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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第1章 始動

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18/84

第18話 久しぶりの基地での生活

セシリア達に看病されてから数日後。

セレーネさんの治療もあって体調は完全に治った。


おかげで朝から日課の走り込みがこうして出来る。

エルフ領内前線基地に居た時はやれなかったからね、こうして走ってるとなんか鈍った気もする。


「キュー♪」


俺の頭の上に乗っかるキューちゃんは風を感じて気持ち良さそうに鳴いた。


「いつ見ても不思議な光景よね」


隣を浮遊して付いてくるオリヴィアさんがそう呟く。

本来古龍種の子供は警戒心が高く人に懐くことは無いと言われているらしく、その古龍種の子供のキューが俺の頭の上に居る光景があり得なさすぎてオリヴィアさん達は困惑してるようだ。


「エル、余り無理しないで下さいね、辛かったら遠慮なく言って下さい」


一緒に走り込みをしているセシリアがそう言ってくれた、普段ならもう少しペースは速いと思うけど俺に合わせてくれてるようで助かる。

セシリアの他にもクーデリア達やステラ達、フィーユ達も一緒に走り込みをしている。


エルフ領内の前線基地は大丈夫なのかって話だけどカナリアさんが残って冒険者達を纏めて防衛に当たらせてるから問題ないみたい。

今も少しずつ人員は増えているらしいし。


ちなみにパニックを起こして周囲を危機的状況に陥らせてなお自分が悪いと思っていなかったあの冒険者達はステラやサリーネを通じて冒険者ギルドに報告が行き連れ戻された上冒険者ランクの降格が言い渡された。

