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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第5章 混迷する情勢

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第47話 ディヴィニティ級戦艦

全ての人型戦闘機を退け、これからディヴィニティ級戦艦の相手を始める。


Beo《ディヴィニティ級戦艦の武装情報を送ろう》


〘確認しました、右手元のモニターに表示します〙


ココがベオから受け取ったディヴィニティ級戦艦の情報を右手元の小型モニターに映し出される。


先程潰した主砲にミサイル、機銃。

ミサイルは俺達の使うものと大差無いが主砲と機銃は俺達の使う物よりも威力が高い。

その理由は弾に魔力をコーティングする事で威力の底上げを行っている様だ。


だがその中で最も厄介なのは艦首にある魔力収束砲だろう。

魔力を収束し光線を照射する、その威力は試作2型や一式に取り付けられている魔力砲以上。


Beo《ディヴィニティ級の正面には絶対に出るな、艦首の魔力収束砲は一撃でイニーツィオを破壊できるからな》


「とんでもない威力だね」


ディヴィニティ級戦艦の正面を避け、側面側で立ち回る。


Beo《機銃、来るぞ》


ベオがそう言うと同時に側面に取り付けられている無数の機銃が此方に銃口を向け火を拭く。


弾丸の嵐をスラスターを吹いて移動して避けつつ滑腔砲と一緒に持ってきていた背中のロケット砲をライフルと持ち替え装備し構える。

未だに此方を撃ち続ける機銃に狙いを付けてロケット砲を発射、機銃を破壊していく。


中にはロケット砲が着弾する前に迎撃されたのもあるが気にせず発射しながらディヴィニティ級の後方へと向かう。


Beo《ミサイル、来るぞ》


ディヴィニティ級戦艦の後方上部からミサイルが順次上に発射され、反転して此方に向かってくる。


〘肩部30mm機関砲で迎撃します〙


左手元の小型モニターのウェポンシステムが操作され肩部30mm機関砲が選択されたのを確認。

向かってくるミサイルにイニーツィオを向き直らせ引き金を引く。


ばら撒かれる機関砲の弾丸に当たりミサイルが次々と爆発していく。


〘ミサイルの迎撃、成功しました〙


ミサイルの発射口は把握した、後で破壊しとこう。


「ベオってさ、まさかその船に乗ってたりしないよね?」


Beo《なぜそう思った?》


「攻撃予想にしては的確過ぎるし、まるでその船に乗っていてその船の攻撃をリアルタイムで把握してるように思える」


Beo《ふっ、リアルタイムで把握しているのは確かだな》


ベオはそう言って笑った。


俺はそのまま後方に進みディヴィニティ級戦艦の推進力装置に向けてロケット砲を発射する。


何発かロケット砲を推進力装置に撃ち爆発させ推進力装置破壊する事に成功。


ディヴィニティ級戦艦上部に着地、艦橋に向けロケット砲を発射して破壊し、上昇しミサイル発射口にロケット砲の最後の一発を叩き込む。


着弾し爆発した後、次弾を装填していたのかミサイル発射口で連続爆発が起こった。


ディヴィニティ級戦艦の後方はこれで壊滅。

後は艦首砲くらいだね。


ロケット砲を捨て再びライフルを装備。

艦首の上空から真下へと撃ち抜く。


大爆発。


恐らく魔力を溜めていたのだろう、その魔力が暴走し大爆発を起こしたようだ。


