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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第7章タイトル 東部戦線

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第57話 エルフの国沿岸部防衛戦

エルフの国の中央基地、その会議室に集められた俺達。

会議室の前には俺達の司令官であるクランクさんが立っている。


「急な招集、すまない」


一言謝罪を入れたクランクさん。

その言葉と同時に前方の壁に投影魔法で地図が表示される。

場所は此処、エルフの国だ。


「エルフの斥候が遠見の魔法を使用した所フィーニスの艦隊が発見された。艦隊は海を大きく迂回しエルフの国へと接近」


前方の地図に記しが施される。

場所はこの中央基地から南下したエルフの国南西部の沿岸部だ。


「大凡の位置ではあるが此処が敵の上陸地点だ」


エルフは海軍を持たない。

そもそも国が復活したのも最近だし、神血教会は多大な被害を被るだろう陸からの侵攻を止め海から上陸する作戦に変えたようだ。

実際上陸の出来る南西の沿岸部に防御施設は設けられていない。

そして今から防御施設を構築するには遅すぎる。


「バナール隊及びリュミエール隊は直ちに出撃し、この艦隊が上陸する前に海上にて迎撃してもらいたい。」


「「「「「「「「「了解」」」」」」」」」


俺達は即座に会議室を出て戦闘機へと向かう。

既に整備員さん達によってミサイルが装備され、エンジンも稼働している試作2型に搭乗する。

後ろにはセシリアが乗り各種システムの確認をする。

準備が出来、俺は即座に滑走路へと進入する。


Crank《バナール隊、離陸スタンバイ……離陸を許可する》


許可が降りたのでエンジン出力を上げて加速し離陸する、クーデリア達も問題無く付いて来ている。

今までは一人ずつ離陸していたが今回は緊急という事と、俺達の技量が上がった事で全機でほぼ同時に空へと上がった。


旋回し南南西に向かって飛ぶ。

何時もなら両翼にフィーユ達を乗せるが今は状況が状況なので俺達が先行して飛ぶ。

ステラとサリーネ達地上部隊は万が一の上陸に備え南西の沿岸部へと急行、オリヴィアさんもそちらに付いて行っている。

また妹達もイニーツィオで出撃、沿岸部付近の森に姿を隠して待機となっている。


「確か、今向かってる沿岸部って近くに街があったよね」


「はい、ヴェシという名の水の都があります」


「なら何が何でも上陸は阻止しないとねっ!」


ようやく祖国を取り戻して暮らせるようになったのにまた失うなど、それも人の悪意で失うなんて事はあってはならない。


森を越え、海が目に入る。

眼下には沿岸に沿って数多くの木造の家が立ち並んだ街が見えた。

此処が水の都ヴェシ。


ヴェシを越え海上へと出て十数分、海の向こうに複数の黒い影を視認した。


「あれかな?」


「確認しました、敵艦隊です」


Crank《こちらも確認した、バナール隊交戦を許可する》


「了解、バナール1交戦」


Kudelia(クーデリア)《バナール2交戦》


james(ジェームズ)《バナール3交戦!》


Sofie(ソフィー)《バナール4交戦〜!》


Victoria(ヴィクトリア)《バナール5交戦》


Teresa(テレサ)《バナール6交戦っ!》


俺は先頭を進む艦に向かって飛ぶ、向こうも此方に気付き、対空砲が放たれる。


対空砲を掻い潜りミサイルを1発発射して上昇する。


敵艦は発射されたミサイルを迎撃しようとするも命中出来ず、ミサイルは艦の中心に当たり大爆発を起こした。


《馬鹿なっ何故気付かれた!?》


《魔法による観測か?!》


《妨害魔法を掛けていたはずだろうっ》


通信機から雑音混じりの声が辛うじて聞こえてくる、内容から察するに敵艦隊の乗組員だろう。


「魔法に長けたエルフが万全な状態でこれ程大きな物に掛ける妨害魔法に気付かない訳ないでしょう、甘いですね」


セシリアが言うように人一人とかならまだしもこの艦船とかはデカいもんね、それが一隻じゃなくて何隻もあるんだし。

それを魔法に優れたエルフが見れば気付くよね。


まぁそれはそれとして気になる事もあるけど。


「何で海見たんだろう」


遠見魔法で海を見た理由はなんだろうか、ゲネシスの大地を遠見魔法で見るならまだ分かるけど斥候の人が見ていたのは海らしいし……。


「念には念を入れて海の方も警戒するよう命令していたんですよ、もしかしたら魔術師隊が海から迂回して後方を後ろを取る可能性もありましたので。結果こうして艦隊を向かわせていたのを察知出来た訳です」


「おぉ、流石セシリア」


「ふふっ褒めてもチョコくらいしか出ませんよ」


「あっ一応出るんだ……」


こういう時って何も出ないのがお決まりじゃないんだっけ?

