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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第3章 拡大する戦線

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第36話 離島上陸作戦3

島の反対側に突如現れた鋼鉄鳥。

その足元には大きな窪みが出来ていた。


「嘘……索敵装置に反応は無かったですよっ!?」


fille(フィーユ)《やっぱり妨害されてるんじゃないの?!皆急いで撤退するよ!》


上陸していた地上部隊も慌てて上陸用舟艇に向かって走り出していたその時。


「っ!止まれ!!!」


《━━━━━━━━━!!!!》


鳴き声と共に放たれた赤い光線。

それは寸分違わず上陸用舟艇を貫き破壊した。

これで上陸部隊の脱出は不可能となってしまった。


Stella(ステラ)《っ》


通信機越しにステラの息を呑む音が聞こえた。

不味い……


「ココ!急いでイニーツィオを持ってこい!!!」


〘っ!了解!〙


ココに頼んでイニーツィオを自動操縦で戦場まで輸送してもらう。

慌てていた為つい言葉が荒れてしまったが許して欲しい。


「バナール隊!奴の気を此方に引く!援護しろ!」


banalTeam(バナール隊)《りょ、了解っ!》


イニーツィオの到着まで時間が掛かる、だがこのまま何もせずに居たらステラ達がやられてしまう。

試作機と一式に装備させてあるミサイルならそれなりに痛手を与えられる、それでこちらに気を引けばっ!


照準を定めミサイルを放つ。


《━━━━━━━━━!!!!》


着弾確認。

爆発と共に鋼鉄鳥は鳴き声をあげた。

視線を俺に向けたと思ったが直ぐにステラ達の方へと向き直る。


クーデリア、ジェームズとミサイルを放つ、そしてテレサの時にようやく鋼鉄鳥は俺達に視線を向け続ける様になった。


「計6発のミサイルでようやくこっちを危険視したか」


「ですがまだまだ元気ですよっ」


Beo《本当に頑丈さが厄介だな》


だがこれで時間稼ぎが出来るだろう。


「フィーユ、今の内にステラ達を拾って」


fille《了解》


地上に居るフィーユ達がステラ達を連れて離脱を図る。

また母艦からも数部隊の魔法使い達やオリヴィアさんが向かったと知らされた。

ステラ達は自分達の撤退を後回しにして地上のアンコニュを相手して他の地上部隊の撤退を援護してる。

全ての地上部隊の撤収が完了するまで鋼鉄鳥の意識をこちらに集中させたい。


俺達は一人一発ずつ、鋼鉄鳥の意識がステラ達に向く瞬間にミサイルを撃ち込む。

このミサイルが鋼鉄鳥に取って脅威である事は分かった、だからアイツはミサイルを受けた数分間意識がこっちに向く。

だがこれも何時まで続くか……ミサイルの数も限りがある、またミサイル全てを撃ち込んでも鋼鉄鳥を倒せはしないだろうし。


鋼鉄鳥の意識がステラ達に向く度に何度も何度もミサイルを放つ。

だが奴は次第に此方を気にする時間が短くなり━━━━


james(ジェームズ)《ミサイルが尽きたっ!》


Victoria(ヴィクトリア)《もう私達の事は見向きもしないっ》


全員のミサイルが尽き、ついに鋼鉄鳥は俺達を気にすること無くステラ達の方へと歩き始めた。


Stella《エル、私達は良いから撤退してっ!》


「馬鹿言うな!見捨てるなんて」


Stella《貴方達まで失う訳にはいかない!撤退しなさい!わ、私達は大丈夫だから……!》


そう言うステラの声音は恐怖からか、震えていた。大丈夫な筈がない。

囚われていた幼いあの日、恐怖に震えていたステラとサリーネの姿が脳裏にちらつく。


「エル……」


セシリアからも心配する声が聞こえる。



どうすればいい?


どうすれば助けられる?


試作機も一式もミサイルは撃ち尽くした、鋼鉄鳥の意識を此方に向ける術が無い。

鋼鉄鳥は恐怖を与えるかのようにゆっくりとステラ達の方へと進む。


もう助けられないのか……?


見捨てるしかない……?


囚われていたあの時と違い、今の俺は何も出来ない。



〘お待たせしました!マスター!!〙


「!!!!!」


もう駄目だと思った時、ココの声が聞こえた。

予想以上に到着が速い!


