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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第8章 大陸西部攻略

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第67話 籠城戦

ふと目が覚める。

柔らかな感触に包まれている事を理解し、俺は昨日の夜を思い返す。


確か私とセシリア、セレーネさんとオリヴィアさんは同じ場所で休息を取ってたはず……。

そう思い出した後に顔を上げる。

私の下にセシリアが居てその柔らかな胸に顔が押し付けられていたようです。

顔を右に向ける、そこにはセレーネさんが此方に向いて眠っている。

左を向く、オリヴィアさんがセレーネさんと同じ様に眠っている。

つまり私はセシリア、セレーネさん、オリヴィアさんの3名に抱きしめられながら眠っていたと言うことだ。


ちなみにキューちゃんはその事を予期したのか一人用のソファの上で丸まって寝てる。

確か私が寝た時は俺の頭上で寝てたはずだ……。


この状況では起きように起きれないので俺は皆が起きるまで目を閉じた。





「エル君、少し話が」


「どうかしたの?」


皆が起きて解放された俺はセシリア達と一緒に外へ向かう途中、見張りをしていたのだろうリュミエール隊のお姉さんが私達に話し掛ける。


「アンコニュに囲まれたわ、攻撃してきた訳じゃないし、下手に戦闘に入るとその音で更にアンコニュが現れると思って無視してたのだけどそれが裏目に出た見たい……」


申し訳なさそうに呟かれたその言葉を聞き俺はお姉さんの後を付いて洞穴を進む。

アンコニュの攻撃に備え俺達は地面に穴を掘り、その中で休む様にしたんだ。

勿論洞穴は魔法で製作した。


お姉さんの後を追い洞穴から出て空堀からそっと頭を出して覗けば確かにアンコニュが複数居る。


アンコニュが居ることを確認した俺は空堀に身を潜めお姉さんに尋ねる。


「囲まれたって言ってたけどあんな感じで周囲に居るってこと?」


「ええ、そういう事よ……」


周囲にアンコニュが居る、けれど決して攻撃をしてくる訳ではない。

また数が多い訳でも無いが一度攻撃すればワラワラと集まって来るだろう。


かと言って強行突破は避けたいな。

万が一馬がやられたら大荷物を持っての進軍が厳しくなるし、貴重な馬の消耗も避けたい。


何より母さんが居る中でそんな危険な事はしたくない。


「ちょっと皆と話してくるね、引き続き見張りをお願い。アンコニュへの攻撃は向こうが攻撃して来るまで、もしくは危険距離まで接近されるまで待つ事」


「分かったわ」


お姉さんにそう伝えた後、俺とセシリアは指揮官であるカトリーナ達と話すためその場を離れ洞穴へと再び入っていく。


ちなみにシャルルさんはフィーニス本国に残って内政や軍の再建など色々とやってもらってる。


「カトリーナ」


「エル?どうしました?」


洞穴の中に荷馬車から降ろして保管しておいた物資の確認をしていたカトリーナに声を掛ける。

振り向いたカトリーナに先程お姉さんから聞いたことを話す。


「確かに……そうなると強行突破も避けた方が良いでしょう……」


「そこで予定変更するのはどうだろうかなって思ってね。仮拠点はそのまま残して拠点防衛の為の人員と補給物資を送って貰う。補給物資と人員が到着したら俺達は出発、此処は俺達へ補給を届けてもらう為の支援基地にすればいいかと」


