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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
最終章 消えない影

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第80話 夜の古都

もうじき夜となるエオニア市街。

俺達は手頃な家に身を潜め、交代で見張りをしながら身体を休める。

夜は危険だからね、特に今見たいな何が起こるか分からない様な所ではね。


少し情報を整理しとこうかな。


「旧市街ではアンコニュを除き変な所は無かったね」


「そうですね、唯一不可解な点となるのはあの四つ腕という新種の出現ですかね」


俺を後ろから抱きしめて座るセシリアと話し合う。セシリアが抱きしめる事で触れられる可能性が高くなったキューちゃんは頭から降りて俺の前で丸まって休んでいる。

キューちゃんが居なくなって空いた頭部にはセシリアが顔を埋めている。


さて、確かにここに来て四つ腕とかいう新種のアンコニュが出現したのは謎だ。

そもそも奴等の母体であるマザーアンコニュは討伐済み、新たに生み出される事なんて無いはずなんだけど。

しかも何故か分からんけど頭だけ兜被って後は特に外殻で守られてる訳もなくて脆かったし。

けど力は合ったね、足元だけとは言え氷による拘束やセラさんの奇跡の拘束を破りそうだったし。


何よりあの機転の良さ。

振り下ろした剣が避けられるや否や即座に石畳を散弾にして周囲に飛ばした。

偶然の産物の可能性もある、だがそうなるとあの時の剣を振る動作が違ってくる。

相手を狙って振るうのでは無く、奴は石畳に叩き付けその破片を周囲に飛ばすように振るったから。

確かにエミリーの様に素早い相手にはああいった範囲攻撃は有効だし。


「他にも新種がいる可能性もあると考えないといけないのかぁ」


「無い、と言い切れませんね。現にああして新種が出てきてますし」


新たに新種が出てきている事から他にも新種が出てくる可能性を考えて行動しないといけないのは正直怠い。余りに怠くてセシリアに更にもたれ掛かる、彼女は嬉しそうに小さく笑いぎゅっと抱きしめる力を強めた。


