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白の塔の魔術師   作者: ちゃい
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婚約パーティー

 翌日の白の塔は婚約パーティーだった。ついでにおめでたも発表された。さらについでにわたしの転勤も発表された。

 わたしの転勤、しかも降格とあっては誰もが触れないように気遣っていて、こっそり送り出されそうだ。左遷ってつらい。


 サシャは結婚する日が決まったらしい。わたしが行った後だけど。

 「よかったね、おめでとう」

とサシャに言うと、

 「ありがとう」

とうれしそうだ。


 ただジーク様は怒っている。わたし以外の人には笑顔なのに、わたしにはものすごーく怒っている。

 もうカンベンしてください。今日でわたしはもうここには来ないのに。


 「ジーク様、どうやってサシャをだましたんですか?犯罪ではないですよね、すれすれだったとしても」

とヨーカ様にいわれている。

 「確かにねー」

と笑うとまたジーク様ににらまれた。


 「いいえ、私がジークを欲しがったんです、逆ですよ」

 サシャがあっけらかんという。きゃーっと悲鳴が上がり、ジーク様が思いっきり照れて、サシャがきれいに笑う。うわぁ、これ以上はきいていられない。


 今度わたしの上司となるユーシス様は、白の塔から外国へ行っていた三名のうちの一人だ。

 大国へ二名。ユーシス様は小国へ行っている、位の一番低い外交員だ。年齢も若く、宰相様くらいだろう。


 「ねぇ、もうちょっとからかってからにしようよー」

とユーシス様にいわれたが、打ち合わせに外国からわざわざ来ていただいたのに、何もしないわけにはいかない。


 「君ってまじめだねー。こんなにおもしろいもの、めったに見られないよ。私はこのパーティーの報告書を頼まれているから、明日から打ち合わせしよう。ね?」

 付き合いやすそうな人だ。それにしてもこのパーティーの何を誰に報告するのだろう、おそろしい。


 朝のちょっとしたお茶会のはずが、いつの間にかお酒が入り、たまたまやって来た人もなんとなく一緒になって一日がかりの大きな宴会となっていった。


 ジーク様が止められないものを誰が止められるというのだろう。このまま夕方まで続くらしい。


 一番居心地が悪いのは多分わたしで、それでも楽しんで参加している。


 午後からは宰相様も加わって、本格的な婚約パーティーになった。ジーク様と宰相様とユーシス様は、年が同じで知り合いらしい。かなりからんでいる。


 宰相様は途中でわたしに気付いてこちらへ来てくれた。

 「白の塔で何かやっているらしいっていうから見に来てしまったよ。

 君はどう?整理がついたの?」

 「はい」


 「そう、よかった。ユーシスもジークと似たようなものだからすぐに慣れるよ。いろいろなものを見てくるといい。

 あとね、打ち合わせは明日からだろうけれど、一つ心配なことがあるから今のうちに言っておくよ。

 君の行くネーデリア国は内戦になりそうだから、N国も軽く戦闘準備をしてあるよ。

 安心して」


 えっ?

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