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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第4章 偽りの任務

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第38話 エルフ中央基地への移動

セシリア、キューちゃんと共に俺はオリヴィアさんに魔法でエルフの国へと送って貰った。

その後オリヴィアさんと分かれ、頭にキューちゃんを乗せセシリアと手を繋いで王城へと入り女王であるローザさんとセシリアが話をする。


俺はその横でただ座って話を聞くだけ。

ローザさんの横に座っているエルミアちゃんと目が合った。手を振ってきたので振り返す。


「いひゃい!?」


「話聞いてますかエル?」


凄く良い笑顔で此方を見ながら頬を抓ってくるセシリア。


「すいません聞いてなかったです」


「まったく……良いですか、お母様に事情を説明し許可を頂けましたのでこれで問題無く移動が出来ます」


「ありがとうございます」


「いえ、娘共々助けて頂きましたのでこの位は協力させて頂きますわ」


お礼を言えばローザさんは微笑みながらそう言ってくれた。

今回はローザさんとエルミアちゃんに加えセシリアもドレスを着用しているのだが……。

エルミアちゃんは前と同じ様な綺麗なドレスだから良いけど、ローザさんとセシリアのドレスが凄く薄い生地なのか普通に素肌が見えてるんだけど。

なに、これが普通なの?

いや絶対違うでしょ、じゃなかったら前回のドレスも薄いでしょ。

多分だけどわざわざこの薄いドレス着るために人払いしてるし。

人払いに関してはセシリアが言ってたから間違いない。


「それにしてもイコルとフィーニスが……」


「はい、今回の索敵の妨害と言い、絶対何か企んでいると思います」


人の気持ちなど知らずにローザさんとセシリアは話を続けている。

気を紛らわせる為に私も話に参加しよう。


「ベオ曰くシャルルさん、カトリーナ、テレサは問題ないとは言ってたよね」


「ええ、怪しいのは軍上層部かと」


俺の言葉にセシリアが頷く。

連合軍上層部、特に過激派と呼ばれる上層部はイコル、フィーニスとも仲が良いと聞く。


「そうなるとゲネシス内部も怪しくなるね」


「私達も相手の動きに注意しなきゃいけないわね」


ローザさんの言葉に全員が頷く。


「さて、面倒な話は一旦ここまでにして……水浴びに行きましょう」


「水浴びですか、良いですね!」


ローザさんの提案にセシリアが目をキラキラさせて答えた。水浴びが好きなんですね。

そうして3人は着替えを始める。俺はその間部屋の外でキューちゃんと戯れて待つ。

普段の軍服と透けてない美しいドレスに着替えてきたセシリアとローザさんが部屋から出てきた。


「エルも神秘の泉で一緒に水浴びしましょう!」


「しません」


そう言ったが但し見張りとして俺は連れてかれた。


エルフの国・要の地。


力を取り戻した神秘の泉は透き通る綺麗な水で満たされていた。

管理が王族に戻り立ち入りが出来なくなったこの場所で俺はセシリア達の水浴びの見張りをする事になってしまった。


岩を背に、キューちゃんを頭に乗せ見張る俺の直ぐ後ろでセシリア達が水浴びをしてる音が聞こえる。

無論水浴びしてるから衣服は全て脱いでいる為全裸である。


「エル君も入らない〜?」


「入りません」


セシリアの次はローザさんが誘ってきたが断る。

何故そうも一緒に入りたがるのか、私には分からない。


セシリア達からの誘惑に耐え無事に水浴びは終わった。


一度ローザさん達と分かれ俺とセシリアはオリヴィアさんに運んで貰いゲネシス南西基地へと向かった。

通信機を使わない理由はイコルとフィーニスによって何らかの方法で内容を盗み聞きされない様にする為。


一応セレーネさんとオリヴィアさん達が傍受されない様にする装置を開発してるとは聞いてる。


南西基地に到着しクランクさん、ステラ、フィーユ、クーデリアと各隊の隊長に許可が得れた事を伝えた。


その日の夜からエルフの中央基地への移動の準備を夜に行う。


「周辺の探りを入れていた同胞から連絡が入りました、周囲に監視役は居ません」


セシリアがエルフの仲間を動かし周囲に監視の目が無いことを確認した。


「まず必要な物を木箱に移しましょう」


ステラの指示の下皆で木箱に物を詰めていく。

弾薬、回復薬、食料。また最新機器等も詰めていく。

それを何日かに分けて、夜の闇に紛れ馬車で運ぶ。


またカモフラージュの為通信機と索敵装置はそのまま残しておくことになった。

まぁ通信機と索敵装置はこっちで最新式のを作って既にエルフ中央基地へと運んだから問題はない。


整備員さん達の移動は過去にあったからこれも問題はないだろう。


南西基地をもぬけの殻にしようとも思ったが誰かが訪れた際に誰も居ないとかえって怪しまれる為クランクさんに何時も通り残っててもらう事にした。護衛にオリヴィアさんとリュミエール隊のお姉さん達数名を残す。

