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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第8章 大陸西部攻略

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第71話 遺跡

岩壁の中の古びた扉を開けた先に現れた敷き詰められた石畳に積まれた石壁。

そのどれもが古く、また損傷も激しく既に倒壊しているものもある。


持ってきていた木材の先端に布を巻き付け火を付け明かりを灯す。


魔法で明かりを灯す方法もあるけど魔素が少なくなって来てるから出来るだけ温存しようと思う。

まぁ結晶苗木があるから多少は良いんだけどね。


「取り敢えず進む?」


「そうね、此処以外に道は無さそうだし進みましょうか」


松明を片手に暗い遺跡を歩く。

石壁の通路かと思ったら少し進むと石壁は終わり自然の岩壁の通路へと変わる。

但し地面は未だ石畳のままだ。

また壁には等間隔で松明を掛ける為の物が付けられている。


「最初の所だけ石を積み上げたのか」


「そういう訳では無いみたいですよ、ほらあれ見てください」


カトリーナが指差す先を見れば再び積まれた石壁がある。

どうも積み上げてある場所は転々とししているようだ。


ステラ「あら……?行き止まり……」


道なりに進んでいたが通路は石壁が積まれた行き止まりとなった。

可笑しいな、確かここまで来る道中に分かれ道なんか無かった筈だけど……。

これだけの大人数でゆっくりと進んで来て全員見逃す訳も無いと思うし……。


「敵を誘い込み逃げ場の無い此処で袋叩き、または誘い込んだ部隊と後方からの部隊による挟撃用の通路?」


「それにしてはある場所が変じゃない?要塞の最奥に作っても意味が無い気がするけど」


「ちょっと通るわね」


サリーネと話し合ってるとオリヴィアさんが来て行き止まりの壁をじっと観察し始めた。

年齢の話すると笑顔で圧を放つから詳しくは聞けてないんだけど恐らくこの中で1番年齢を重ねてる人。

その分経験や知識があり何かしら分かるのだろう。

オリヴィアさんを待つ事僅か1分ほどだろうか。


「隠し通路ね」


そう結論付けた。

どうやらその隠し通路を開けるための仕掛けが何処かにあるらしいのだが……。


「何処にあるか探すの大変だな……」


全くもって見当がつかない。

真面目に何処にあったの?まさかとは思うけど外の要塞の何処かだったりしない?