話しによればもうじきA級という高ランクに昇格するはずだったらしいが今回の一件で初めからやり直せとDランクまで降格したらしい。

不測の事態に対処できないのならB級はおろかC級での活動も難しいだろうとの冒険者ギルドが判断したようだ、ステラやサリーネも1枚噛んでそうだけど。


ちなみにオリヴィアさんは行く当てが無いらしくそのままこの基地に居着いた。


走り込みを終えたらそれぞれ別の訓練場所へと移動する。

俺とジェームズ、セレーネさんとオリヴィアさんは一緒に射撃場へ、セシリアとクーデリア達、ステラ達は剣の訓練と言うことで円形訓練場へと向かった。

俺と一緒に行きたいと言っていたサリーネは襟をステラに掴まれ引き摺られて連れてかれた。


「後で来てね」とステラとサリーネに言われたから間に合えば行く予定である。


さて、ジェームズと共に射撃場へ来た訳だが俺はジェームズと違い大した訓練はしません。

基本的にキューちゃんと一緒に弾丸運んだり片付けたりするくらいです。


墜落したあの日、キューちゃんがどうやって小枝とか集めたのか気になってたけど今日分かった。

弾薬は口に加えて運んで、弾薬箱は加えた後上に投げて背中に乗せて運んでたりしてるから同じ様に口に加えて小枝を集めたのだろう。

流石龍族なだけあって力も強い。


「キュー」


「ありがとうねキュー」


キューの背中に乗ってる弾薬箱を受け取った後、片付けや整理を手伝って貰ったお礼に頭を撫でると嬉しそうに鳴く。

最初はジェームズが撃つライフルの音にビックリしたがそういう物と理解して直ぐに驚かなくなった。

オリヴィアさんは興味深そうに保管されている銃器や弾薬を手にとって見てる。

魔法に没頭していたオリヴィアさんからすると銃器とかは結構珍しい部類なのかな。

セレーネさんは木箱を腰掛けて此方をずっと見守ってる。


その後俺も少しだけ射撃訓練をして後片付けをし皆でセシリア達の居る円形訓練場へと向かう。

なお俺は以前と同じ様にセレーネさんに抱えられて移動する、無論頭の上にキューちゃんを乗せて。


円形訓練場に移動すると観客席に皆が集まっていた、よく見るとセシリアとサリーネが居ないな。


「お疲れ様、皆」


「あら、お疲れ様エル」


「セシリアとサリーネは?」


「模擬戦してるわ、ほらあそこ」


ステラの指差した先、訓練場内で向かい合い互いに木剣をぶつけ合う2人の姿が見えた。

セレーネさんに降ろしてもらい落下防止の壁に手を付いて見てみる。

どちらかが防戦一方って事は無く、互いに相手の攻撃を弾くなり逸らすなりして隙を作り攻撃をしている。


「エル兄様ぁ!」


「おおっと」


そんな俺にヴィクトリアが金色のポニテを揺らしながら突撃してきたので抱き止める。

シャツとハーフパンツに砂が付いていることからまた派手に転がされたのかな。


「お疲れ様」


「えへへ」


労いも込めて頭を優しく撫でれば嬉しそうな声をあげて顔を胸にグリグリと押し当ててくる。

墜落の一件移行こうして甘えるようになってきてお兄ちゃんは嬉しい限りです。義理だけど。


「ヴィクトリアだけずるい!私も!」


「エル兄さん私も!」


そうしてそれに触発されてソフィーとテレサも左右から抱き着いてくる。

こうなると手が足りないのです。

3人が満足するまで順番に頭を撫で、離れると同時にステラが声を掛けてきた。


「向こうも丁度終わったわよ」


ステラの言葉に振り向くと訓練場内で倒れてる2人の姿。ステラ曰く互いの攻撃が当たって倒れた、引き分けとの事らしい。


「フィーユ〜」


「は~い」


この場に居るフィーユを呼ぶ、それだけで意図を理解した彼女は俺を抱えて浮遊しセシリア達の下へと連れて行ってくれた。

フィーユに降ろされた後直ぐにセシリアとサリーネに回復の奇跡を行使する。


「ありがとうございます、エル」


「ありがとうねエル」


お礼を言うセシリアとサリーネ。

そして2人は互いに向かい合い握手をした後、俺の両腕に抱き着いて歩き出した。

上で見てたクーデリア達と合流しそのまま汗を流しに行く。


「エルゥ〜一緒に入ろうよ〜」


「別々に入るってば」


駄々をこねたサリーネはステラとセシリアに両腕を掴まれ引き摺られて行った。

というか男女別で浴室があるんだから一緒に入るわけ無いでしょう。

俺はジェームズと一緒に入り、キューちゃんの身体を洗いキューちゃんと共に浴槽に浸かる。

最初は抵抗のあったキューちゃんも身体を洗いお湯に慣らしてやれば大人しく湯船に浮かんでいる。


「キュ〜♪」


なんなら気持ち良さに機嫌の良い鳴き声が聞こえる位だ、プカプカと俺の周りを浮いていたり泳いだりと実に気に入った様だ。

十分温まった後風呂から上がり湯冷めしないようキューちゃんの身体を拭いて脱衣所から出る、外には既にセシリア達が待っていた。


「ちょ、エル!?髪が乾いてないわよ!?」


俺の姿を見たクーデリアが直ぐに自身の肩に掛けていたバスタオルを俺の髪に被せ頭を拭いてくる。キューちゃんを拭くのに夢中で自分のは適当に終わらせてしまっていた結果だ。

抵抗するつもりも無いけど両手でキューちゃん抱えてるから出来ないというね。


「にゃあぁぁ」


「どういう声よ」


髪を拭かれてつい声が漏れ、クーデリアから小さな笑いが聞こえた。

微かにクーデリアと同じ匂いに包まれながら髪を拭かれる事一分ほど、今度はセシリアに抱きかかえられて廊下を移動することになった。

最近なんか皆俺を抱えて移動することが多い気がする。


移動中セシリアにこの後の予定を聞くとどうやら来客があるようなのでその準備をするとの事。

なんでも結構偉い人らしい。


皆で昼食を食べ、清掃をして相手の到着を待つ。

数十分程待った頃、何台もの馬車が基地へとやって来た。

見るからにゲネシスやフィーニス帝国やヴィンセント魔法大国等連合各国から来たようだね。


その中の1台、豪華な馬車の扉が開き中から綺麗なドレスを身に纏った金髪ロングの碧眼の少女が降りてくる、その後ろに金髪ウルフカットで同じ碧眼の少女が降りてきた。


「シャルル様っ?!それにカトリーナ様までっ!」


「テレサの知り合い?」


「知り合いも何もフィーニス帝国の第一皇女のシャルル様と妹君のカトリーナ様ですよ!!!」


「わぁ……」


まさかの皇族が来ちゃった。

記憶を失ってはいるが俺でも分かるよ、フィーニス帝国を治める偉い人。

と言うか二人して笑顔で此方に手を振ってるから絶対テレサと仲良しさんでしょ。


「テレサ〜!会いたかったわよ!」


「わわっ!シャルル様っ?!」


ほら駆け寄ってテレサを抱きしめてるよ。

妹君も此方に歩いて来ているからテレサと話でもするんだろうね〜。


「初めましてロストさん、私はフィーニス帝国第二皇女のカトリーナと申します、お会いしたかったです」


「えっ……あっはい、初めまして」


なんでこの人テレサに目もくれず俺に挨拶してんの???しかも滅茶苦茶笑顔で。

なんならカトリーナ様から手を伸ばして俺の右手掴んで握手してきたんだけど、え、なに、怖い。


「そんなに身構えないでください、私はただロストさんとお近づきになりたいだけですよ」


「あ、あはは……」


いや緊張するなって方が無理だよ。


「カトリーナ、余りロストさんを困らせては駄目よ」


テレサを引き連れて此方に来たシャルル様の一言でカトリーナ様は手を離し一歩下がった、何故名残惜しそうなんですかね……?


