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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第2章 解放への幕開け

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第27話 アルトゥン鉱山奪還及び防空戦

エルツ国・アルトゥン鉱山前線基地。

アルトゥン鉱山の奪還作戦の当日。

天気は生憎と雨。

作戦は延期なんてことは無く、間違いなく行われるのだが……。


「サリーネ〜まだ寝るの?」


「うぅん……もう少し……」


現在俺はサリーネの部屋のベッドでサリーネに抱き枕にされてます。

まだ作戦まで時間があるのだろう……多分。


「エ〜ル〜」


「んむっ?!」


強く抱きしめられたことでサリーネの胸に顔を埋められる。柔らかな感触に顔が包まれた。

というかこの娘服ぐらい着てほしい、なんで下着なのさ。


「こ〜ら〜逃げるなぁ……」


逃れようと藻掻くと今度は両足まで絡めてくる始末。

……まぁこれまで頑張ってた訳だし、少しくらい好きにさせても良いか……。


「〜♪」


こちらからも背中に腕を回せば嬉しそうな声が聞こえた。

サリーネと2人で眠って過ごす時間はステラがサリーネを起こしに来るまで続いた。







ステラに叩き起こされたサリーネと分かれた俺はセシリアと共に前線基地の格納庫内に停めた試作機に乗って待機していた。


こんな天気だが航空支援は必要で何時でも出撃できるように準備している。


「補助システム良し、残弾数良し、推進装置良し……」


前面に表示される補助システムと残弾数の表示、推進装置に問題が無いことを確認。


「武装の確認を」


「了解、機銃、機関砲良し。ミサイルチェック、問題なし」


セシリアと共に試作機に装備されている武装に問題が無いかの確認を終える。


「皆聞こえる?」


Kudelia(クーデリア)《バナール2聞こえます》


james(ジェームズ)《バナール3問題なく聞こえるぞ!》


Sofie(ソフィー)《バナール4聞こえるよ!》


Victoria(ヴィクトリア)《バナール5聞こえる!》


Teresa(テレサ)《バナール6聞こえます!》


「良し、通信機も問題無いね」


通信機に問題が無いことも確認。


「エル、出撃しますよ」


「了解」


「キュー」


セシリアの言う通りに格納庫から試作機を発進させる。

格納庫から出ればコックピットのガラスを雨が強く叩く。


「久々の雨の中の飛行だね」


Kudelia 《私達は初めてですね……》


通信機越しに聞こえたクーデリアの声は何処か不安気に感じ取れた。


「初めてだと不安だよね、大丈夫。補助システムがあれば見失う事は無いから俺の後ろをちゃんと付いてくるんだ」


Kudelia 《了解……》


雨の中では視界不良で見づらいが今は補助システムがある為幾らかマシのはずだ。

以前、補助システムがまだ無い頃に飛んだ時はアンコニュの発見は遅れるわすぐ見失うわで大変だったからね。


Crank《バナール1離陸を許可する》


