今年の高校野球とスペースシャトル打ち上げには考えさせられるものがあるね
盆踊りが終わりお盆期間が終われば、お父さんは会社で働く生活にもどって、俺と斎藤さんはあいかわらず一緒に勉強などをして夏休みを過ごした。
「今年は早めに宿題も終わったし、これなら二学期も安心だな」
「そうね、一人で勉強するよりはこうして一緒に勉強したほうがずっと早く進むわね」
まあ、今の俺には中学レベルの勉強は、はっきり言えば楽勝でちゃんと参考書などを読んでそれができるなら高校や大学への飛び級とかもできそうだ。
もっとも日本の学校制度では、小・中学校の義務教育においては“年齢相当学年を上回る学年への在籍は認められていない”ため、早期教育や英才教育を目的として飛び級を実施することは認められていないし、学年制を敷く高校においてもそれは同様であるのだから、年齢で所属可能な最高学年を上回ることはできないんだけど。
大学への飛び入学であれば、高等学校に2年以上在学した者で、大学が定める分野で特に優れた資質を有する者。
大学院への飛び入学であれば、大学に3年以上在学した者(またはこれに準ずる者)で、大学院が定める単位を優秀な成績で修得した者が飛び入学することができるとはされているのだけど、まず大学へ入学するには最低でも2年間は高校生をやらなければならず、高校1年生が翌年大学生になったり、中学生が大学に入学したりするのは制度上不可能なんだ。
そしてまた、飛び入学先となる大学側にも厳しい制限があり、大学院が置かれ、かつ、教育研究上の実績及び指導体制を有すること、特に優れた資質の認定に当たって、高等学校の校長の推薦を求めるなど、制度の適切な運用を工夫していること、自己点検・評価の実施及びその結果の公表を行うこと、という条件が整っていないと飛び入学は不可能。
その結果、平成10年(1998年)に千葉大学で飛び入学が許可されて平成30年の20年間の時点でも7大学しか飛び入学できる大学はない。
全国には800弱の大学があるのだから、飛び入学できる大学の数はわずか1%未満で、高校への飛び入学は日本では認められていないため、事実上日本に飛び入学制度は存在しないと言い切っても間違いでもない。
これに対してアメリカの場合は、最終学年の学力試験をパスできれば年齢に関係なく中学や高校を卒業できるほか、高校に通いながら同時に大学に通って単位を取ったりすることも可能で、16歳で大学に入学とかもそこまで珍しくはないが、これは学校側からすれば生徒が早く卒業してくれた方が、必要な教員や教材の費用を安く抑えられ、生徒側からも早く卒業できた方がそれだけ学費を安く抑えることができるというメリットも有る。
実際にアイザック・アシモフは15歳でコロンビア大学へ入学し、19歳で卒業したりしてる。
そして、フィールズ賞受賞の数学者でUCLA教授テレンス・タオは9歳でフリンダース大学へ飛び級入学し、10歳で数学オリンピックに出場し銅メダル、翌年に銀メダル、さらにその翌年に史上最年少で金メダルを獲得し、この記録は、現在でも破られていない。
その後、同大学で修士号を得て、20歳のときプリンストン大学で博士号取得。24歳でUCLAの数学科の正教授就任したりもしている。
ちなみに8月21日に第66回全国高校野球選手権大会の決勝で、茨城の取手第二高校が決勝で大阪の桑原と清田の在籍するPL学園高校を破り、大会初優勝をしていて、大会連覇を阻止されたPL学園は春夏準優勝に終わるんだね。
「PL学園はすごいピッチャーの桑原とバッターの清田がいても優勝できないんだね」
俺がそう言うとお父さんは笑っていった。
「そりゃPLが飛び抜けて強いとわかればちゃんと弱点を探したりして対策するもんだからな。
それに野球は二人でやるもんじゃないし」
「それもそうか、特にバッターは敬遠したりもできるもんね」
「あんまりそういうのは好きじゃないけどな」
そして8月30日にはアメリカのスペースシャトルディスカバリー、初の打ち上げに成功もしている。
「宇宙旅行も夢じゃなくなるかもしれないな」
そう言うお父さんだけど残念だけどそううまくはいかない。
「うーん、飛行機とは値段が違いすぎるし……事故が起きたら大変なことになるし難しいかも」
「なんだ、夢がないな。
将来の夢は宇宙飛行士とか格好良くないか?」
「まあ、確かに格好はいいけどね。
でも、僕はなりたいとは思わないけど」
「昔は自衛隊の戦闘機パイロットになりたいって言ってたのにな」
「幼稚園や小学校低学年の時とは違うよ」
1986年1月28日にチャレンジャーは打ち上げの73秒後に爆発し、全7名の宇宙飛行士が死亡しその後の運用に暗雲が垂れこめたけど、最終的にスペースシャトルによる宇宙計画が打ち切られた理由は、メンテナンスや安全性の確保にお金がかかりすぎて、同じ機体を繰り返し使えるので、低コストで宇宙飛行が行なえるという当初の目算とは裏腹に、スペースシャトルにかかるコストが高すぎて目算が狂ったことなんだよね。
もっとも日本だと年功序列主義で年齢で横並びなのが当たり前で、優秀だからと年下の人間が権限を持つのは嫌がることも多いんだけどね。