そのまま側面に周りライフルで撃ち抜いていき破壊していく。

撃ち抜かれた所から爆発が爆発を起こし、連続的に爆発が続く。


これで沈むのも時間の問題だろう。


気が付けば空は厚い雲に覆われ、また雲のない所から見える日は沈み行き、夕暮れ時だった。







《見事だ、エル》


Beoの機械声が肉声へと変わる、その声は俺の大っ嫌いな人の声だった。


「まさかあんた、なのか……ベオ、なんでっ」


通信機から聞こえるベオ……ハーゲンの声の他に爆発音や燃え盛る炎の音が聞こえる事からハーゲンは確実にあの船、ディヴィニティ級戦艦に乗っている。だがまだ助けられる。


《この数年、エルには父らしい事はしてやれなかったな、すまない。だが私はこの数年、本当に楽しかった》


「勝手な事を言うなっ!勝手に助けて勝手に死ぬなんて許さない!勝手に助けたんなら最後まで責任持ってっ!」


《私のことは気にするな、元より病でそう長くはない。》


「待ってよ!待ってくれよ!」


スラスターを吹かして壊れゆくディヴィニティ級へと再び接近する。


《ああ、最後に、君に寄辺が出来ることを祈る━━》


ハーゲンの位置を特定し、その場所に手を伸ばした瞬間、目の前一杯に光が広がり、そしてハーゲンとの通信はノイズ混じり、途切れた。


「あ……あ、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」


爆発の衝撃で機体が後方に吹き飛ぶ。


遠のくディヴィニティ級戦艦、ついさっきまでそこにあった部分は消滅し変わりに火災が発生していた。


ハーゲンの生存は絶望的だろう。


《なんて僥倖、なんて幸福なのだろうか、この場で会え、この手でお前を倒せるなんて》


そしてこの惨状の犯人がディヴィニティ級戦艦の上方から優雅に降りてくる。


白く気品を感じる人型戦闘機。


人は何時だって、手遅れになって初めて、思い知る。

ベオは、ハーゲンはもう助けられない。

敵の攻撃でディヴィニティ級戦艦が爆ぜたのだから。


右手にライフル、左手に魔力刃ブレードを持ち、脚部に小型の誘導ミサイルポッドが装備された人型。


garbage (ガーベッジ)《さぁ……殺り合おう我が子よ》


そのパイロットの名前を見て、相手が俺を売った親父である事を知った。







レスティナ・ヴァルドリンSide


私とアルティナには1人の兄が居た。

私達に優しく、困っていれば必ず助けてくれる兄。


そんな優しくて大好きな兄が居なくなったのは今から約4年前。

急に居なくなった事で私とアルティナは泣きじゃくり母に慰めてもらっていたのを覚えてる。


母は「すぐ帰ってくるからね」と言っていた。

父は母と違い「遠い所に行った、もう会えないだろう」と言っていた。


私は父より母の甘い言葉を信じた。

いつか帰ってくる兄を待って妹と一緒に毛布に包まって眠る日々を送っていた、そんなある日の夜。


父と母が言い争う声に私は目を覚まし、気付かれないように聞き耳を立てた。


そして、兄が居なくなった真実を知った。

あの優しい兄は、父が金の為に売り払ったのだ。


確かに兄が居なくなってから生活は裕福になった。

前住んでいた家よりも大きくて綺麗な家。貴族様達よりは小さいけど前の家からすれば十分大きい家に引っ越し、食事も以前より多めに与えられ、母がお金に困った様に頭を悩ませてる姿も見せなくなった。