要の地の機能が戻り魔力不足が解消されてリュミエール隊のお姉さん達も常に全力で戦えるから余程問題は無いと思うが万が一と言うのもあるし。


早い所アンコニュが出現し続ける原因を見つけて排除したい所だ。


ああ……それはそれとして、レスティナ達はちゃんと寝ているだろうか。

まだまだ育ち盛り、しっかり寝なければ成長に影響が出るかもしれないからね。


今回の調査にはレスティナ達は連れてきていない、人手も足りてるからわざわざ危険な仕事に付き合わせる必要は無いからね。

家で母さんと一緒にゆっくり過ごしてくれればそれで良い。


「察知魔法に反応……大量よ」


見張り役のリュミエール隊のお姉さんの言葉に休んでいた者達がゆっくりと身体を起こす。


「どうやら休ませて貰えない様だね」


「その様ね」


フィーユの言葉にステラが同意した。

ステラは剣を持ちつつゆっくりと窓際に寄り、外を見た。


「思った以上に多いわね」


視線は窓の外に向けながら手をこちらに向けて数字を現す。

3と0、大凡30体は居るようだ。


「周囲に囲む様に居る事から居場所がバレてるわ」


そうお姉さんが言った。

ステラの確認出来た30とは別に複数がこの家を囲っていると。


「確かに大量だね」


どうやら此処のアンコニュは夜の方が活発になるようだ。

にしてもこれだけ大量にアンコニュが一体何処に潜んで居たというのか。

お姉さん達が言うには察知魔法による反応は少しずつ増えているという。


「これだけ多く来るのは予想外だったね……」


「どうします、エル」


一度古都の外まで撤退して朝になったら再び調査するか……だがそれだと進まないし。

強行しても良いけど眠いと判断が鈍るから危ないよな……眠気覚ましとかあるのかな。


「魔女さん、眠気を覚ます魔法とかある?」


「あるわよ、何?強行突破するつもりかしら?」


「うん、古都の外まで撤退しようかと思ったけどそれだとまた振り出しに戻って進まないからいっその事大聖堂まで蹴散らして進もうかなと」


此処は神血教会の総本山だった場所、そこだけにアンコニュが現れるという事から何となく大聖堂が怪しい気がしてね、確証は無いけど。

何にしても今のままでは安心して眠れない。


と言うことで俺達は魔法と奇跡による強制的な眠気覚ましを行い、それぞれ武器を手に取る。

俺もセシリアも起き上がり、俺は頭の定位置にキューちゃんを乗せた。


「それじゃエミリーが明かりを兼ねた光弾を放ったらステラ、サリーネ、フィーユを先頭に順次出ていこうか」


「「「「「「「「了解」」」」」」」」


ステラ達4人が配置に付き、顔を見合わせ頷くとエミリーが光弾を放ち扉を破壊する。

光弾はそのまま外へ一定距離進み停止し辺りを照らす中、ステラ達3人が外に出る。

その後お姉さん達やアルドル、クーデリア達が外に出ていき最後に俺とセシリア、セラさんが出る。


リュミエール隊のお姉さん達が素早く空に打ち上げる光弾が周囲を明るく照らす。

見た限りアンコニュに新種は居ないね。


「よし、このまま大聖堂に向かうよ!」


「先頭は任せなさい、行くわよ!」


ステラを先頭に俺達は大聖堂へと向かう。

行く先に周囲を照らす光弾撃ち出してくれて視界を確保、また常に察知魔法を用いている為奇襲も分かる。

ただ察知魔法を擦り抜ける、または無効化するような奴が居ないとも限らないのでその辺はしっかり注意して前へと進む。


「これで30体くらいよっ!」


どうやら先頭を走るステラが既に30体程アンコニュを倒しているようだ。


「夜の方が活発になるとか今まで無かったよね?」


「無かったですね、確かに此処では昼よりも夜の方が活発の様ですけど」


昼間の少なさが嘘のように次から次へとアンコニュが出てきている中、セシリアとそんな話をしながら進む。

ステラだけで30体くらい倒していて、勿論倒しているのはステラだけじゃないから軽く60は超えているだろう。

だがアンコニュの数は減るどころか増える一方。


そのまま俺達は夜のエオニア市街を走り大聖堂へと続く噴水のある大広場へと出た。


「はぁ……これはまた大量だね……」


広場には大量のアンコニュ。

サリーネが溜め息を吐くのも分からんでもない。

だが大聖堂に行くには此処から階段を登っていかなければ辿り着けない為、否が応でもアンコニュを倒さなければならない。

とはいえ魔力制限の無い魔法使いのお姉さん達が居るから掃討は難しくはない。


火やら風やら水やら様々な魔法攻撃が放たれアンコニュを次々と打ち倒していく。


「四つ腕!」


「全身凍らせて打ち砕いてやるわ!」


中には昼に見た四つ腕も居たが一度戦い有効打を知ったお姉さん達により1体の例外なくあっという間に凍らされ全身を粉々にされていた。

流石に複数人による魔法の行使には抗えなかったようだ。


そんな調子でアンコニュの殲滅を終え、階段を登って大聖堂へと向かう。

無論階段にも所々アンコニュが居たがステラやサリーネに斬り伏せられた。

そして階段を登りきり大聖堂の前まで辿り着いた。


ゴォーン……ゴォーン……


「鐘の音……?」


今まで一度も鳴ることのなかった大聖堂の鐘が鳴り響く。

それは俺達に不気味さを覚えさせるには十分だった。


言いようのない不気味な感覚に襲われながら俺達は大聖堂の入り口へと向かい、そして招き入れる様に勝手に開かれた巨大な両扉を通って大聖堂の内部へと進んだ。

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