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氷炎の皇剣伝(ブレイド・ストーリー)  作者: Orca Masa
第2章 《煌帝剣戟》予選 編
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第28話 暗闇の会合

――某国 旧軍事研究施設跡――



「なるほど、これが新たな《覚醒者(ウェイカー)》か。


 タイムリミットが近付いていたとはいえ、疑似覚醒していた者を退けるほどの力を発揮するか。」


「まさか()の国から出るとは驚きましたわ。


 いえ、(いにしえ)の時代には陰陽などという呪法を用いていた国。いずれ現れてもおかしくはなかったというべきでしょうか。」


「だが解せないな。あのファミリーネーム、『坂宮』だったか? 古くから魔術や魔法に精通した家系では無いはずだが。」


皇族(エンペラー)の出でも無ければ、セイメイ・アベとやらの家系でもない。


 全くもってその存在は、特異(イレギュラー)としか言えませんね。」


「あら、異常(イレギュラー)とは失礼が過ぎませんこと? 彼もまた、いずれは此方らの一員となる方ですのよ。


 アプローチが異なるとはいえ、此方らに最も近い存在になったことには変わりませんわ。」


「しかしその認識は、いささか早急ではないか?


 《紅蓮の炎槍妃》、(リー) 華永(ファヨン)殿。」


「いいえ、そうでは無いと確信しますわ。貴方もそう思うでありましょう?


 《万剣の創造者》、アーサー・ヴァンドール様?」


「そうですね。彼ならいずれ、我々と肩を並べる存在となりうるかもしれません。


 しかし彼の覚醒は極めて一時的。さらに一般に覚醒の引き金と言われている強い意志とは、また別のものだと見えます。故にしばしの様子見は必要かと思いますね。


 《光子剣(フォトン・サーベル)》のグラッツ・マンドリンさんは、彼を席に加えることには反対ですか?」


「いや、様子見をするのであれば異論はない。


 事を決めるのは……先ほどから全く口を開かない、そこの仮面の傭兵が動いた後でも遅くはないだろうからな。」


 申し訳程度の明かりしか灯っていない真夜中のロビー跡。そこにある埃を被った受付カウンターに寄りかかった仮面の女性は、咥えていた煙草を足元に棄てた。


「このカーラベイン・ゲゼル、そのような事には毛頭興味無い。


 ただ願うは……安らぎのみである。」


 カーラベインはそう言うと黒いマントを翻し、研究所跡を出ていった。


「さすが、《希望の闇(ダークネス・ホープ)》筆頭ですね。


 あそこまで我道を行く人に付いていこうとするのは、果たして理想を妄信する信徒か、あるいは……」


「アーサー様? 余計なことは考慮すべきではないと思いますわ。


 それよりも、此方らも行動を開始すべきだと思うのですが。どうでしょう?」


「そうだな。私兵も揃ってきた頃合いだ。準備運動をするには良き時期かもしれないな。」


「そうですね。僕らも僕らの成すべき事を成しましょう。


 では皆さん、これにてお開きということで、また近々。」


「えぇ、ごきげんよう。」


「うむ。」


 3人はそれぞれ別れを告げると、夜の闇よりさらに深い暗闇の中へと姿を消した。

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