母との言い争った次の日、父が家を出た。

何でも兄を売り払った組織に雇われたとか。

その後、父と別れる為母も私達を連れて家を出た。

あの家は父が購入した家、いつか父が帰ってくる家だからこそ母は家を出た。

嬉しくないけどお金には困らず直ぐに新しい家を見つけれた。


そして巷で酷い噂話を聞いた。


【大金目当てに家族を捨ててまで実験を受けた失敗作】


確証は無い、けれどその噂がなんとなく兄の事を指しているのでは無いかと思った。


母と私達は働きながら兄を探した、けれど何処に言っても兄の情報は得られなかった。


私とアルティナはその後、軍に所属する事にした。

理由は父に売られた兄を探すため、お金と軍の情報網が欲しかったから。

噂の出処も軍からによるものらしく、軍に所属すれば兄の居場所も直ぐに分かると思ってのこと。


そして私とアルティナはフィーニスの隊に回された。

恐らく父の身内であることを知られたからだろう。

父がフィーニスの組織に所属しているのは上官から聞かされていたので納得はしてる。


隊ではシミュレーションを用いて最新鋭の兵器の操縦訓練をやらされ、気が付くと私とアルティナがその新型の兵器のパイロットに選ばれた。


と言っても試作機だから戦場に出る事は無いだろうと考えていた。

私達の乗る6機の試作機は、たった1機の原型機から得た情報を下に作られた。

6機の試作機はより細かなデータ採取の為に生産されたと思った。

データを取るのに1機よりも多い方が良いだろうから。


その考えが甘いと思い知ったのはフィーニスがゲネシスへと宣戦布告した後。


ゲネシスと戦争となり妹と共に対ゲネシスの最前線へと送り込まれてしまった。


そして初陣の相手は私達の乗る6機の試作機、その原型機だった。


私と妹は機を見て逃げ出そうと思ってた。

けれど相手はたったの1機、対してこちらは6機と母艦の空中戦艦が1隻。

機体の性能も此方が上、だから直ぐに終わると思っていた。


けれどいざ始まってみたら相手はたった1機で私達を次々と倒していった。


そんな相手との戦いの最中、突如響いたアルティナの悲鳴。

そちらを振り向けば味方がブレードを逆手に持って掲げ剥き出しのコックピットに突き刺そうとしていた。


「っ……!」


兄に続いて妹まで失いたくない!

妹の下まで駆けようとする私よりも早く隣の彼が相手を撃った。


そこから彼と協力し、私はアルティナの救出に専念した。

コックピットで自身の身体を抱いて縮こまり泣きじゃくる妹を抱き上げ急いで自分の人型に乗り込む。


その間彼は私達を守ってくれた。

その姿に幼い日の兄の姿を重ねた。


そして私はその彼の言葉に従って逃げた。



「お姉ちゃん……ぐすっ……」


人型のコックピット内で私に泣き付くアルティナの頭を優しく撫で、操縦桿を握り直す。


ゲネシスに逃げたら私と妹は捕虜にされるでしょうけれど、私は隙を見て妹を連れて脱走する気だった。

逃げ出した先でも兄の情報を探すつもりだったから。


けれど、実際に私達を待っていたのは手厚い保護。


人型から降りた私達は拘束される事は無く、急いでシャワーを浴びさせられたかと思えば用意された服に着替えさせられ、魔法使いの人達に運ばれてエルフ領へと連れてかれた。


その先で待っていたのは有名な人達ばかり。



連合軍のエース部隊、リュミエール隊の隊長フィーユと補佐のエミリー。


地上のエース部隊にしてゲネシス最強と名高いプリュフォール隊の隊長ステラと副隊長サリーネ。


バナール隊のクーデリア達。


エルフの王女、セシリア様。


何より驚いたのは私達の住んでいたゲネシスの長。

セレーネ様が此処に居た事。


「もう大丈夫ですからね」


そう言ってセシリア様は私達を優しく抱きしめて下さいました。


聞いた所、私達が保護された理由は兄、エル・ヴァルドリンの妹だと言うこと。


何でもここに居る皆さんは兄の知人で、ゲネシスに単騎で侵入した私達の事を前もって知らされていた事から保護したみたいでした。

服を着替えさせられたのもフィーニスによる細工が施されている可能性を考慮しての事だった。

それもそうか、だってフィーニスとゲネシスは現在戦争中なのだからそう考えるのも可笑しくは無いもの。


私とアルティナはセシリア様直々にエルフの王城内を案内してもらいました。

残念ながら此処に兄は居ませんでしたが、それでもようやく……兄と、お兄様と再会する事が出来ます。


私は貸していただいた部屋のベッドに妹を寝かしつけました。


「もうすぐ会えますね、お兄様」


窓から見える外は既に暗くなっていました。

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