どのみち何処かで補給を受けなきゃいけなくなるし、此処に補給物資を貯めて前線の俺達に送って貰えば良い。

いわゆる後方支援基地と言ったものだろうか。


また複数ある神の結晶苗木の一つを基地に埋めていくことで魔力関連の問題も解決出来る。


「私は賛成です、他の方はどうでしょうか」


「私も賛成ね」


「私も問題ないよ」


カトリーナの言葉にステラ、フィーユと答える。

これでそれぞれの部隊長が了承したことになる。


「ではクランク総司令に連絡して物資の補給と人員の増員をお願いしときますね」


「了解、俺達はその間に拠点の防御設備の補強を行うよ」


「分かったわ」


カトリーナと別れ俺、セシリア、ステラ、フィーユは空堀へと向かう。


外に出た俺達は即座に準備に取り掛かる。

まずは袋に土を詰めて土のうを製作。

製作した土のうを空堀の上に積み重ねていく。


「木材ってあったけ?」


「少しだけしか無いわね」


ステラと一緒に確認した所、確かに少なかった。

木材で足場を作ろうと思ったけど取り敢えずは土のうで済ませようか。


再び土のうを複数作った後、積み上げた土のうの影に隠れながら空堀の上へと上がり土のうで陣地を製作していく。

後は機関銃も取り付けておこうか。


「ステラ〜、機関銃持ってきて貰って良い?後弾薬も」


「分かった、すぐ持ってくるわね」


ステラに取りに行って貰ってる間もフィーユやセシリアと共に陣地を広げていく。


「エル君、アンコニュの数が増えていってるわ」


「流石にこれ以上増えて一斉に攻められたらキツイね……カトリーナ?聞こえる?」


Katrina(カトリーナ)《こちらカトリーナ、聞こえます》


「アンコニュが増えてきててこれ以上増えると危険だから攻撃に移るよ」


Katrina(カトリーナ)《了解、私の方から他の者に伝えますね》


「お願いね〜、カトリーナから連絡がいくからそれまでは待機、連絡が全員に回ったら攻撃を開始するよ」


「ええ、分かったわ」


その後、ステラから受け取った機関銃を設置し俺は伏せて攻撃準備をした。


「狼みたいなアンコニュが居るね」 


「新種の様ですね、足が速い可能性が高いので注意ですね」


「キュー」


今まで見た手足の長い奴らに紛れて狼のアンコニュを見かけた。

セシリアが言った様に足が速い可能性が高いから気を付けないとね。


俺の両隣にはセシリアとキューちゃんが同じ様に伏せて待機してくれているので何かあっても大抵のことは何とかなるだろう。


Katrina(カトリーナ)《攻撃を許可します》


そして遂に攻撃許可が下りた。

引き金を引き弾丸をばら撒く、新種を含め多くのアンコニュが倒れた。


また様々な所から爆発音が聞こえることからリュミエール隊のお姉さん達も魔法で攻撃してるようだね。


「あれは……?」


アンコニュに紛れて見たことない奴を見た。

小柄で全身緑色のナニカ、手には素朴な槍だったり棍棒だったりを持っている。


「ゴブリンを発見!」


|LumièreTeam《リュミエール隊》《出たわね!女の敵!》


それを見つけた瞬間セシリアが大声で叫び、またリュミエール隊のお姉さん達も大声で応える。

心做しか攻撃が苛烈になった気がする。


そんな風にアンコニュや魔物と交戦し、何度か交代して休息を取っている内に夜となった。


松明を点けて明かりを確保し、見張る。

流石に戦闘状態となった為、昨日のようにのんびりとご飯を食べれず空堀の中、セシリアと共に土壁に背を預けて缶詰のご飯を食べる。


「最初の頃に食べてた奴より美味いね」


「そうですね、これなら問題ないですね」


以前食べていた缶詰や戦闘糧食(レーション)はお世辞にも美味いとは言えなかったからね。

これなら良いや。

頭の上に乗っているキューちゃんにはチョコをあげる。

ご飯を食べ終えたら隣りに居るリュミエール隊のお姉さん達と見張りを代わり、その間にお姉さん達がご飯を食べる。


俺とセシリアとキューちゃんは空堀の上へと上がり伏せながら全身し設置しておいた機関銃の下へとたどり着く。


「あー動いて来た」


機関銃を手に取り前を覗いてみればジリジリとアンコニュが前進していた。


「弾はまだまだありますよ」


じゃらじゃらと機関銃の弾薬を手に取りそう伝えてくれたセシリア。


「お姉さん〜、カトリーナ〜、アンコニュが近付いて来てるから撃つよ〜」


「はーい!了解したわ〜!」


Katrina(カトリーナ)《了解しました〜!攻撃を許可します!!》


引き金を引き、轟音と共に放たれる弾丸の嵐がアンコニュやその影に隠れていた魔物を撃ち抜く。

するとアンコニュの方から黒い光が光ったと思ったら何かが数回土のうに当たった。


「攻撃してきたね」


黒い光だからほぼ間違いなくアンコニュの攻撃だね、それに紛れて魔物……ゴブリンって言ったっけ、それが弓を射てくる。


とは言え機関銃には勝てず散っていったけど。


「弾薬の補充をお願いします!」


「分かりました!」


セシリアがリュミエール隊のお姉さんに弾薬の補充を頼みそれを了承したお姉さんの声が後ろから聞こえる中で俺はアンコニュと魔物目掛け機関銃を放ち続ける。


そうしてステラやフィーユ、レスティナ達と交代しながら見張り時に休み籠城2日目を迎える。





2日目


