作ってるのは事実ですけど」
「なら女の子にはモテるんでしょう?」
「うーん、別にそうでもないですよ。
ああ、でも僕の成功は縁結びの神様のおかげでもあると思います。
神社も勧誘してありますのでここに来てお参りすれば意中の人と仲良くなれるかもしれませんし金持ちにもなれるかもしれませんので、そういう人がいるなら誘って是非来てくださいね。
きっと仲が深まると思いますよ」
「ここは有名な縁結びスポットにもなりそうですね」
「もちろん夏休みを利用して家族でのんびり遊ばれても楽しいと思います」
「そして彼らが持っている、アニメ制作スタジオのアニメがもしかしたら我が局で放送されるかもしれないんですよね」
「ええ、是非そうなってもらいたいと思います」
「はい、ありがとうございましたー」
そこでインタビューは終わって、謝礼に関しての交渉は会長がしている。
うん、会長は金に関して頼もしいよなほんと。
話がまとまったら谷津遊園の中に入ってアトラクションを俺たちだけの貸し切りで楽しむぞ。