「一体どうやって?!」


セシリアからも驚きの声が上がる。


〘セレーネ様が奇跡を使用して装備換装を素早く終わらせ、またイニーツィオの速度も速めて頂きました!!!〙


なるほど、セレーネさんが奇跡を使ってくれたお陰で到着時間が大幅に速まった様だ。


またイニーツィオは俺の選んだ大型の武装コンテナのバックウェポンユニットの代わりに速度を大幅に上げるブースターユニットを背後に装備していた。


〘勝手な装備変更、申し訳ありません〙


「いや助かった!オッ、魔女さんちょっと来て!!!」


ココにお礼を言いつつ試作機の操縦を自動操縦へと切り替え、速度を低速にする。

またオリヴィアさんの姿が見えたから通信機で呼ぶ。


「ココ!イニーツィオのコックピットを開けて!」


〘まさかっ飛び乗るつもりですか!無茶ですよ!?〙


「やるしかないでしょ!つべこべ言わずにイニーツィオのコックピット開けて!!!魔女さん!セシリアをお願い!!!行くよ!キューちゃん!!!」


「キュー!」


ココが俺が何をやろうとしてるのか気付いたが今は一刻を争う。試作機のコックピットを開け魔女さんにセシリアを頼む。


「ちょっ!?エル━━━」


セシリアの止める声が聞こえたが既に遅く俺はコックピットから飛び降りた。


「ああもうっ!また無茶して!!」


オリヴィアさんが直ぐに風魔法を掛けてくれた。

服の中に入っているとは言え万が一がある為キューちゃんを抱きしめながら空を滑空してイニーツィオに近付く。


空中でイニーツィオの開いたコックピットを掴み乗り込む。

直ぐにコックピットを閉じてセシリアを確認、オリヴィアさんにお姫様抱っこされているので問題ない。


そのままステラ達の前に向かって降下。

鋼鉄鳥を気にしつつ左の小型モニターより武装を確認する。

試作型ブレードにマシンガン、ロケット砲がある事を確認。

今装備されているのはマシンガン。

直ぐにマシンガンからロケット砲に変更。

ブースターユニットは重しになる為直ぐ様外す。


ロケット砲を肩に担ぎ、照準を合わせ発射。


《━━━━━━━━━!?!?!?》


ロケット弾の直撃を受けた鋼鉄鳥から悲鳴が上がる。

流石一式のミサイルよりも高火力のロケット砲である。

また鋼鉄鳥は今までに計24発ものミサイルを受けてその硬い外殻もかなりボロボロになっている。

そこに高火力のロケット砲が撃ち込まれたのだから堪ったものではないだろう。


そのまま高火力ロケット砲を撃ちながらステラ達を守る様に降り立つ。

鋼鉄鳥は動きが止まった。


互いに様子見が続く、そんな中フィーユ達が戻ってきた。


「フィーユ!今の内にステラ達をお願い!」


fille《任せてっ!》


フィーユ達が最後に残ったステラ達プリュフォール隊の面々を抱きかかえる。

その瞬間鋼鉄鳥が鳴く。


fille《っ!?》


その鳴き声に反応してフィーユやエミリー、リュミエール隊のお姉さん達の動きが止まってしまう。


俺は左手に試作型ブレードを構え、ブースターを吹かして鋼鉄鳥に接近しブレードを振るうと鋼鉄鳥は鳥の羽に当たる部分を動かしブレードを受け止めた。


「行けぇ!早くっ!!」


fille《っ!皆行くよ!》


Sarine(サリーネ)《待って!エルが!》


Stella《冷静になりなさいっ!私達が居たら却って邪魔よ!!》


Sarine《っ……エル!死なないでよ!》


「こんな所で死ぬつもりは無いよ!」


メインモニターの左下、後方のモニターでフィーユ達によってステラ達が無事に離脱した事を確認しつつ鋼鉄鳥を相手する。


「試作型ブレードではあの硬い外殻は斬り裂けない。狙うならやっぱりロケット砲か」


〘ですがもう簡単に狙わせてはくれませんよ〙


それもそうでしょう。試作2型や一式のミサイルは誘導したから良かったがこのロケット砲は誘導性能は無いからね。

この鋼鉄鳥もロケット砲が脅威と思ってか距離を離さないようにしてくる、お陰でロケット砲を構えれば直ぐに羽根で弾いて来る為照準が合わない。撃とうと思って離れれば直ぐに距離詰めてくるし。

ステラ達を守る為接近した訳だが、まさかコイツそこまで計算したのか?


