表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/36

恋愛論

「バカじゃないの」


 多くの女の子が夢見る日、少数派の少女は言った。

「もともと愛をカタチにする日だってのに、義理チョコだ友チョコだ言って、結局お菓子作りを楽しんでるだけじゃん」

「たしかに……日本人ってイベント好きだよな」

 幼馴染みの少年はそう言って苦笑を浮かべた。

「恋人がいるっていう状態を作りたいだけで、一時の気持ちだけで付き合ったりしてさ。本気で好きになったことあるわけ?」

「そう言われてみれば、付き合っちゃ別れちゃしてるもんな。結構適当な奴も多いよな。そんなんばっかでもないんだろうけどさ」

「大体さ、愛をカタチにするっていう考え方がわかんない。モノで表現しないと分かんないような想いなわけ?愛ってそんなに中途半端なものだっけ?」

「んー……。俺もそういうのよく分かんないけど、お互いの気持ちがちゃんと通いあってて、モノなんか要らないっていうのはたしかに理想的かもな」

 少年は頬杖をつきながらぼんやりと言った。

「けどさ やっぱり好きな相手から好きだって気持ちをカタチにしてもらえたら、嬉しいんじゃないの」


 何となく、ああ、そっか。なんて、思った。


「分かったよ、そーいうもんなのね、現代人って。はあ。ばかばかしい!」

 まるで分かっていないのに、分かったと言って流しているような、そんな口調で言ってやった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