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白の塔の魔術師   作者: ちゃい
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図書館

 魔術師用の図書館があり、白黒両方の魔術師が多く集まっている。一階から三階までびっしり専門書があり誰でも借りることができる。


 午後からはここと魔法を使える練習室にいることが多い。本を見て実際使ってみる。

 魔法を術式で使うにしても、各個人によって多少やり方が違うので誰かに師事するということはあまりない。

 その人にとって一番効率のよいやり方で、多くの術式を使いこなせればそれでいいのだ。


 地下練習室がある三階建の図書館は別館となっていて、中央塔の食堂から渡り廊下でつながっている。

 多くの人が昼時に行き交う。


 わたしはあまり城内に知り合いがいない。白の塔にいつもいるわけではないし、白い服を着てもいない。城外への出入りが自由で用事があってもつかまらないし、宰相様の執務室と食堂以外決まって行くところはない。

 寮で隣室の人に会うことはめったにない。何をしているのかもよくわからない、誰かもよくわからない人間だと思う。


 地下練習室の個室に入り浸って、夜寮に帰れば誰にも会うことはない。しかもわたしはわざと下働きの作業服を着ている。なんでこんなところに?という目で見られることもない。支給品なので無料でいただけるのもありがたい。ついこそこそしてしまうが、宰相様にすらとがめられたことはない。姿のはっきりしない人にあれこれいわれることはまあないのだ。


 受付カウンターに本を借りに来た。もちろん今日は術式がたくさんかいてあるものを。


 術式は研究者であれば自分でつくることも可能だけれど、本にかかれているものを使用するのが一般的だ。基本の式になんらかの別の効果を付与する式が付け加えられている。火や水や雷など。

 なんとなくつくってしまえそうな気がするが、城を壊したくなければ勝手な式をつくるなとジーク様からいわれているのでそんなことはしない。


 「この本を貸してください」

といって個人カードと本を出す。司書の人が個人データと本を記録する。

 「……はい、返却は10日後になります。…どうぞ……」

 「ありがとうございます」

 受け取って地下へ向かう。

 地下練習室はいつも埋まってはいないので右側の一番奥へ入る。ここで夕方までできるだけ多くの術式を展開してみようと思う。


 結界がかなり強力に張ってあるので安心して使える。使っていて苦情がきたことはないので多分大丈夫。100もあるのだから思い切りやってみよう。


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