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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第8章 大陸西部攻略

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第68話 山脈の麓

3日目に補給物資と基地への増員が到着し、俺達は進軍を再開した。


それから数カ月、同じ様に補給の為の中継拠点を作り、後発の人達を待ってから進む事を繰り返し幾つもの要の地を奪還した。


人員不足に付いてはイコル、フィーニス等、連合国家の運営が落ち着いた事で冒険者ギルドへ依頼を出せる余裕が出来た事で西部への人員増加が可能となっただとか。

お陰で当初の予定と違いこうして余裕を持って進軍が出来る。


そして現在、俺達は次の目的地を目指して森の中を進んでいる。

目指す先はセシリア達エルフの古い故郷、聖樹。


森の中を歩く事数日、ようやく森を越え目の前に巨大な山脈が見えた。


「あの山脈です、あの山脈を越えた先に私達エルフの古い故郷、聖樹があるとされています」


この旅の途中、何度もセシリア達から聞いたエルフ達の故郷、聖樹。

それがあの山の向こう側にあると言うのなら早く見たいだろう。


「よし、進もうか」


「ええ」


俺の言葉に全員頷き、進軍を再開。

母さんも居るから速度は遅め。

出来れば母さんには安全地帯で待ってて欲しかったけど1人待つのはもう嫌だそうなので連れてきました。

本当は良くないんだろうけど、どうしても置いてくる事は出来なかった。


念には念を入れ、山の麓に活動拠点を作成する。

今回も魔法を用いて周囲に空堀を掘り内側に洞穴や土を盛って空の目から逃れる。

道中入手した木材を用いて足場や土壁を補強する事も忘れずに。

また近くに川がある所に基地を作成している。


洞穴の中でカトリーナ達と話し合いをする。


「此処から先は情報が少なく、私達にとっては未知と言っても良いでしょう」


「あの山脈を越える道も全く分からない感じ?」


「一応山越えルートはありますが何分数年以上前のものでして今も安全に使えるかどうか……」


俺の言葉にカトリーナはそう答えた。

山越えルートがどういうものかは分からないけど、数年経ってるしもしかしたら崩落とかで道が塞がってたりするかも知れない。

道幅が広くて崩落してても問題なく通れるかも知れないし。


エル「何にせよ少人数で確認して来て問題無いようなら皆で物資持ってそこを通るとしようか」


ステラ「そうね、駄目なら他の道を探すしか無いし」


フィーユ「最悪の場合は自分達で道を作るしかなさそうだね〜」


セシリア「そうですね」


そんなこんなで直ぐ様ルートを見に行く少人数が編成され出発した。


メンバーは俺、セシリア、キューちゃん、エミリー、サリーネ、オリヴィアさん、セラさんの6名と一匹である。


俺の荷物は何時もと変わらずライフルと食糧や回復薬等が詰め込まれた大型背嚢。


セシリア達も万が一に備え、食糧と回復薬の入った小型の背嚢を背負っている。

俺と違い小型なのは大きいと戦闘時の邪魔になるから。



活動拠点から数十分歩くと一つの古ぼけた看板が建てられていた。


【ビギスト山脈山越えルート】


「ビギスト山脈って言うのか」


山脈の名前と山越えルートの方角が記されていた。


それから2時間程看板の方角に従って歩き山越えルートの確認をしにきた訳だが。


「これは駄目だね」


「物の見事に塞がっていますね、これなら退かすよりも新たな道を通った方が速い気もしますが……?」


エミリーやセラさんの言った様に山越えルートは大規模な山崩れにより塞がれていた。

道も狭いから迂回して通る事も出来ない。


「エルよりカトリーナへ、山越えルートは山崩れによって完全に塞がれてて通れなくなってるね」


Katrina(カトリーナ)《此方カトリーナ。分かりました、では他のルートを探しましょうか……》


「……それかリュミエール隊のお姉さん達に抱えて飛び越えてもらう?」


「確かに……山脈自体を越えることは高過ぎて出来ないけど塞がれたこの道を越えるのは時間を掛ければ行けるかもね」


fille(フィーユ)《それなら今から数名リュミエール隊員行かせるから試しに見てみれば?》


「そうだね、そうするよ」



待つ事2時間、到着した数名のリュミエール隊のお姉さん達と護衛のエルフのお姉さん達。


早速エミリー達が浮上して様子見に行った。