何かあればオリヴィアさんに連れてきて貰いつつリュミエール隊のお姉さん達がその護衛をすれば問題はないはずだ。


また有事に備えエルフ領内のゲネシス方面に防御陣地を幾つか作成する事にした。

念には念を入れて作成した防御陣地は草木で覆い隠しておく。

魔法による幻影も考えたが腕の良い魔法使いや魔術師達だと一目見ただけで気付く可能性が高い為却下となった。


またローザさんの許可を得て中央基地の地下にイニーツィオや一式等の修理工場を建築。

普段はゲネシス南西基地で全て行っていた修理などがエルフ国内の基地で行われると探りを入れられそうだからね。

これで過激派の目から逃れられるはずだ。


次に試作2型と一式の移動を行う。

これもエルツ国奪還に向けての準備という事で怪しまれはしないだろう、現に奪還作戦の制空権確保に出撃するし。


イニーツィオはまだ修理中なのでそのまま南西基地に置いておく。

修理と言っても装甲等は既に終わっており今はココにシステム周りの点検を行ってもらってる。


そうなると鋼鉄鳥の相手が厳しくなるが、あいつが水中で息が出来ない事が判明しそれはリュミエール隊等に教えてあるので魔法使い達による水魔法で頭部を覆い窒息死を狙う方向で考えてはいる。


今回のエルツ奪還は空からの索敵が肝心になりそうだね。


「こんな感じでしょうか」


「うん、これでもう大丈夫だと思うよ」


セシリアと互いに確認し合う。

整備員さん達の移動も最新機器の移動も問題無く終わった。

自分達の荷物も運び終えたしもう良いだろう。


セレーネさんとオリヴィアさんが作ってくれた妨害装置で俺達の通信が漏れる心配も無くなったし。妨害装置は通信機に装着する形式だ。


「あ、いや、まだ1つやり残したことがあった」


「何かしら?」


セレーネさんが首を傾げた。


「クランクさんの心残りであろう妹さんをエルフの国に連れて来ようかと」


クランクさんは妹さんの病気を治すために纏まった金がいるって話だった。

その妹さんの病気が治ったと聞いた事はない。

まぁ治ってようが治ってなかろうがゲネシスに居ると何かあった時に人質にされる可能性があるし。

クランクさんは素性も知られてるからね。


取り敢えず通信機でクランクさんと連絡を取る。


「クランクさ〜ん」


Crank《エルか、どうした?》


「1つ聞きたいことがあって、妹さんって治ったんですか?」


Crank《いいや、まだ治ってない。病状は良くなっているが完治には至ってないな。金は合っても治すための素材が貴重らしく中々進まないんだ》


「なるほど……あ、そうか。クランクさん、妹さんの治療ついでにエルフの国に避難させません?」


Crank《避難させたいのは山々だが……まだ遠出が出来るような体調では……。いやまて、治療と言ったな?どうするつもりだ?》


「奇跡で治せばいいじゃんと今思いまして」


Crank《……いやありがたいが良いのか?》


一瞬考えたクランクさん、俺の考えを理解し申し訳無さそうに聞いてきた。


「いつもお世話になってますし良いですよ」


Crank《助かる、明日くらいにでも会いに行こうと思ってたんだ。一緒に行くか?》


「行きます」


「私も行って良いですか?」


Crank《セシリアもか、良いぞ見舞いが多い方がコレットも喜ぶからな》


妹さんの名前はコレットさんと言うらしい。

明日3人で見舞いの約束をして会話を終えた。





翌日、俺とセシリアはクランクさんに案内され聖都の医療施設に来た。

申し訳無いけどキューちゃんはエルフの王城のセシリアの部屋でお留守番だ。

なんでセシリアの部屋かって?何故かセシリアと同室にされたから。

聖都までの送り迎えはオリヴィアさん、本当に助かる。


「待たせた、行こうか」


クランクさんが受付を済ませこちらに来たのでセシリアと共に後を付いて行く。

そしてコレットさんが居る病室の前に辿り着いた。


「来たぞコレット」


「いらっしゃい兄さん」


病室に入り挨拶を交わす声が聞こえる。


「今日は俺以外にも見舞いに来た人が居るぞ、エル、セシリア、入ってきてくれ」


クランクさんに呼ばれ俺とセシリアは病室へと入る。

どうやら個室らしく他に人は居ない。

その部屋のベッドの上に寝そべる三つ編みの少女が此方を見る。


「初めまして、コレットと申します。貴方達がエルさんとセシリアさんですね、兄から良く話を聞かされてます」


そう良いコレットさんは微笑んだ。


「「初めまして、コレットさん」」


普通なら雑談とかするんだろうけど時間を掛かる可能性もあるし早速本題に入ろう。


今からやる事は他の人にバレると面倒なのでセシリアに部屋の扉を閉めてもらう。

窓もカーテンを閉めた、準備完了だ。

俺はコレットさんの際に寄り、手を翳す。


「?」


コレットさんは不思議そうに俺の手を見つめる。

翳した手に力込めれば数秒後に蒼白い光が灯る。


「コレットさん、調子はどう?」


奇跡の行使を終えそう聞いてみる。

先程より顔色は良い、後は本人しか分からない。


「凄く身体が軽いです、手も足も動かせます。何より気怠さが無いですっ!」


「クランクさん、完治したかも」


「あ、あぁ……そうか……治ったんだなっ……!」


様子を見ていたクランクさんは右手で目元を押さえた。

今は二人っきりにした方が良さそうだね。

俺とセシリアは2人病室の外へと出る。


「お疲れ様でした、エル」


セシリアはそう言って俺の頭を優しく撫でてくれた。


念の為にコレットは数日入院し、問題が無いことを確認して退院。

今はエルフの国の中央基地に身を寄せているよ。

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