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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第9章 枯れ果てた聖樹

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第76話 聖樹中層

あれから上へと登り、途中で一度陣を張って夜を過ごした。

朝になって動き出し、昼頃にようやく中層へと辿り着いた。


中層も無骨な建物があったりするが何より目を引いたのは所々から聖樹の枝が伸びて来ていること。

伸びてきていると言うよりは元々あった枝付近に建物を建てたって所かな。


アンコニュの討伐をしながら隅々まで探索して進んでいる為時間が掛かっているがこれも安全の為には仕方ない。


「……石像多いね……」


「あれ全部アンコニュの可能性があるんですよね……」


中層の街、今目に見えるだけでも5体の騎士の像があり、それはセシリアが言ったように全てがアンコニュの可能性があるということ。


「いっその事全部壊していきましょうか」


「俺はそれでも良いけどセシリアは良いの?」


「私は構いません、あの騎士の像はエルフに関係のある物では無いですし。ただ一度カトリーナ達に確認してみないといけませんね、カトリーナ達からしたら歴史的価値が無いとも言い切れないですし」


「え?すいませんなんですか?」


「いや何の躊躇も無く壊してるのびっくりなんだけど」


俺とセシリアが話してて騎士の像を壊すかどうかカトリーナに聞こうとそちらを向けば既に騎士の像の一体をリュミエール隊のお姉さん達に魔法で攻撃させて破壊していた。


「いや歴史的価値があるかも知れないから確認をって思ったんだけど……」


「そんなもんより安全が優先ですよ!歴史的価値はありますがそれでアンコニュが化けてて此方が被害を被っては元も子もないですからね!なにより私達の目的は聖樹の奪還であり歴史的価値のある物品の確保ではありませんから!」


両手を腰に当て、そう力説したカトリーナの背後ではリュミエール隊のお姉さん達が無慈悲に騎士の像に魔法を放ち続けている。

やはりと言うか、5体の騎士の像の内、1体はアンコニュだったようで此方が躊躇なく破壊していく様を見て動き出したものの動きが鈍く一方的に倒されていった。


「良いですかエル。守れなかったら意味が無いんです。歴史的価値があろうと何よりも人命。

だからこれから怪しい物は躊躇なく破壊していきます」


「りょ……了解」


そう一言俺とセシリアに言ったカトリーナは後方で見守っていたシャルルの下へと戻っていった。

歴史的価値のある騎士の像の破壊を行う妹を見てどんな気持ちなのかなぁとシャルルの方に視線を向けてみるとまさかの満面の笑み。

カトリーナだけでなくシャルルも賛成していたようだ。


「なんだろ、今まで以上にカトリーナが攻撃的なんだけど……」


「恐らくですけど下でエルが騎士の像に襲われたのが原因だと思います」


「あ……俺が原因だったのね……」


教会の前で騎士姿に襲われた俺。

確かにあれ以降カトリーナは攻撃的になった気がした。

カトリーナだけではない、ステラやクーデリア達もだ。


「先に進むわよ」


ステラの掛け声と共に俺達は先へと進む。

勿論見つけた騎士の像は片っ端から破壊していく。

丁度良い時間に広場に出たから昼の休憩とした。

両隣にセシリアとセレーネさんが座る、そして周囲を囲む様にステラやフィーユ、リュミエール隊のお姉さん達が座った。

どうやらあの広場での一件がある為囲われた様です。

昼食を済ませ、中層の探索を再開。


「あれ……上層への道ってここだけ?」


セシリア「調べた感じですとこの通路だけみたいですね、他にありませんでしたし」


1時間程経ち、中層から上層への道が一本道のようです。


カトリーナ「一本道なら他を見て回らなくて良い分早く進めますね」


「早速行きましょう」


ステラを先頭に上層へと向かう通路へと侵入した。

5、6人は横に並べるくらいの広さのある通路、聖樹のすぐ横にある為所々に聖樹の木が出ていたりし、また反対側は等間隔で柱が並んでおり外の景色が見えている。


「おぉ、高いな」


「高いですね」


セシリアと一緒に少しだけ立ち止まって景色を見る、結構高い所まで登っていて遠くが見える。

これで要の地の機能が戻り緑が復活すれば絶景だろうな。


ガシャーン


「え?なに?」


「キュー」


突然響いた何かが割れる音、それにびくりと身体を震わせる。


「キューちゃんはなんと?」


「置かれていた壺を割っただけだってさ」


「あー、そういう事ですか」


キューちゃんが言った様に前を見てみればステラやサリーネが容赦なく壺を破壊して進んでいた。


「ここまで徹底するのね……」


「当たり前ですよ」


「うおっ?!」


ずいっと直ぐ横からカトリーナが顔を出しびっくり。

なんだろ……カトリーナ気配消して近づくの上手くない……?