そして数分後、エミリー達が戻ってきた。


「どうだった?」


「行ける」


一言そう言ったエミリー。

時間も時間なので俺達は一度拠点へと戻る事にした。



翌朝、荷馬車に荷物を移し全員で移動する。


「エル、問題が発生したよ……」


荷台に乗りセシリアに抱き寄せられその身体の柔らかさと荷馬車の揺れを感じているとサリーネがそう言ってきた。


「何があったの?」


「あれ、見て」


気が付けば荷馬車の揺れは収まっており、停車している事に気付きつつサリーネが指差した先を見る。


2本足に硬い外殻に覆われた真ん丸な身体。


鋼鉄鳥が赤く鋭い2つの目で此方を見ていた。


「今まで全然見てなかったけどこんな遠くの地に居るとはね」


《━━━━━━━━━!!!!》


辺りに凄まじい鳴き声が響く。


「荷馬車を後退させて!フィーユ達リュミエール隊は上空に上がって他のアンコニュが来ないか警戒して!」


「了解!」


俺の指示に従い荷馬車は後退、フィーユ達は空へと上がる。


「エル!どうするつもりですか!」


「これを試そうと思ってね」


尋ねてきたセシリアにある物を見せる。

それは黒い大きな筒状の物。


「これは……」


「イニーツィオのロケット砲を人が扱える様に小型化した物だよ」


俺はそれを担いで荷馬車の外へと出る、そのまま一頭の馬に乗る。


「待ちなさい!エル一人では上手く操れないでしょう!私が動かします!!」


すると直ぐ後ろに後を追ってきたセシリアが騎乗し馬の手綱を握った。

セシリアが言った様にまだ乗馬には慣れてません。


「行きますよ!」


セシリアの掛け声と共に馬が駆け出し鋼鉄鳥に近付いていく。


「射程距離に入ったら降りるからね!」


「分かりました!すぐ近くで待機してます!」


携行ロケット砲は轟音と反動がデカいらしく乗馬したまま使うと馬ごと倒れる可能性があるし、倒れなくても馬が騒音に驚いて暴れて俺とセシリアが転倒する可能性があるから降りて使う。


「ここなら!」


「っ!!!」


意図を読み取ったセシリアが直ぐに馬を止め俺は素早く降りる。

降りた後直ぐ様セシリアが馬を操り離れたのを確認してロケット砲を鋼鉄鳥の顔向ける。


《━━━━━━━━━!!!!》


「サービスかな?!気が利くね!!!」


此方に向き口を大きく開けてくれた鋼鉄鳥にロケット砲の引き金を引く。


《━━━━━━━━?!?!?!》


ロケット弾は物の見事に鋼鉄鳥の口の中に着弾、大爆発を起こした。


「エル!」


「っ!!!」


直ぐに駆け付けて手を伸ばしたセシリアの手を掴むとセシリアは手を引いて自分へと引き寄せた。


「むぐっ!?」


「危ないですからね!そのままじっとしてて下さい!」


セシリアに抱き寄せられその胸に顔を押し付けられたまま固定される。

そのままセシリアは馬を加速させ鋼鉄鳥から離れる。


《━━━━━━!!!!》


「ふっ!」


すぐ近くで爆発音。

恐らく怒り狂った鋼鉄鳥が光線を放ちそれが地面に着弾したのだろう。


「お待たせ!」


「サリーネ!ステラ!遅いじゃないですか!」


「荷馬車を後退させた後に馬を借りてきたのだから遅いに決まってるじゃない。けどこの遅れはあのデカブツを地に伏せさせる事で挽回するわ」


「え?……えぇ……?」


セシリアの胸から顔を上げると既にステラとサリーネは馬を駆って鋼鉄鳥へと向かっていた。


そうして2人は素早く鋼鉄鳥の足元へと到達しすれ違うと同時に鋼鉄鳥がぐらりと揺れた。

二度、三度足元を通り過ぎると遂に鋼鉄鳥が前に倒れた。


「……何したの?」


「「外殻の隙間を何度も斬りつけただけ」」


帰ってきた2人に聞けばそんな答えが帰ってきた。何度も隙間から足を斬りつけた事で立っていることすら出来なくなった様だ。


《━━…………━━━》


顔を此方に向け、口を開けた途端空から撃ち込まれる炎の矢。

そして空から急接近したエミリーがその嘴を思いっ切り蹴りつけ口を閉ざし、数瞬後大爆発が起こった。


爆煙が消えるとそこには頭部の無くなった鋼鉄鳥の姿があり、ピクリとも動く事は無かった。


「戦闘終了ね」


戦闘を終え、再び荷馬車に乗った。

俺はセシリアに後ろから抱きしめられながらステラに膝枕をするという状況の中、荷馬車は山を越えるべく進みだした。


なお膝枕と後ろから抱きしめるのは定期的に交代していた。

けれど俺が膝枕をする事に変わりは無かった。

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