昨日と違いは今日は母さんに前から、セシリア後ろから抱かれて眠っていた俺は自然と目を覚ました。

緊急事態が起こることもなかった為、例によって2人が起きるまでそのままだった。


2人が起き、3人で木桶に入れられている水で顔を洗う。


「何とか水を確保したいね」


「あれ?もう水の備蓄って無かったでしたっけ?」


「え?!」


俺とセシリアの会話に母さんが驚き声を上げた。

俺やセシリアは慣れてしまったが一般人の母さんからしたら最低限、水で身体を綺麗にしたいだろうからね。


「水はあるよ、ただ水場とかを確保出来ると節水が緩くなるからさ」


「なるほど、そういうことでしたか」


ほっと胸を撫でおろす母さんを他所に俺とセシリアは会話を続ける。


「カトリーナに聞いてみようか」


「そうしましょう」


母さんと別れ俺とセシリアはカトリーナの所にまで訪れた。


「この近くに川ってある?」


「ありますよ、此処が現在地で此方が川辺ですね」


何処からか地図を取り出し指差す。

確かに近い。


「なら俺とセシリアとステラで木材回収するついでに水も確保しに行こうか」


前から木材は欲しかったからセシリア、ステラと一緒に集めてくるついでに川に寄ってこよう。


ステラに確認した所問題無いとのことなので早速一緒に出掛ける。

護衛にエルフ数名とユースティア、オリヴィアさんが付いてきてくれる。

オリヴィアさんが入れば水とか木材の運搬も楽できるね。


まずは空堀から顔を覗かせ、周囲に居るアンコニュを倒してからキューちゃんを頭の上にセットして出発する。


木材はその辺の木を伐採すれば良いからまずは先に水場へと向かう。


「帰ったらサリーネが愚痴りそうね」


「愚痴るかな?」


「愚痴るわよ、私だけ貴方と一緒に行けてサリーネだけお留守番なのだから」


苦笑いを浮かべてそう言ったステラ。

けれどサリーネには基地に残っておいてもらわないと緊急事態の対処が厳しいからね、他にもフィーユとエミリーも居るから余程問題は無いけど接近戦はサリーネやアルドル任せだし。


数十分程歩いて川へ到着、持ってきていた木桶に水を汲む。

大地が荒廃しているから水も枯れ果ててるかと思ったがそうでも無いらしい。


エルフの国の川はあくまで要の地の神秘の泉が機能を失い枯れてしまったのが原因だったみたいだし。

まぁ小さい池とかが枯れていることもあるし正確な所は分からない、ただ基地の近くで水を確保出来るだけでも有り難い事に変わりはないだろう。


水を汲んだ木桶はオリヴィアさんに浮遊魔法を使ってもらって運ぶ。

木桶などを基地まで運ぶ分には魔力が枯渇する事は無いらしい。

木桶を運びつつ道中木を伐採して運ぶ。

ちなみにこの木もオリヴィアさんに運んでもらいました。


基地に戻りオリヴィアさんに木桶を頼み俺達は伐採した木の加工と空堀等の補強を始めた。


「加工した木材を空堀の土壁に当てて土留めにするよ」


「「力仕事って訳だな!よし分かった!!」」


ジェームズとアルドルが2人で木材を運び土壁に当てて固定する。

こうする事で雨で土が崩れてこないようにする。

また木材で念願の足場を製作、これで空堀の外が見やすくなったよ。

後は所々に屋根を設置、その上に土を広げて擬態させて空のアンコニュからの襲撃を避ける。


「ね〜エル〜」


「サリーネ?どったの?」


名を呼ばれたので作業を止め振り向けば微笑みながらサリーネが近付いてきた。


「いやさ?後発の娘達の為に水場にも防壁とか作った方が良いんじゃないかな〜って思ってね」


「あー、そう……だね」


考えながら話した為言葉が途切れ途切れになってしまったがサリーネの言う事には賛成である。


サリーネに言われて考えたが、確かに水を汲みに行った時に共に居たのは連合軍最強と名高いプリュフォール隊の隊長であるステラやそんなステラやサリーネと同等の実力を持つセシリアにその護衛のエルフ達だ。


後発の娘達も決して弱くは無いがステラ達ほど安全にやれるかと言われると絶対とは言えない。

と言うことで今度はサリーネと共に再び先程の水場まで訪れ後発の人達がそれなりに安全に水を取れる様に防壁を設けることにした。

防壁の他にも基地と同じ様に屋根を設け空からも見つかりにくくした。


「終わった終わった〜!さぁ戻ろ!」


「おっと」


作業が終わり俺の右側に抱き着いてきたサリーネ、それを見て左側へ来て俺の腕に自身の腕を絡めたセシリア、普段と変わらぬ頭上の古龍(キューちゃん)

そしてそんな3人と一匹を微笑みながら見守る護衛(エルフ)達。


2人に腕を組まれながら帰る途中一匹のクマに出会った。


「あ、クマだ」


「丁度いいですね、狩って帰りましょう。味がマシになったとは言え缶詰にも飽きてきましたし」


手を離す剣を抜くセシリアとサリーネ。

しかし2人は俺の傍から離れず代わりに護衛達が殺到しあっという間に天に召された。


「ずっと見張っているとストレスが溜まりますからね、偶には発散させないと」


そう微笑むセシリア。

その後も護衛のエルフ達が素早く縄でクマを縛りあげ、運搬の準備が整ったら再びセシリアとサリーネが両側に抱き着いたのを合図にクマを引き摺り始めた。


基地に持ち帰ったクマはキューちゃんの絶妙な火加減によって調理された。

美味でした。

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