転校初日の出会い
頑張って書いたのでよかったらみてください
魔法があれば何ができるのだろう
子供の頃よく考えたものだ
空に飛びたいだの、正義のヒーローになりたいだのいっぱい夢があった
そしてその夢は現実となった
三十年前の巨大エネルギー体の地球衝突により世界にマナという不確定で不可思議な強大な力が広がった。そうそれは子供の頃願っていた魔法の力そのものだった
人々は驚き、叫び、歓喜するひともいた
しかしいいことだけではなかった
この強大な力で悪いことを企むような輩の出現はマナが確認されてからすぐだった
そして戦争にまで発展し、人々は絶望し、嘆き、苦しんだ
そこでようやく人は気がついた
これは刃物類などのように利用方法を間違えば、人を殺す狂器になると
人は研究した。マナについて あの戦争を二度と繰り返さないために
そこでマナには五種類あることがわかった
光・火・水・風・土この五種類が混じり合って空気中にマナとして漂っていることがわかった
そしてすべての生命体 人間だけに限らず動物・植物 無機物にまでマナが宿っていることを発見した
人間は高い知能でマナを操作することができ、空気中のマナと体内に宿っているマナ両方を使い魔法のような現象を起こしている
ここまでが私たちが発見し、研究を重ねた成果だ
[マナ]
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空中に出していた論文のページを閉じる
最初にマナについて研究したグループが残した論文だそうだ
論文を閉じるとそこには
澄みきった空に目映い光を放つ太陽
今視界に入っているものはこれだけだった
「この空のどこかにいるのか・・・・彩音」
空に向けてはなった質問は誰も返してはくれない
彩音が亡くなってから早4ヶ月が過ぎ、すこしは気持ちの整理はできだしていたところだけど、やっぱり行事のようなものがあるとどうしても彩音のことを思い出してしまう
今俺は新しく転校してきた災難大マナ研究科附属高校の校舎とグラウンドの間にある昼寝スペースの芝生で寝転がっている
現在、災高は始業式をやっている
本当は俺も2年の列に並ばなければいけないのだが、なんだか気持ちが荒れているので静かになれるこの芝生でサボっているというわけだ
「昼寝でもしてれば始業式も終わるだろ」
そして目を閉じ、眠りにつこうとすると
「あの~そこで何をしているんですか?」
通路のほうから透き通っていてまるで川のせせらぎのような、きれいな声が聞こえてくる
声だけでは確定とまではいかないが多分高校生だろう
「昼寝だよ」
マナの気配で人が近付いていることは、わかっていたので目をつぶったまま答える
「今 始業式だよ いいの?」
「そっちも始業式なのにいいのかよ」
多分今話しかけている女の子は同じ災高の生徒なので始業式に出ないといけないはずだ。そう思い返事を返してのだが・・・・・なかなか答えが返ってこない
そして少したってから
「実は始業式に遅れちゃって・・・・・・」
彼女は声色にいかにも反省の色をいれながら話してくれた
「なら おくれましたーーーって入っていくのはいけないの?」
「災高の行事に遅れるとすごく怒られるの・・・・場の空気を乱すとか何とかで・・・だからそれならいっそのこと、終わってから登校したほうが怒られないの・・・だから始業式にはいってないの」
「ふーんそうなんだ よく知ってるね 二年生? それとも三年?」
転校してきたばかりの俺には分からない情報を持ってたので新入生ではないと思って聞いてみる。もしかしたら上級生で敬語なんかも使わないといけないかもしれないし
「二年生だよ ところであなたはなんで始業式に出ていないの? 私と違って学校には間に合ってたんでしょ?」
二年ということは同級生かなら今まで通りため口でいいか
いつにまにか彼女は俺の隣に座っていた。始業式が終わるまで俺と話すつもりのようだ。
「行事なんかではさ・・昔のこと思い出しちまうんだよね・・・・なんていうのかな普通の日常より深く記憶に残るじゃん行事とかって」
「・・・」
彼女は黙って俺の話に耳を傾けているようだ
「だから思い出したくないものが今は多すぎて、行事の動作一つ一つがつらいんだ・・・・・だからここら辺で油売って、始業式が終わったら登校するつもり」
いつのまにか俺は今抱えていた悩みを今さっき会ったばかりの彼女に打ち明けていた
結構溜まってたんだな初対面の人に悩み事打ち明けるなんて
それとも彼女だからだろうか?表現しずらいが彼女からは優しい雰囲気というかそんな感じのオーラみたいなのを感じる
「ふーん・・・つらい過去かぁ・・・・・でもね」
彼女が立ち上がる。それに合わせてか彼女が合わせたか知らないが
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
始業式を終えるチャイムが鳴る
それにあわせて俺も目を開ける
「今からつかむ幸せがつらい過去を埋めてくれるはずだから・・だってねここは奇跡を生む力マナのことを学ぶところなんだから」
ずっと目をつぶっていたのでまだ目がなれず視界が眩しくてみえない
「絶対幸せを届けてくれるよ」
だんだんと目が慣れてきて太陽をバックにした彼女の顔も少しずつ鮮明になってくる
「だから今をがんばろ」
そうやって笑顔で言ってくれた彼女の顔は俺が今までずっと愛していた人、彩音にそっくりだった