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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
最終章 消えない影

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第78話 終わりへのワルツ

聖樹の奪還から早数ヶ月。

聖樹も問題無く復活を果たし綺麗な姿を取り戻した。


頂上は要の地の源であり、復活すると綺麗な葉に囲まれる神秘的な場所となった。

聖樹を奪還後順調に西部の奪還を進め、ようやく俺達は大陸をアンコニュから奪い返した。


大陸奪還を成し、俺とセシリア、セレーネさんにオリヴィアさんは聖樹頂上の壊れた教会を取り壊し一軒家を建ててそこで暮らす事にした。

ローザさんは変わらずエルフの国に居るが実はオリヴィアさんが大陸西部奪還の旅の最中に転移魔法による長距離移動を研究していた様でそれを用いた転移魔法を聖樹の家とエルフの国の王城、ローザさんの私室と繋げたことで簡単に行き来出来るようになった。

またローザさんの他にもステラやサリーネ、フィーユ達も普通に泊まりに来るので家は割と大きめ。

その他にもセシリアの護衛だったカナリアさん含めたエルフの精鋭部隊が聖樹上層のツリーハウスに泊まっているから安心。


そんなふうに訪れた平和、しかしある一定領域は未だ立ち入り禁止のままだ。

そこは旧神血教会の総本山にして大聖堂のある古都エオニア。


未だそこだけが封鎖されている、その理由は。



























アンコニュ(・・・・・)の出現である。





























「また出現……?」


「一体どうなっているのでしょうか……」


聖樹の家、そこで俺とセシリアは見回りをしていたステラ達からの報告を持ってきてくれたクーデリア達と話をしていた。

奪い返した要の地の機能は依然として健在であり、またアンコニュの出現した古都に付いてもしっかりと探索しアンコニュを倒して都市エオニアを奪還した。

なのにも関わらずアンコニュは依然としてその古都を中心に現れている。

お陰でこの聖樹もカナリアさん達が警戒し、エルフ本国から幾つかの部隊を編成して第2市街、第1市街、下層、中層と巡回させている。

今の所、聖樹もそうだが古都以外でアンコニュの出現は報告されてはいない事から問題が古都にありそうだ。


「ようやく平和になった……と思ったけれどまだまだ終わらなさそうね」


「そうだねぇ、また皆で古都の調査かな〜」


お茶を飲み呟いたオリヴィアさんの言葉に頷く。

幾ら要の地を奪い返したと言っても一度滅ぼされかけた事もあるしアンコニュが出現し続ける内は安心出来ないからね。

各地の要の地の防衛を強化しつつ、現状一番怪しい古都の調査を俺達でする感じかな。

要の地の防衛については以前と違い魔力も使えるから防衛設備を整えておけばそこまで苦戦はしないはず。

アンコニュの初出現時は恐らく油断による物と要の地が奪われ魔力が使えなくなった事が敗因だろうし、今はアンコニュの恐ろしさも十分に分かっているからね。


「取り敢えず西部各地の要の地の防衛設備の強化をしつつ古都の調査準備かな」


「ではお母様やカトリーナ、クランク総司令に各地の要の地へ物資や人員輸送の依頼を出しておきますね」


「お願いねセシリア」


そう言ってローザ母さん達に連絡を取る為、席を立ったセシリア。

俺は引き続きクーデリアと書類を見ようと思ったがキューちゃんがおやつを所望だったので話し合いを一時中断しパン作りに移行した。


クーデリアとローザ母さん達に連絡を終えたセシリアも手伝ってくれた。

そしてパンが出来上がったタイミングで。


「やっぱり!お兄ちゃんがパン作ってた!!」


アルティナが紅い長い髪を揺らして現れた。

その後ろからレスティナが頬を引き攣らせながら姿を見せた。


「どったのレスティナ?」


「いえ……アルティナが突然「お兄ちゃんがパンを作ってる!」と言い出して駆け出したもので……何を言ってるのやらと思いつつ家に来てみたら実際にお兄様がパンを作ってらしたので……」


