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お城がたっている

どうもこんにちは^^

評価とお気に入り登録をしていただけると

泣いて喜びます^^

「ふぅ、何だかんだ言って楽しかったんだし……ま、いっか」


もう五分ほど歩いただろうか、段々と見慣れた景色が広がっていき、

帰ってきたぁ~と体を伸ばす。


たくさんビルが並ぶこの大通りを抜ければ自宅が建ててある住宅街だ。

そうだな……。家に帰ったらシャワーでも浴びて即行寝るとしよう。


あ、でも明日からどうしよう。バイトはやめてしまったんだ。

アフィリエイトもいきなり儲かるわけじゃないって荒木が言ってたしな……。

急に現実に引き戻され、まるで背中に米を背負っているかの様な圧力感が俺をおそう。


「いかんいかん!弱気じゃあやってられん!」

と、頬をバチンと叩き気合を入れなおしていると、

通行人にジト目で見られたがそんなの無視。


幸いバイト代を貯めに貯めて貯金額はまだまだあるし、

しばらく生活の方は大丈夫だと思うが……それもいずれ限界が来る。

それまでには何とかしないとな。

なんて考えながらも、丁度信号が青になった横断歩道を

人通りを避けながら歩く。


「なぁ!昨日完成したって言うあの住宅街の城凄かったよな!?」


「あぁ~あの城本当凄いよね!!何で急にあんな所に建てたんだろう?

しかも作業は十万単位で三日間で仕上げたらしいよ?」


「まじかよ!!俺マジの城見て感激したもんなぁ~!」


渡っている最中、大声で話す二人のカップルの会話に俺の足が止まった。

は?何いってんだ?あの住宅街に城を建てただと?

いやいやいや、何だそれ。今流行ってる太刀の悪いギャグか?

三日で城なんて無理にきまってるだろ、

ましてや住宅街にって……ギャグセンの低い奴もいたもんだ。


「ちょっと、立ち止まってると邪魔だよ君」


「あ、す、すいません!」


仕事に向かう途中なのか焦るサラリーマンに注意され

早歩きで歩道を渡りきり自宅へと目指す。

足取りはさっきまでの遅いペースではなく、やや小走り程度である。

ありえないとは言えあのカップルの会話がやけに気になるからだ。


しばらく走りビルを抜け住宅街の入り口が見えてきた所で

俺の足は止まった。いや、止まらざるを得なかった。


「う、うそだろ……!?」

そう絶句する俺の視線の先は、そう、城。まさしく城だった。

それも日本国内の和風の城ではなく、チェコやらパリ・ロンドン

に建ててある様な立派な城。一番馴染みやすい言い方をすれば

ディズニーランドのシンデレラ城。それが一番近いかもしれない。

信じられない……。って待てよ……。


「い、家は何処にいったんだ!近所の家とか全部無くなっちまってんじゃねぇか!

もしかしたら俺の家も……!!」


手に持っていた荷物を乱暴にほかり猛ダッシュで

住宅街だった場所を駆け抜ける。

どんだけでけぇんだよ……!

城本体だけじゃあない。柵で囲まれてよく見えないが

約城一個分の面積の庭までついてやがる……!

こんなのどうやって建てるんだよ!


「作業は十万単位で三日間で仕上げたらしいよ?」


ふとあのカップルの女の声が脳裏によぎる。

それだとしてもこの規模はでかすぎだろ……!

どんだけスパルタなんだ現場監督は!


              ☆


「ハァハァハァ……よかった!俺の家だけはあった……!」


肩で息をしながらもどうにか家の前までたどり着くと、

他の家はまるっきし無くなっているが

俺の家だけは原形をしっかりとどめていた。


           「よかった……!よかった!」




ありがとうございました^^

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