「一度戻って確認してきましょうか」


「そうだね」


この周辺に無いことからここに居てもどうしようも無いし、戻って調べた方が良いよな。


「仕方ないわね〜」


皆で要塞まで戻ろうと話しているとオリヴィアさんが言葉を発し、その声に振り向いて見ると隠し通路の前で両手を上げて伸びをしているオリヴィアさんの姿が目に入った。


「本当なら貴方達に経験を積ませるのが良いのでしょうけれど、時間を掛けるのもあれだから此処でこの隠し通路を開けるための最短の行動を見せてあげるわ」


そう言ったオリヴィアさんは即座に魔法を発動し自身の目の前に火球を生み出した。

そして顔ほどの大きさになったその火球を隠し通路への石壁へと放つ。

火球は爆発し石壁は音を立てて崩れその先から新たな通路が現れた。


「近くに仕掛けが見つからない時はこれが1番手っ取り早いわ!」


振り向き胸を張るオリヴィアさん。


……確かに速いけど本当にこれで良いのだろうか……。


「ちなみに言っておくけれど中には簡単には壊せない隠し通路への壁もあるから最初は仕掛けを探す方が良いわよ、近くにあればそれを作動させるだけで開くもの」


「なるほど」


あくまで今回は開けるための仕掛けが近くに無いから魔法で破壊しただけみたいだね。


「まあ、私は壊れるまで魔法撃ち続けるけれど」


「脳筋過ぎません?」


是が非でも仕掛けで開けるのではなく壊していくやり方なんですねオリヴィアさんは。

オリヴィアさん曰く「探すのが面倒くさいもの、壊した方が手っ取り早いでしょ?」とのこと。


俺達は何も言わず、オリヴィアさんが破壊(解放)した通路を進む。


その先にあるのは一つの古びた木製の扉。

罠が仕掛けられてないか調べた後、ステラが勢い良く蹴り開けてサリーネ、アルドルが安全を確保する為に中へと入り込み。


そして中に入った途端、突如として壁に取り付けられていた松明に不気味な黒い火が付き明かりを灯した。

此処はそれなりに広い空間で奥に通路がある。


「ここからが本番ね……」


そう呟いたオリヴィアさん。

そして通路の奥の曲がり角の先から伸びる複数の影。

その影はゆっくりと大きくなっている事から此方に近付いて来ている様だ。

皆が皆、静かに武器を構える。

大きくなる影、そして付いに角から姿を現した。


それはボロボロの丸い盾とロングソード、兜に鎧を装備した骸骨だった。


「骸骨の魔物……?」


「スケルトンですね」


「蹴散らして進むわよ!」


ステラとサリーネを先頭に俺達は進む。

襲い掛かるスケルトンはステラとサリーネに蹴散らされていく。

通路の幅がない為2人を越えることは出来ず、何も出来ずに崩れ落ちるスケルトンを踏み越えて2人を追い掛ける。


「?セレーネさんどうしたの?」


セシリアの前に居たセレーネさんが祈りを捧げる動作をしていて気になったので聞いてみた。


「恐らくなのだけれど、ここは古き戦士の墓みたいなの。だからせめて祈りを捧げようと思ったのよ」


「なるほど……」


つまりあのスケルトンは古い戦士達の成れの果てであり此処はその戦士達の為の墓。

あの要塞はこの墓を守る為の物だったと。


ならば俺も奇跡を使い祈りを捧げよう。

せめて戦士たちの魂が、安らかに眠れるように。


死してなお、こんな風に戦う必要は何処にもないのだから。

その祈りが通じたのか、奇跡の範囲内のスケルトンは灰となって消えていく。


また奇跡の範囲内にあった不気味な黒い火の松明も黒から普通の火の色に変わっていった。


俺は奇跡を行使しながらステラ達の後ろに移動する。

奇跡の範囲内に入ったスケルトン達は皆揃って攻撃態勢を解き、脱力して灰となっていく。


そうして通路を道なりに進み、巨大な空間へと出る。

目の前の通路の先に両扉がある、そして通路から左に大きく広がったこの空間には幾つもの剣や兜、不揃いな大きさの石が置かれていた。


「やっぱり、ここはお墓だった様ですね……」


そう呟いたセシリアは汚れる事も厭わず膝を地面に付いて両手を組み祈りを捧げる。

それに習って俺達も膝付いて祈りを捧げる。


すると行き先の閉まっていた扉が一人でに開き、その先の通路に松明の火が付いた。

不気味な黒い炎ではなく、明るい火の色だった。


「祈りが届いたみたいだね」


「ふふっそうね」


セレーネさんは微笑んだ。


俺達は開いた扉を潜り通路を進む。

松明の火は俺達を導く様に行き先に火を灯す。

途中分かれ道もあったけど松明の火が灯るのはどちらか一方のみであり、俺達はその灯った方へと進む。


そうして入り口の時と同じような両扉の前まで辿り着いた。


遺跡はかなり入り組んでたから松明の火が導いてくれなかったらもっと時間掛かってただろう。

なんなら迷子になった可能性が極めて高かった。

ここまで案内してくれたお礼も兼ね、もう一度だけ祈りと奇跡を捧げる。


ステラとサリーネが扉に触れようとするその前に、両扉が音を立てて開く。

その先から眩しい陽の光が降り注ぐ。


陽の光の眩しさに思わず手で影を作りながら外へと出る。

皆が出ると一筋の風が頬を撫で、扉は閉ざされた。


「やっぱり魔素が薄くなってるね」


「となると山脈の向こう側に辿り着いた様ですね!」


セシリアが興奮気味に言った。

遺跡の中でも何となく魔素が薄くなっていってるのは分かってたけど、外に出ると目に見えて減っているのが分かる。

また要の地の機能が山脈の向こう側まで及んでいないのは今までの経験上何となく予測していた。

今までも山の頂上を境に魔素の増減があったからね。


そして山脈の向こう側に辿り着いたと言うことは聖樹までもう少しと言うこと、セシリアが、エルフのお姉さん達が興奮するのも分かる。


道なりに少し歩くと開けた場所に出た。

周囲の景色からどうやら高台の様な場所の様だ。


「此処から見えたりしないかな」


「見えるかもしれませんね、一緒に見てみましょう」


「そうだね」


セシリアと手を繋いでゆっくりと高台の隅まで近付く。

高台の隅には木柵があるのでそこまで一緒目を閉じて進む。


「「せーの……」」


そして木柵に触れたのを感じ一緒に目を開く。


「え……」


それは果たして俺の声だったか、セシリアの声だったか……。

はたまた俺とセシリア2人の声だったか。

目を開け、見下ろした先。




















































そこには枯れ果てた大樹の姿があった。

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