ブレードとロケット砲を防ぐ為両方の羽根を広げている鋼鉄鳥に牽制で肩部30mm機関砲を放つもやはりその外殻に弾かれる。

鋼鉄鳥は仕返しと言わんばかりに頭突きを放ってきた。


Kudelia(クーデリア)《エルッ!?》


「問題ない!」


頭突きを食らった仕返しに鋼鉄鳥の胴体を強く押し込む様に蹴る。

後ろに後退る鋼鉄鳥に追い討ちでロケット砲の最後の一発を放つが跳躍して避けられる。


「よく飛ぶなっ」


そのまま鋼鉄鳥が踏み潰そうとして来るのを後ろに下がって避ける。

弾の無くなったロケット砲を捨て右手にブレードを装備し直しつつ左手でマシンガンを持つ。


マシンガンは滑腔砲よりも小さい為効果はほぼ無いだろう、牽制位にはなると良いけど。


マシンガンを連射して鋼鉄鳥に接近。

予想通りマシンガンの弾丸は外殻に弾かれている、鋼鉄鳥も気にした様子もない。

牽制にもならんか。


こうなればただの重しなのでマシンガンをその場に捨てブレード一本で鋼鉄鳥へと向かう。


そこでふと思い付いた事を実践してみる。


俺はイニーツィオで鋼鉄鳥を掴んでブースターを吹かし、島から押し出して海中へと入る。

相手は生命体、なら水中で息は出来ないんじゃないだろうか。


〘何してるんですかっ!イニーツィオは海中を想定して作られていないんですよ?!〙


ココの言うと通り、イニーツィオは海中、水中を想定されて無く、コックピット内に警告音が鳴り響く。

それでも成果が無いわけでは無い。


モニターに映る鋼鉄鳥は息が出来ないのか藻掻き苦しんでいる。

このまま待てば相手はいずれ死ぬだろう、だかその間に此方も手遅れになる可能性が高い。

折角追い詰めたのに泳いで陸に上がられたら骨折り損のくたびれ儲けだ。

今の内に仕留める。


ブレードを構え外殻と外殻の隙間を狙って突き刺す。


痛みに口を開けた鋼鉄鳥、その口から酸素が漏れ出ていくのが分かる。

ブレードを引き抜き未だに開いている口に深く突き刺す。


〘鋼鉄鳥の反応の消失を確認!早く上がって下さい!!〙


ココに叱られたのでブレードを引き抜き鋼鉄鳥を蹴りその反動で浮上する。


鋼鉄鳥は動くこと無くそのまま海底へと沈んでいった。





戦闘を終え浜辺でイニーツィオから降りる。

イニーツィオは点検、修理の為ココの操作の下ゲネシスの基地へと帰っていった。


「エルッ!!!!」


撤退していたステラが戻って来て駆け寄ってきた、俺は抱き留めようとそちらに身体を向けた。


「ん?!」


「ん……チュッ」


すぐ目の前にある目を閉じたステラの顔。

口に柔らかい感触を感じる。


「助けてくれてありがとう、エル」


離れそう口にするステラ。

その頬は赤みを帯びていた。

俺は顔が熱くなるのを感じた。

きっと俺の頬も赤くなっているだろう。





結果として上陸作戦は一時中止となった。

離島の奪還の目処が立ったことでフィーニスの誇る主力部隊と冒険者達に制圧させたいとの事。

島は元々軍事基地、フィーニスは入って欲しくないようだ。

そうして俺達はその主力部隊が来るまで浜辺の上陸地点の防衛に当たった。


「ステラじゃねぇか!今夜二人っきりで一杯どうだ!」


「お断りさせてもらうわ。何時も言ってるけれど私は好きな人が居るもの」


ステラはそう言ってしつこく誘ってくる男に断り俺達と一緒に舟艇で母艦へと帰還した。


話に聞くにステラやサリーネは結構人気らしい。

そりゃ美少女だからね、2人共。


「人気なのも考えものよ、興味が無いって伝えてもあんな風にずっと誘って来るし」


「あと良く身体見てくるよね〜胸とか」


「そうね、気付かれてないとでも思ってるのかしら」


ステラとサリーネのそんな話を聞きながら俺達は任務を終えてゲネシスへと向かった。


ちなみに島を手中に収めた後、シャルルさんと一緒に行き奇跡を行使して要の地の機能を復活させた。

読んで下さってありがとうございます!


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