そんな風に考えていたら本当に後ろからチョコが差し出されてきたので有り難く頂戴する。


Crank《イチャイチャするのは構わんが油断はするなよ》


「い、イチャイチャなんてそんな……えへへ」


うん、可愛い。

セシリアが可愛いけど、気を引き締め直して敵艦隊を見る。


艦体の中に2隻、俺達が以前試作2型や一式の母艦として使用した艦と同じで全長にわたって長く広く確保された平らな甲板の船があった。


「平らの甲板の船が2隻、先にこれを潰そうか」


「航空母艦、空母ですね、了解しました」


Kudelia(クーデリア)《バナール2了解》


空母と呼ばれた船に向けて突っ込みミサイルを1発放つ。

命中したミサイルは甲板を破壊し炎上させた。

させたんだけど搭載されてるの人型らしくて甲板の一部が破損しても飛び立てるっぽいから早い所沈めたいな。


「1番最初に狙って沈めておくべきだったのかなぁ」


2隻の空母にミサイル攻撃したから既に甲板は使い物にならないのだが既に空へと迎撃に上がった人型や魔術師が複数居る。

人型、魔術師、そして艦隊の対空攻撃を避けつつもう一度ミサイルを放とうとした時、2隻の空母が大爆発を起こして海へと沈んでいった。


Teresa(テレサ)《どうやら空母内に搭載されている他の人型や弾薬に引火したようですね》


Sofie(ソフィー)《こっちの弾が節約出来てラッキーだね!》


空に上がっている人型の数が少ない事から空母の内部にまだ人型が居るのは分かっている、それに引火して内部で連鎖爆発が起こったんだろうね。

ソフィーが言うように此方の弾の節約になったから助かった。


fille(フィーユ)《お待たせ〜!》


フィーユ達リュミエール隊も合流した、これで魔術師達をフィーユ達に任せ、俺達は残りの艦隊と人型を相手する。



「ミサイルは使わずに正面から機関砲で人型の頭部を狙って!」


Kudelia(クーデリア)《難しい注文ですね!》


Victoria(ヴィクトリア)《けど……やってみる……!》


そう言いながらクーデリアとヴィクトリアが一式を動かし正面から人型の頭部に機関砲を撃ち込む。


Victoria(ヴィクトリア)《駄目っ!弾かれてるっ!!》


Kudelia(クーデリア)《っ!いえ!カメラの破損を確認しましたっ!》


そう、クーデリアが言ったように頭部は装甲で守られているとしても目となるツインアイまでは守られないからこっちの機関砲でもツインアイを破壊する事は出来るんだ。


Sofie(ソフィー)《カメラを破壊出来るのは分かったけどそれでも難しいよ!》


james(ジェームズ)《だがそれをやってのけてこそのバナール隊だろう!》


Teresa(テレサ)《やってみせますっ!》


次にジェームズ、ソフィー、テレサの3人が人型のカメラ破壊を行う。

3人共問題無く破壊に成功した。


「皆やっぱり技術が上がってるね」


Kudelia(クーデリア)《ふふっ褒めてもお茶くらいしか出ませんよ》


「お茶は出るんだ……」


Crank《良いぞ、敵性勢力の脅威が更に低下。このまま残存勢力を掃討しろ》


「了解」


banalTeam(バナール隊)《了解》


俺達はクランクさんの指示に従い、カメラが壊れ動きの鈍った人型を他所に主目的の敵艦隊の掃討に移った。


迎撃の要である魔術師はフィーユ達によって、人型はカメラを破壊された事で機能せず敵艦隊は抵抗虚しく全艦海へと還った。


「最後の敵艦の撃沈を確認しました」


Crank《良くやった、残りの魔術師と人型の無力化を━━まて、レーダーに新たに複数の反応だ》


セシリアの報告に応えたクランクさん、何かが向かってきているようだ。


「新手かな」


Crank《方位90から来ている事から増援の可能性が極めて高い。数は6、総員警戒を怠るな》


「了解」


banalTeam(バナール隊)《了解》


fille(フィーユ)《了解〜!》


魔術師達と攻防を続けるフィーユ達の様子をこまめに確認しつつ、俺達は人型を無力化しながら方位90から来る敵を待つ。


「来たかっ!」


東から来たのは一式に似た戦闘機。

互いにすれ違い、その直後に旋回する。


《ゲネシスはシャルル様とカトリーナ様を誑かし、裏切らせた。情け容赦は無用》


通信機から微かに聞こえるノイズ混じりの声。


「セラさんから情報が入りました。一式のデータを基に作られた戦闘機【二式】、系譜上一式の後継機の様です」


セシリアの読み上げた情報からするに、二式の性能は一式よりも上だろう。

気を引き締めないとね。


「また敵部隊は神血教会の戦闘機部隊 部隊名【god'shound(ゴッズハウンド)】……えっとこれは……」