……感が鋭いな……。

いやそこまで俺の作るパンが好物だと言うのは嬉しいが遠く離れた所でも分かるのはおかしいと思う。


その後巡回の報告に来たカナリアさんや古都付近の見回りをしていたステラ達もやって来て時間も丁度昼になる頃だったのでそのまま皆で昼食を取ることにした。

セレーネさんにセラさん、ローザ母さんやレスティナ達、クーデリア達にステラ達と一挙に大勢が来た。

流石にこの建てた家では大勢で食事は取れない、こんな時は外の庭も活用する。

この家はセシリアやセレーネさんのアイデアも取り入れてテラスもある。

アイデアと言うか「絶対皆が押し寄せて来るから外でも食べれるようにした方が良いわよ」とセレーネさんが言い、それにセシリアが同意してテラスが作られた。

テラスから庭に出れるからその庭にも椅子とテーブルを準備すればあっという間に皆で食事が取れるようになる。

ちなみに雨の日はオリヴィアさんとかリュミエール隊のお姉さん達が魔法で防壁張るから問題なし。


肉やら野菜やらパンやらを並べ皆で談笑しながら食べる。

母さんとローザ母さんも非常に仲良くなったし、エルミアちゃんとレスティナ達の仲も良好。

と言うか皆仲が良い。

今日は居ないけどここにクランクさんやコレットちゃんも居る時がある、と言うか結構な頻度で居る。

やっぱりオリヴィアさんの転移魔法のお陰で此処とゲネシスとかの長距離も簡単に行き来出来るようになったのは有り難いね。


昼食を終えた後、フィーユ達リュミエール隊は物資輸送の準備をやりに一度ゲネシスへと向かった。

ステラやクーデリア達も古都の調査の為の回復薬や弾丸等の買い出しに向かった。


「大陸の奪還も出来て、退役してゆっくり過ごそうと思ったけど……まだまだ難しそうだね〜」


「やはりエルは……軍を抜けるのですね」


俺の言葉にカトリーナが何処か寂しげに呟いた。

元々俺は入りたくて軍に入った訳では無いし、乗りたくて試作機に乗っていた訳では無い。

それしか選択肢が無かったからだ。

……いや、逃げるという選択肢もあったけど、セシリア達やステラ達の事を考えたらそんな考えは無くなったな。

何もせず、淘汰される事を拒んだ。

結局の所、俺は自分で戦う事を望んだんだな。


確かに最初は軍に入れたベオを恨んでいたけれど、今は感謝している。お陰でこうしてセシリア達と出会えた訳だし。

それにベオが俺を軍に入れて鍛えたのも生き残らせる為だと言うのも理解している。

本当ならベオが自分でやろうと思っていたのだろう、じゃなかったらわざわざ試作機のシミュレーションなんかやり込まないだろう。

けど病に冒された身体では出来なかった。 


だが何もしないままではアンコニュによって世界は直ぐ終わりを迎えてしまう。

だからこそ俺自身を鍛えアンコニュと戦い生き残れるようにしてくれたのだろう。

意外とベオは、俺がステラ達の為にも戦う事を分かっていたのかも知れないな。

ステラ達を庇った賊の頭の一件はベオの耳にもはいっていたらしいから。


それでも苦渋の決断だったろうに……。


俺はカトリーナに向き合う。


「そう寂しそうにしないで、軍は抜けるけど会えなくなる訳じゃないんだし。オ……魔女さんの転移魔法があるから気楽に会いに来れるんだから」


「あ、会いに来てもいいんですか!?」


「良いよ、友人なんだから」


「嬉しいです!ありがとうございます!」


余程嬉しかったのか、カトリーナは力強く抱きしめてきたので俺も優しく抱きしめ返す。

満足した後カトリーナはシャルルの手伝いをしにフィーニス本国へと戻った。


ローザ「所でエル」


シャルロット「セシリア」


「「孫はいつになったら見れるのかしら?」」


「ゴホッ!?」


「エ、エルッ?!大丈夫ですか!」


母さん達が変な事言うから飲んでたお茶が気管に入ってむせた。







一ヶ月ほど掛けてあらゆる準備をし、エル達は古都の調査をする為に再び集まった。


「では、古都の調査を始めよう」


「行きましょう、旦那様」


エルはセシリアと手を繋いでステラ達を追って進む。

そんなエルとセシリアの左手の薬指には同じ指輪が嵌められていた。

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