「後ろからの不意討ちを防ぐ為です。騎士姿のアンコニュは本物の騎士の像と見分けがつかなかった様に他にも擬態している可能性とそれを見破れない可能性が高い事を考えるにこうして破壊していく方が良いですからね」


「色々と考えてくれててありがとうね」


「えへへ♪」


労いを込めてカトリーナの頭を無でれば彼女は心地良さそうに目を細めた。


「ありがとうございました♪ステラ達が警戒しながら進んでいるので大丈夫だとは思いますが万が一がありますので十分気を付けて下さいね!」


「ああ、分かってるさ」


カトリーナは再びシャルルの下へと向かった。

そんなカトリーナと入れ替わる様にローザさんとエルミアちゃんがやって来た。


「エル大丈夫?疲れてないかしら?」


「私は大丈夫です、ローザさんやエルミアちゃんはどう?大丈夫?」


「私とお母様は大丈夫ですよ」


俺達は4人で一緒に歩き出す。

セシリアは変わらず俺の右隣に、エルミアちゃんは左隣を陣取り腕を絡める。

お陰で俺は両腕を拘束されてしまった。


ローザさんはそんな俺達を後ろから見守っていた。


「にしても聖樹がこれ程大きなんてね」


「予想以上に大きくてびっくりです」


ローザさんやエルミアちゃんも聖樹のあまりの大きさに驚いたそうだ。

それもそうか、1本の木が山のように大きいのだから。

しかもその周りに街を作ってるんだし。


そんな風に話しながら通路を抜けると広場に出る。

広場を横断する形で溝があった。


「また教会……?」


「下層、中層、上層に教会を設けているのでしょうか」


そしてこの広場の隅にもまた教会があった。

例のごとく両隣に置かれた騎士の像はリュミエール隊のお姉さん達により容赦なく破壊され、教会内を確認。

そしてこの教会の最奥にも水桶とその下に水が流れる水路があるのを見つけた。


教会内の探索を終え広場へ出る。


「これ水路だね」


「エミリー分かるの?」


「生憎鼻が良いからね、微かにだけど水の匂いがしたよ」


水路の進む先は広場の隅でその先が無い、つまりこの水は此処から下層へと落ちるのだろう。

反対側を見ると再び通路が見える。


「あの水路のある通路を通るみたいだね、行こっか」


サリーネを先頭に水路のある通路を通る。

先ほどの通路の様に外が見える造りではなく暗いため松明を持って進む。

等間隔で松明を設置する金具が付けられているのが見て取れる。


「アンコニュ!」


その通路の先に手足の長いアンコニュが出現、サリーネがいち早く見つけてくれた為直ぐに戦闘態勢に入れた。


「ジェームズ」


「応」


俺の呼び声に即座に反応しライフルを構え撃ち抜く。

幸い1体だけだったので探索を直ぐに再開。

曲がり角を曲がった先、水路は先に続くけど鉄格子が合って先に進めないようになっていた。


「行き止まり?」


「違うよ、こっちにちゃんと道がある」


一瞬行き止まりかと思ったけどエミリーが言った様にその手前に人が通る道があった。

水路とは此処で分かれるようだ。


サリーネからステラに先頭が交代し、先に進む。

進んだ先にあった木の両扉を開けると階段が現れた。


石壁はなく両側と天井は木の枝が剥き出しの階段を登る。


登りきった先は石造りの少し広い室内。

周囲の安全を確認し、扉を開けて外へ出る。


そこは枝の上に板を這わせ、家と家の間は吊り橋が架けられていた。

近くに建てられた看板を見る。

古ぼけていて読みづらいがこう書かれていた。


【聖樹・上層】


「ここが……上層……」


ようやく俺達は聖樹の上層へと到達した。

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