三日前
こんにちは^^楽しんでくれると嬉しいですw
評価やお気に入り登録してくれると
泣いてよろこびます。
「あ、もしもしバイトの大月靖夜です」
現在の時刻、朝十時。普段ならとっくにコンビニのバイトに
出掛けているはずの時間だが、俺はソファーに腰掛け
バイト先の店長に電話を掛けていた。
「おい靖夜!今何処で何をやってる!もうとっくに
バイトの時間は過ぎてるんだぞ!来ないならやめちまえ!
お前の代わりなんて腐るほどいるんだよ!」
案の定携帯のスピーカーから耳がキンキンする怒鳴り声が聞こえてきて、
俺は思わず耳から携帯を離した。まったくうるせぇなあ……。
「じゃあこのバイト辞めますんで、今までありがとうございました」
「は?おいちょっとまて」
ブツッ
まだ何か言ってた気がするが、まあいいか。リクエストに応じて辞めてやったんだ。
自分から辞めさせてくださいだの何だの言う手間がはぶけたってものだ。
「は~あ……。それにしてもこれからどうしよっかな……。
まずは金の確保だよな。といってもバイト以外で
金稼ぐ方法なんてあるのか?あ、そうだ。俺のブログ結構人気あるし
アフィリエイトでも始めてみるか」
なんて一人で呟いていると手に握りっぱなしだった携帯が突如震え出した。
「まさか……店長か?もうやめるって言ってんのにしつこいなぁ」
ブツブツ言いながらも携帯を開く。
「あれ?コイツから電話がかかってくるなんて珍しいな。どうしたんだろ」
液晶に映し出されていたのは鬼クサレ店長、ではなく立松拓也という
クラスメイトの名前だった。
店長だったら無視してやろうと思ってたが……拓也なら別だな。
ピッと、通話ボタンを押し耳に携帯をあてる。
「もしもし、拓也か。どうしたんだ?」
「おう靖夜、沖縄行こうぜ」
「は?」
「いやだから、沖縄行こうぜ」
「イヤイヤイヤ何言ってんだお前」
急に電話してきて何を言うかと思えば……馬鹿か?コイツ。
全く……相手にしてられねぇ。
「くだらねぇイタ電なら切るぞ、じゃあな」
「ちょ、ちょっと待てよ!別にふざけてなんかいねぇよ。
別に遊びに行くわけじゃねぇって!」
「旅行行って遊ばなかったら何すんだボケ!」
しかし、俺は必死で弁解しようとする拓也を冷たくつっぱなす。
すると、拓也は急にしゅんとした様子で口を開いた。
「あのさ……。お前、色々と大変らしいじゃねぇか。
あまり無茶すんなよ。靖夜、最近クラスでも暗いし、
俺だってお前とまた馬鹿やって過ごしたいんだよ。な?
だからよ、たまにはゆっくりとリラックスするのも、いいと思うぜ……?」
「拓也……。お前……」
家族がみんないなくなった事、
バイトばっかりでつらかった事。これは全部俺の問題だと思ってた。
だけど、こんなにも大切な友達を心配かけているなんて思いもしなかった。
「お前……良い奴だな」
今一度拓也の事を見直して、目に軽く涙を浮かべる。
お前にこんな一面があったなんてしらなかったよ……。
だがしかし、拓也の返事は先程までのしんみりした口調ではなかった。
「あったりまえだ!!んじゃそんな訳で今からお前ん家に
迎えにいっくびょ~ん!!!てかもうお前ん家の前にいるから
インターホン押すぜ~!!ちなみに荒木と木村もいるから
これから三日間楽しもう!!!」
「は!?嘘だろ!?さすがのお前でもそんな冗談はつかないだろ!」
ピンポーン
背後から鳴る機械音。燈夜く~んと呼びながら叩かれるドア。
「こえぇぇぇよ!!!!!!!!!!」
「お、なんか開いたぞ、お前の家自動ドアなんだな」
「なわけねぇだろ!だったらお前が今持ってるキーピックみたいなものはなんだ!!」
泥棒の様な手つきで家に侵入してきた拓也&荒木木村ペアに対し
俺は近くにあったモップで牽制をかける。
「おぉ入れ入れ。汚い部屋だけど我慢してくれな」
「お前が言うな拓也!今となっては地主の俺のセリフだボケ!」
しかし俺の繰り出すモップの突きはひょいひょいかわされ、
完全に家に入ってきた三人は、俺がさっきまで座っていたのとは別の対面の
ソファーに座り、一言。
『お茶はまだ?』
「お前らマジで帰れ!」
この後、無理矢理空港に連行されて、なんだかんだ沖縄に到着。
めちゃくちゃ楽しんで帰ってきたのでした。
さてさて本編はここからです。
ここまではまだオープニングとでも言うのでしょうか。
だったらタイトルをオープニングにしとけとでも
言われるのでしょうが、そんなの気分の問題です^^
ありがとうございました^^