「バナール1了解」


離陸許可が降りたから直ぐに空へと上がり基地周辺で旋回をしながらクーデリア達の様子を見守りながら待つ。


皆危うげなく飛び立ち合流を果たした。


地上をチラリと見れば皆雨を防ぐ為の防水性のコートを着て進軍している。

また空にいる魔法使い達も同じく防水性のコートを着用してる。


「フィーユ、エミリー風邪引かないでね」


fille(フィーユ)《大丈夫だよ〜》


Emily(エミリー)《仮に風邪引いたらエルに温めて貰うから》


Sarine(サリーネ)《残念、エルは私を温めるから空いてないよ》


Stella(ステラ)《貴女さっき一緒に寝てたじゃない》


「《《《《《《は?》》》》》》」


ステラの言葉に一斉に圧が放たれた。

なんなら後ろから通信機越しじゃない生の圧が感じ取れる。


「エル?私聞いてませんよ?サリーネを起こしに行ったんじゃ無かったのですか?」


Stella《遅かったから様子を見に行ったのだけれど、そしたら二人してベッドで寝てたわよ》


Emily 《羨ましい……》


そんなに羨ましいだろうか……。


そんな風に話をしながら地上部隊の援護をする。


「こうも視界が悪いとアンコニュの発見が難しいですね」


「これでもまだ補助システムがあるからだいぶ楽なんだけどね……ほら来たよ!」


補助システムがアンコニュの存在を知らせてくれた。


「蹴散らすぞ」


banalTeam(バナール隊)《了解!》


アンコニュに対して機銃掃射をしながらすれ違う。

俺はそのまま機首を上げ雲の中へと突入し旋回、クーデリア達の様子を見て助けに向かう。


Teresa《ありがとうございます!》


後ろに付かれたテレサを助け、そのままソフィー、ヴィクトリアと助けていく。


クーデリアとジェームズは大丈夫だな。


「地上部隊は……大丈夫そうだな」


空から攻撃を受けてる所は無い。

地上部隊を気にしつつ制空権を確保しなきゃね。


Victoria《アンコニュの増援を確認》


「了解」


新たに現れたアンコニュの掃討へと向かう。


fille 《エルッ!新種だ!》


フィーユの声とほぼ同時にそいつらは現れた。

見慣れた黒い四つ羽根では無い。そいつはまるでこちらの一式の姿を真似た様に羽根を2本、左右に伸ばした鳥のような姿をした異形の生命体。それが2体現れた。

何よりそいつらは早く、フィーユが言い終わる前に試作機の横を通り過ぎた。


「セシリア、自身に強化魔法と保護魔法を掛けて。全速力で飛ばすから。あと操縦に集中したいからミサイルとかはセシリアに任せるね」


「分かりました、エルへの魔法は?」


「俺は無しで良い、強化とかで耐えると感覚がズレるから」


「分かりました」


セシリアが自分に魔法を掛けた後、俺は試作機の出力を全開にする。

身体に掛かるGが増大する。


「新種2体、付いてきます」


「コブラ機動ッ!」


「了解」


セシリアにこの後取る行動を素早く伝える。

タイミングを見計らって背後を取ってきたアンコニュに対して機体姿勢を急激にピッチアップして迎角を90度近く取りつつ減速し、アンコニュを追い越させその背後を取り再び水平飛行に戻す。