「【神の猟犬】かぁ、また大層な名前だねぇ……でも機体に描かれたエンブレム見るに猟犬よりも狂犬の方が合うと思うんだけど……まずは1つ」


敵二式の背後を取り機銃を撃つ、弾丸は片翼の付け根に当たって翼が根元から千切れ墜落していく。


god's hound 6 《やられたっ!離脱しますっ!》


god's hound 3 《ハウンド6がやられた!》


god's hound leader 《やはり一筋縄ではいかないか……作戦は失敗、総員撤退せよ。繰り返す、総員撤退せよ。god'shound(ゴッズハウンド)隊は味方の撤退を援護するぞ》


god's hound 2 《了解》


敵の二式は依然変わらずに俺達に向かって来る中、敵の人型と魔術師隊が撤退を始めた。


Sofie(ソフィー)《敵が撤退してくよ!》


Victoria(ヴィクトリア)《兄様、どうする?》


「追撃はしなくて良いっ!二式に集中しよう、フィーユ達も撤退して!」


Victoria(ヴィクトリア)《了解》


fille(フィーユ)《了解!無理しないでねっ!》


さて、6対5とはいえ性能で言えば向こうの方が上、油断すれば一瞬の内に狩り取られるだろうね……。


god's hound leader 《あれだな》


「あれだね」


俺は5機の二式の中で特に動きの良い1機に目を付け、それに機首を向ければ相手も此方に向かって機首を向け、そして互いに擦れ擦れですれ違う。


god's hound leader《月女神のエンブレム……バナール隊隊長》


「狂犬のエンブレムに数字の1、やっぱりこの人がゴッズハウンドの隊長か」


そのまま互いに旋回。

この腕の良さ、クーデリアよりも上かもしれない。


god's hound leader 《此処で落とさせてもらうぞ!》


「皆はやらせない!」


god's hound 2 《隊長?!》


Kudelia(クーデリア)《エル?!》


god's hound leader 《手出しは無用!》


「クーデリア達は他の狂犬を!フィーユ達に近付けさせないで!」


慌てるクーデリア達を他所に俺はゴッズハウンドの隊長機と一対一で戦闘を始める。

後ろに付いた隊長機の射線から逃れつつ試作2型を加速させ上昇する。


「追ってきてます、引き離せない所から速度はほぼ同じかと」


「了解、コブラ機動」


「分かりました」


冷静に追い掛けてくる敵機を分析するセシリア。

俺は言葉少なに何をやるかだけ伝えセシリアもそれを理解してくれたのを確認出来たので直ぐに行動に移す。


機体姿勢を急激にピッチアップして迎角を90度近く取りつつ減速し相手を追い越させたら再び水平飛行に戻し隊長機の背後を取る。


god's hound leader 《背後を取られたか……》


「簡単に当てさせてはくれないかっ」


背後を取ったものの右に左に、時には機体を樽の側面を転がるように螺旋状に回転させるバレルロールと言う動きをして射撃を躱す隊長機。


そして遂には俺がやったコブラ機動で再び俺の背後を取ってみせた。


god's hound leader 《貰った!》


俺は上昇し、そこから旋回して急降下をして射線から逃れる。

雲の中へと突っ込み速度を緩めるながら進路を逸らす。


耳を澄ます。

ほんの一瞬、試作2型とは別のエンジン音が直ぐ傍で聞こえたのを確認して速度を増す。


雲を突破したその先に隊長機が居るのを確認。


god's hound leader 《後ろだとっ!?》


俺に後ろを取られたのを察して直ぐに回避行動を取られ、弾丸は再び外れた。


互いに反対方向に飛んだことで一時的に距離が離れるが直ぐに旋回して互いに向かい合う。


機銃の射程内までもう少し━━━


3




2




1━━━━━





god's hound 2 《隊長!味方の戦域からの撤退が完了しました、我々も撤退しましょう!》


Kudelia(クーデリア)《エルっ!フィーユ達は撤退しましたよ!!私達も撤退しましょう!!!》


god's hound leader 《っ!》


「っ!」


クーデリアからの通信で咄嗟に機首を上げて隊長機から逸れる。

相手も機首を下げていた事からほぼ同時に通信を受けたようだ。


god's hound leader《……了解した……月女神のエンブレム、次は落とす》


互いに数回旋回した後、隊長機が撤退して行ったのを確認した。


Crank 《敵部隊の撤退を確認、帰還してくれ》


「……了解」


クランクさんの命令を受け、俺はクーデリア達と合流し帰路についた。

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