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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第4章 偽りの任務

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第44話 背後からの強襲

戦闘開始の合図は夜明けと共に、俺の試作2型の機銃掃射で告げられた。


俺に続く形でクーデリア達も機銃を掃射する。

何体もの四つ羽根が地上へと落ちていく。

此方に気付いたアンコニュが黒い光線を放つ。


操縦桿を操り放たれる幾つもの光線を潜り抜け機銃を放つ。


「ココッ!索敵を!親玉を探せ!」


〘お、親玉ですか!?〙


「そうだ!俺達の武装は無限じゃない、ならさっさとアンコニュのボスを見つけてそいつを倒して帰ればいい!」


機銃もミサイルも爆弾も有限だ、唯一弾数に限りがない魔力砲も魔力を消費する為使えば使う程飛ぶ為の魔力が無くなっていく。

だからこそ、早々に目標であるアンコニュのボスを見つける必要がある。


〘分かりました、直ぐに索敵します!〙


「聞いてたな!ココが見つけるまで耐えろ!」


banalTeam(バナール隊)《了解!》


俺達はココが敵を見つけるまで機銃掃射を必要最低限に押さえ回避する事に専念する。

俺は特にクーデリア達にも気を配り危ないと思ったアンコニュは躊躇せず引き金を引いて撃つ。


「ココッ!まだ!?」


〘すいませんっ!反応はあるのですがまだ見つけられず……!〙


痺れを切らしココに尋ねると焦った声が返ってくる。


Beo《こちらも反応は確認した》


ベオから通信が入った。

大きな反応がある事からどうやら此処に居るのは確かなようだが、その姿を見つけるには至らない。


「何処に居る……!」


そんな時、地上が大爆発を起こした。


「あれか……?」


大爆発による粉塵の中を蠢く巨体。

粉塵が消え、地中から出てきた鋼鉄鳥やイニーツィオをも超える巨大な物体が姿を現した。

その巨体からゆっくりと生み出される四つ羽根や地上のアンコニュ。


差し詰めアンコニュの巣窟の様だ。


「これが母体かっ!」


james(ジェームズ)《想像以上にデカいなッ!!!》


「だが姿が現したのは僥倖だなっ……重りの爆弾を落とすぞ!!!」


banalTeam(バナール隊)《了解!》


俺達は母体の上空へと進路を取り、機体に付けられた爆弾を投下する。


落とされた6つの爆弾は確かに母体の身体の一部を消し飛ばした。

次はミサイルだな!


〘Unknown接近っ!数5つ!!〙


「まさか、あいつらか!」


ココの言葉を聞き真っ先に脳内に浮かぶ姿、その姿と同じ物が俺の前を通過した。


5機の黒い一式。


こういう困った時に味方として来てくれる謎の存在。だが有り難い!


5機は俺達の周囲の四つ羽根を蹴散らした後、それぞれクーデリア達の補佐に就くようにその斜め後ろに付く。

どうやら黒い一式は俺達を迎撃しに来る四つ羽根を迎撃してくれるようだ。


これで母体に集中出来る。

武装を直ぐにミサイルに切り替え母体に照準を定め引き金を引き、ミサイルを放つ。


ミサイルは母体に直撃、爆発し今なお生み出し続けている四つ羽根諸共吹き飛ばす。


james(ジェームズ)《もう一発!喰らえ!》


Teresa(テレサ)《ミサイル撃ちます!!》


ジェームズとテレサが反転しミサイルを放つ。


james(ジェームズ)《俺はさっさと帰って飯をたらふく食うんだ!》


Sofie(ソフィー)《なら私はお出掛けするー!!!》


Victoria(ヴィクトリア)《私も早く帰ってお風呂入る》


「なんか皆急に喋るじゃん」


此処に来るまでの間無言だったのが嘘みたいに喋り始めた。

魔力残量がある内に母体を発見出来た事から心に余裕が出来たのかな。


「でも、そうだね……コイツを倒して皆で帰ろう」


banalTeam(バナール隊)《了解!!!!》


空に上る四つ羽根は黒い一式が相手してくれてる、その間俺達は母体を集中して相手できる。

俺達は母体にミサイルを浴びせ続ける、計24発のミサイルを浴びた母体はボロボロとなったが倒すまでに至らなかった。


〘中心部に反応!そこが母体の心臓部だと思われます!!〙


ココから齎された情報、だがミサイルは全て撃ち尽くしている。機銃では心許無い……いや1つだけ合ったな。


「魔力砲を使って心臓部を破壊する━━━」


〘━━っ!母体からエネルギー反応!回避━━〙


俺がそう言うと同時にココが叫ぶ。

咄嗟に操縦桿を引いて上昇する。


母体から全方位に放たれる黒い光の弾丸。



Sofie(ソフィー)Teresa(テレサ)《きゃぁぁぁぁ!?》


「ソフィー!?テレサ!?」


母体の黒い光の弾丸を避けきれなかったソフィーとテレサの一式が地上へと落下した。


Teresa(テレサ)《わ、私は無事ですっ!》


Sofie(ソフィー)《私も!》


撃墜されたテレサとソフィーの無事が確認出来た、俺は即座に通信機で指示を出す。


「クーデリア、ジェームズ、ヴィクトリア!テレサ達周辺の地上アンコニュを蹴散らせ!」


Kudelia(クーデリア)《了解!》


james(ジェームズ)《了解!》


Victoria(ヴィクトリア)《了解!!》


俺の指示に従い3人はソフィー達の周りに居るアンコニュの掃討に向かった。

クソッ!今まで攻撃してこなかったから油断していたっ!そうだ、相手はアンコニュ、未知なんだ!