即座に最大速力まで加速し補助システムでアンコニュに狙いを付ける。


「今ッ!!!」


「ミサイル発射!!!」


俺の合図にセシリアが即ミサイルを発射する。

誘導するミサイルは狙いを付けたアンコニュを追尾しその身体に着弾して爆発を起こした。


「残り1体です!」


最後の1体に照準器を合わせ機銃を掃射し撃ち落とす。


「敵の撃墜を確認」


fille 《エル無事?!》


「無事だよ、今からそっちに戻るね」


高機動型のアンコニュとの戦闘で皆からだいぶ離れてしまった様だ。周囲に気を付けながら皆の下へと戻る。

この日、新種の高機動型とは会うことは無く俺達は一度前線基地へと帰還した。







俺達は基地にて補給をしつつ情報を共有する事にした。

この前線基地は戦場がすぐ目の前と言うこともあり整備員さんは連れてきていないからね。

クーデリア達が整備の仕方を覚えたのは本当に助かる。


「黒い双翼は四つ羽根とは比較にならないくらい速いね」


「エルは良く狙い付けれましたね」


「慣れてるからね」


「慣れ……ですか?」


クーデリアの言葉にそう答えると皆困惑した。


「エルは暇さえあればシミュレーションや試作機で高速で飛んでましたからね」


流石セシリア、良く知ってる。


「今回のでデータ取れたしシミュレーションに反映してクーデリア達にも訓練してもらうね」


「分かりました」


後はフィーユ達にも慣れてもらった方が良いかもね。


「にしても何故急にあんな新種が出てきたのでしょうね?」


「さぁ、アンコニュにも知恵とか知識とかがあるのかもね」


首を傾げるセシリアにそう答えると皆が顔を引き攣らせた。


「もしそんな知能があると厄介極まりないんだけど……」


顔を引き攣らせながらフィーユがそう呟いた。

うん、俺もそう思うからたまたま現れただけであって欲しいな。


現在地上部隊はアルトゥン鉱山の内部に進入出来たそう。先程空で新種に遭遇した事とそれに伴い地上にも新種が現れる可能性がある事は伝えておいた。

この後、特に問題はなく1日の終わりを迎えた。


翌朝。


雨こそ止んだものの空は未だ雲が覆っている。

引き続き今日も空の警戒にあたり、地上部隊はアルトゥン鉱山の奪還を再開する。


「敵発見、四つ羽根ですね」


セシリアの言葉に従って現れた四つ羽根の集団を蹴散らす。

昨日新種と戦ったから凄く遅く感じる。


両翼の機銃で四つ羽根を倒し周囲に敵が居ないことを確認する。


「クーデリア達は?」


「ここから少し離れた所でリュミエール隊と共に戦闘中です」


「了解、助けに向かおう」


「少し待ってくださいね……方位90です」


セシリアの指示に従って飛び、クーデリア達の姿を見つける。

未だ戦闘中だけど問題は無さそう。


「方位270、アンコニュの増援です」


「了解」


来た道を戻り増援に来たアンコニュと戦闘に入る。

増援と聞いたけど数が少ない気がする。


「っ!更に増援……数は3です」


四つ羽根のアンコニュを倒したら新たに増援が来たらしい、数が3ってなんか嫌な予感がする。

そう思ったのも束の間、黒い双翼が猛スピードで通り過ぎていった。


「新種かぁ」


即座に旋回して黒い双翼を追う。

セシリアは既に魔法で身体強化を掛けているので試作機の速度を最大にする。


「ミサイル発射!」


セシリアが黒い双翼に狙いを付け誘導ミサイルを放つ。

1体、2体と黒い双翼はミサイルが直撃し倒した、残り1体。

狙いを付けるも黒い双翼は雲の中へと突っ込み姿を隠すことで補助システムから逃れた。


「雲の中にっ!」


「慌てないで」


黒い双翼が雲の中に逃げた事でセシリアが焦ったけどそれを落ち着かせる。

確かに補助システムは黒い双翼を追えてないけど俺は見失ってない。


本当に一瞬だけど雲の切れ間を移動する奴の姿を視認しそこから通るであろう場所を予測し照準器を合わせる。


「ここだな」


機関砲と機銃を掃射し機首を下げる。

雲の中から出るとそこに落下する黒い双翼が見えた。


「止め」


補助システムが再び捉えた事で誘導ミサイルを放つ。新種はどれだけの力があるか未だ未知数、容赦はしない。

ミサイルの直撃を当て黒い双翼を撃破したのを確認して機首をクーデリア達の下へと向ける。


「まるで試験飛行してるみたいだ」


「不気味ですね」


新種は四つ羽根の様に攻撃してくることは無かった。その様はどの様に飛ぶかを学んでいる様にも見えて不気味に思えてならなかった。


クーデリア達と合流し四つ羽根相手に制空権を確保し続けているとステラから連絡が入った。


Stella《アルトゥン鉱山の奪還に成功したわ》


鉱山の奪還成功。

これから周囲に防御陣地を作成した後、鉱山の採掘を始めるそうだ。

流石に採掘はゲネシスやフィーニス等から鉱夫を連れて来る様だけど。

その為防御陣地を作成後は安全域をもう少し拡大する予定である。

少しでも鉱夫達が安心して採掘出来るように。


俺達は一度機体の整備も含めエルフの王城近くに建設した基地へと戻る事にした。

あそこなら整備員さん達も居るからより素早く終わるだろう。



こうしてアルトゥン鉱山奪還作戦は新種のアンコニュとの遭遇がありつつも無事に終わりを迎えた。

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