「初めましてロストさん、カトリーナの姉、フィーニス帝国第一皇女のシャルルと申します、テレサがご迷惑掛けていませんでしょうか?」


「シャ、シャルル様っ?!」


「迷惑なんてそんな!頑張ってくれてますよ!」


俺の言葉を聞いたシャルル様はホッと胸を撫で下ろした。


「私の事は遠慮なくシャルルっとお呼び下さい」


「私もカトリーナとお呼び下さい」


「お二人共、エ、ロスト兄さんを困らせないで下さい」


テレサが間に入ってくれて助かったぁ……。

周囲を見ればシャルル様達の他にも人で溢れており、クーデリアやジェームズ達が親しげに話している所を見ると家族とか仲の良い友人達が訪ねてきてくれたのだろう。

皆が家族や親しい人と再会する中、俺は感動の再会を邪魔しては悪いと思い1人その場を離れて屋上へと向かう。

柵に凭れて外を見ればセシリアやフィーユ、皆が嬉しそうに話し合っていた。

それに少し寂しさを覚える。


「キュー」


「キュー、一緒に来てくれたんだね」


どうやら1人で抜け出したのに気付いて後ろを付いてきていたようだ。

キューちゃんを片手で抱えつつ懐から携帯通信機を取り出しコールを鳴らせば直ぐに相手が応答する。


Beo 《どうした》


「いやちょっと寂しくてね、良かったら話し相手になってくれない?」


Beo 《そういう事か、分かった良いぞ》


「悪いな、ベオも暇じゃ無いだろうに」


Beo 《気にするなエル》


あれだけの人数の来客、きっと前から調整がされていたんだろう。

エルフの国の奪還が控えている今、いつ前線基地に戻るかも分からない状況だからこそ今この基地に居るタイミングで連れてきたのだろう。

その辺の事は恐らくベオの耳にも入ってるだろうから俺の今の状況を察してくれたようだ。


そう言えば来客者の中にレスティナとアルティナらしき姿は無かったな、流石に来るわけ無いか。


Beo《すまないがエルの妹達にはまだお前の事を教えていない、素性がバレ彼女達に危害が及ぶと危険だからな》


「良いよ、レスティナ達が生きてて幸せならそれで、気を使ってくれてありがとう」


「キュー」


「おっと」


キューが動き出した、どうやら頭の上に登りたい様なので乗せてやる、するとキューと機嫌よく鳴いた。


Beo《さて、分かっているとは思うが近い内にエルフの国奪還作戦が始まる、主目的はエルフの国の中心にある神秘の泉と王城の奪還だ》


「うん、その為にフィーユ達リュミエール隊やプリュフォール隊が来てるんでしょ?」


Beo《そうだ、だがエルはこの作戦にカウントされていない、お前はあくまで試作機のテストパイロットだからだ、上層部からのこの作戦における出撃及び交戦許可は降りないと思え》


「了解」


クーデリア達だけという点に不安はあるがフィーユ達も居るから大丈夫だろう。


「見つけたわよ、こんな所に居たのね君」


声を掛けられ後ろを振り向けば扉からオリヴィアさんが上半身を出して見ていた。


「オリヴィアさんは参加しなくて良いんですか?」


「別に私の知り合い居ないもの良いわよ」


そう言って俺の隣にやって来て俺と同じ様に柵に凭れる。形の良い胸が柵に押し付けられ変形した。

下では数が少し減ったが未だに皆楽しそうに会話してるのが見て取れる。


「君の知り合いは居ないの?」


「私の知り合いは居ないですね」


知り合いが居たらこんな所では一人寂しく外を眺めてないやい。


「仕方ない……お姉さんが甘やかしてあげます!」


「は?何言って……!?」


「よしよし♪」


急に抱きしめられたかと思ったら頭を撫でられる。どうやら抱きしめられた瞬間にキューちゃんは地面に降りたみたいだ。

オリヴィアさんの胸の感触を感じつつ、先程からベオが静かだなって思ったら通信切られてた。


「というか、オリヴィアさんなんで俺探してたの?」


「ん〜?セシリアちゃんが探してたから一緒になって探してただけよ、もうじき来ると思「エルッ!!!」……ほら来たわよ」


扉を勢いよく開けたセシリアは俺を見つけるや否や俺の方に駆け寄りそのまま抱きしめる、オリヴィアさんとセシリアに挟まれて流石にちょっと苦しいかな。


「エルッ心配したんですからね!勝手に居なくならないで下さい!!」


「え、いや、ごめんなさい?」


勝手に居なくなった訳ではないが……というかあの場に俺が居る必要無いじゃん。


「ほらクーデリア達も心配してますから行きますよ」


「キュー」


身動きの取れない俺をそのままオリヴィアさんから受け取りお姫様抱っこするセシリア、そんな俺の腹部にキューが飛び乗った。

飛び乗ったのに全く痛みが無いの凄いな。


そうして俺はセシリアにお姫様抱っこされたままクーデリア達の所まで連れて行かれ、クーデリア達の親しい人達に紹介された。

読んで下さり、ありがとうございます。

第一章はここまで、次回より第二章となります。


ブクマ、ページ下部↓の☆☆☆☆☆を押して応援していただけたら嬉しく、また励みになります。

よろしくお願いいたします!

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