俺は操縦桿の1番上、親指を乗せる所のカバーを外し中にあるボタンを押して魔力砲の充填を開始する。


【魔力充填率━0%】


画面に緑色の文字でそう表記されたのを確認した。

本来は大気中の魔素を集め魔力に変換するのだがここは要の地がアンコニュの手に落ちた場所、詰まり大気中の魔素が殆ど無い。

そうなると魔力砲は発射出来ない、仮に出来たとしても溜めるまで時間が膨大に掛かる。

ではどうするのか、この魔力砲は大気中に魔素が無い場合は機体の燃料である魔力を使用する様に設計されている、詰まり魔素が無くても機体に貯蔵されている魔力があれば問題無く撃てるんだ。


「っ!クーデリア回避!!」


Kudelia(クーデリア)《っ━━━!!!》


母体からの攻撃がクーデリア目掛けた放たれた。

吸い込まれるように黒い光線、当たる。

そう思った時、クーデリアの前に影が重なる。


クーデリアの前に躍り出た黒い一式に母体から放たれた黒い光線が当たり爆発を起こす。


「クーデリア!高度を上げろ!」


Kudelia(クーデリア)《駄目です、もう推力がありません……不時着しテレサ達と合流します!》


「っ……死ぬなよっ!」


Kudelia(クーデリア)《死ぬつもりは更々無いですよ!》


空に残ったのは俺、ジェームズ、ヴィクトリア。

黒い一式は4機。

ジェームズとヴィクトリアは引き続き地上の掃討、黒い一式は制空権の確保。


【魔力充填率━100%】


ようやく魔力砲が溜まった。

俺は機首を母体の心臓部に向け、魔力砲のボタンを離す。


魔力砲から赤い魔力の塊が放たれ、母体の心臓部を飲み込み大爆発を起こした。

心臓部を失った母体は活動を停止し、四つ羽根を生み出す事も止め、その肉体はボロボロと崩れ始めた。


「作戦成功っ!」


後はクーデリア達を助ければ……!


fille(フィーユ)《今助けに向かってるからもう少しだけ持ち堪えて!!!》


通信機からフィーユがそう伝えてくれた、これなら何とかなりそうだな。


Olivia(オリヴィア)《助けに来たわよ!!》


藤色の長髪にとんがり帽子を被りマントをはためかせネックラインが深く大きくカットされ肩と胸の上部を露出した黒いドレスを着たオリヴィアさんが現れクーデリア達の下へと向かった。


「いや早?!」


有り難いけど早くない?!


fille(フィーユ)《魔女さんに先行して救援に向かって貰ったんだ!!!》


前もってそう言う話をしてたのね。

これで一件落着かと思い俺達は一息つく。


だがその直ぐ後、悪い知らせが舞い込んできた。


Crank《イコル、フィーニスのゲネシスに対する侵攻、宣戦布告を確認した……また人型戦闘機も確認している……》


クランクさんからそう伝えられる。


「ココッ!イニーツィオを準備しろ!!!ジェームズ!クーデリア達を頼む!!!」


james(ジェームズ)《分かった任せろ!!》


相手に人型戦闘機が居るなら対応は同じ人型戦闘機でないと厳しい……つまりイニーツィオを操縦出来る俺しか相手出来ないと言うこと。

俺は即座に機首を返しゲネシスの南西基地へ向かう。オリヴィアさんが来たここはもう大丈夫だ。


恐らく元から侵攻計画は立てていたんだろう、それでゲネシスの主力を遠い西部戦線に送りゲネシスの守りを薄くさせる。

この奇襲作戦も仕込まれたものだったんだ。


途中でフィーユ達とすれ違いつつ俺は単身ゲネシスへと帰還し、修理と準備を終えたイニーツィオに急いで乗り込む。


「クランクさんは急いでエルフ領へ避難をっ!」


Crank《分かっている!気を付けろよ坊主!!》 


ゲネシスの南西基地でクランクさんと別れ俺はイニーツィオで急いで侵攻したフィーニスの部隊の所へ向かう。


俺の目的はステラ達がクーデリア達を助けエルフ領に戻るまでの時間稼ぎだ。


Beo《エル、相手は6体の人型戦闘機とその母艦となる新型の空中戦艦だ》


「空中戦艦って何?」


Beo《文字通り空飛ぶ戦艦だな》


「そんなもんまで開発してたの?!」


てか六試人型戦闘機計画って絶対この為の計画だろ!?


Beo《ちょうどいい、エル。証明しよう、ここで。お前が失敗作では無いことを奴等にっ!》


「証明云々は正直どうでも良いんだけど、まぁただではやられないよ」


Cecilia(セシリア)《ただで、ではありません、絶対にやられないで下さい。絶対に無事に私の下へと帰ってきて下さい!》


「……うん、分かってる。絶対にセシリアの下に帰る」


Cecilia(セシリア)《約束ですからね》


「うん、約束。」


セシリアと約束を交わし、俺は戦場へと侵入した。

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