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40w

「輪っかなくしたんで、下界探してきますわ」

 俺の友人はすぐに、頭の輪っかをなくす。どうやら下界を散歩していて落とすらしい。

「またかよ。仕方ねえな、俺も捜すの手伝うよ」

「バカ、いらねえよ」

「いや、輪っかナシだと下界人に姿見えちゃうし。大騒ぎになったら不祥事だから」

 文句を垂れるそいつを適当に丸め込んで、俺も下界についていった。

 友人の翼は、下界で遊び過ぎて薄汚れていた。全く。純白の翼が聞いて飽きれる。


「あれ? 点かない」

 下界の一軒家で、主婦らしい女が部屋の電気のスイッチをぱちぱち、繰り返し押していた。

「嫌だわ、替えたばかりなのに」

「いやあ。人間のこういう顔が好きでやめらんねえな」

 友人はニヤニヤしながら、主婦を眺めていた。

 頭に明るすぎる輪っかを光らせて。

「落としたんじゃ、なかったんだな」

「信じてたの? あんた正直者だな、天使かよ」

「天使だよ」

 友人の天使の輪は、蛍光灯の寿命と同じくらいの時間だけ光って、時期が切れると消える。

「お前……悪魔の方が向いてるよ」

「はいはい、自覚してるしてる」

 下界にLEDが普及して以来、光っている時間がちょっとのびた。

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