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Combat・ with・The・unknown  作者: 唯ノ蒼月
第1章 始動

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第12話 支援物資&再会

クーデリア達の単独初飛行を終えて数日後の朝。基地の射撃場にて銃声が鳴り響く。


「お疲れ様ジェームズ」


「お、ありがとうよエル」


日課の走り込み等の訓練を終えた俺はジェームズの様子を見ようと思いこうして訓練場に立ち寄った。

そこで狙撃銃を扱っていたジェームズに声を掛け、水を投げ渡す。


「クーデリア達は?」


「今頃訓練場でセシリアに剣術叩き込まれてると思うよ」


身近にあった木箱に腰を掛けながらジェームズの疑問に応える。

投げ渡した物とは別にポーチから自分の飲水を取り出し一口飲む。


「物理的に?」


「うん、物理的に」


文字通り物理的に。

俺より剣の腕が上のクーデリア達でもセシリアには及ばず、4対1でも勝てない程だ。

今なおその体にセシリアの木剣が叩き込まれていることだろう。


ジェームズは剣より銃のが扱いが良いらしくこうして射撃場で銃の訓練を繰り返している。

今でこそこうして何の問題もなく銃を扱っているが、銃を扱い始めて間もない頃は撃つ度にその強烈な反動と音にびっくりしてたのはいい思い出だな。

俺が初めて銃を扱った当時はハゲ……ハーゲン卿の所で射撃訓練をしてて、リボルバーを初めて使った時にあまりの反動の大きさに押さえきれなくて手の中でくるっと回って銃口が自分に向いた時は生きた心地がしなかったよ。

思わず隣で見てたハゲをチラッと見てみたら無表情だったけど。

その後これまた無表情の執事に銃の取扱書的な物を渡された。

失敗作とはいえまだ試験も始まってなく、訓練早々に失うのは痛いのだろう。


そんな事もあったことからクーデリア達の訓練も事故が起きないよう慣れるまで弾丸は一発ずつしか装填しないように徹底して教えてた。

リボルバーを使った時はソフィーとテレサが俺と同じく銃口が自分に向いてしまい、その上引き金を引いてしまっていたから弾丸を一発にしておいたのは正解だったね。


「この後暇なら訓練場に様子でも見に行く?」


「おっ良いな、行こうぜ」


指を鳴らし、水を飲むジェームズ。

その後一緒に弾薬や使った銃などを片付け、射撃場の掃除をした後、俺とジェームズは動きやすい服のまま訓練場へと向かう。

俺は参加するつもりは無いけどジェームズはそのまま参加するんだろうね。


「見つけた」


「っ!?」


訓練場へと向かう途中、急に後ろから両脇に手を突っ込まれ持ち上げられる、どうやら俺を探していたセレーネさんの様だ、セレーネさんは俺を持ち上げたまま歩き出す。


「猫みてぇ」


「シャー」


持ち上げられてるから身体の力を抜いてだらーんとしてたらジェームズに猫みたいと言われた。

威嚇の声を上げて右手で猫パンチを繰り出す。


「本当に猫じゃねぇか」


「こら暴れないの」


猫の真似してたらセレーネさんに抱き締められて鎮圧された。

そのまま抱き締められながら3人で訓練場へと向かう。


「セレーネ様はつい先程来られたのですか?」


「ええ、エルに奇跡の使い方を教えようと思って」


「けど中々上手く扱えないんだよねぇ」


セレーネさんと会ってからおおよそ1年近く、ずっと奇跡の扱い方を教わってるけどこれが中々上手くいかないんだよね。

セレーネさんと2人っきりの時もあればセシリアが付き添いで居る時もあったなぁ。


「直ぐに直ぐやれる物ではないわよ、普通は何十年と時間を掛けて覚える物ですもの、神官達だって見習いから何年も掛けて覚えていく物よ」


「セレーネ様直々に教わってるのもデカいよな、詳しい話は知らねぇけど見習いは勿論他の神官達でもセレーネ様直々に教われねぇってのは俺でも分かる」


「へ〜セレーネさんってそんなに偉かったんだ、俺もセレーネ様って呼ん━━痛てええええええええ?!」


呼び方をセレーネ様と改めた方が良いのかと思い尋ねようとしたら突如セレーネさんの締め付けが強くなり、余りの痛さに叫ぶ。

メキメキって音が聞こえない?!気の所為?!


「エル?エルにだけは様付けで呼ばれたくないの、本当ならさん付けも嫌なのよ?でもそれじゃエルが困るだろうから仕方なくさん付けで我慢してあげてるのよ?それなのにエルったら……」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい?!助けて下さいセレーネさん!?私はこのままでは天に召されてしまいます!?」


勿論締め付けた事で俺の背中に押し付けられるセレーネさんの大きな胸の感触が嬉しくて天に召される訳ではない。

セレーネさんの大きな胸の感触が嬉しくないわけでは無い、けど今はその感触楽しんでるような場合じゃない!

このままでは本当に下半身と泣き別れしそうなんだけど?!


「天……?え……まさか気付いたのかしら……?」


「選んだ言葉がクリーンヒットしただけでエル本人は気付いてないですよ」


「そう……なら良かった」


「2人で話し合ってないで真面目に力を抜いて貰っても良いですかぁ?!」


なんかセレーネさんがボソボソっと「天に召された後に一人占め……」って言ってる気がするけど気の所為だと思いたい。


その後セレーネ様に許してもらい腕の力を緩めてもらって事無きを得た。


そうこうしてる内に円形訓練場の入り口が見え、木剣の打ち合う音が聞こえることからセシリアによる訓練はまだ行われている最中だね。


そして俺はセレーネさんに持ち上げられながら円形訓練場に入り円形の石壁の上に設けられた観客席から下の訓練場を覗き込む。


「踏み込みが甘いっ!」


「っぁ」


クーデリアの振り下ろしの一撃を躱したセシリアの大声と共に横薙ぎの一閃がクーデリアの横っ腹に当たる。

薙ぎ払われたクーデリアは地面を何度か転がり地面に膝を付いて座るソフィー達の下まで吹っ飛んだ。

疲れた様に座るソフィーらも服に砂が付着している事からクーデリアと同じ様にセシリアに吹っ飛ばされて地面を転がったのだろう。


「明らかな罠に乗らない!もっとしっかりと相手の動きを見るんです!」


セシリアは吹き飛ばしたクーデリア達の下まで歩き全員まとめて指導を始める。


「え……罠なんてあったの?」


「エルには分からねぇかも知れねぇけどクーデリアが振り降ろす一瞬前にセシリア様が隙を見せたんだ、その隙を付いてクーデリアはセシリア様に木剣を振り降ろした訳なんだがそれがセシリア様がわざと作った隙、いわゆる相手に反撃する為の罠、んでそれにまんまと引っ掛かったクーデリアは横っ腹に一撃食らって吹っ飛ばされたって訳だな」


ジェームズが理解出来てなかった俺に詳しく教えてくれる。

あの一瞬でそんな駆け引きが行われていたなんて……。

というかセシリアが容赦無さすぎる気がする、俺がセシリアに教えてもらってた時はあんな風に吹っ飛ばされた事は無かったけど……。


「あれ……ひょっとして俺セシリアに手を抜かれて教えられてた?」


「いやセシリア様は手を抜いて無いぞ、単純にセシリア様がエルを大事に思って手を出さないだけだ、別に俺達が大事じゃないって事では無いがそれ以上に大事なんだろ、簡単に言うとエルはセシリア様にとって特別なのさ」


セシリアとは結構長い事一緒に居るけどいつの間に特別と思われる程大切な存在になったのやら。

その事実に気恥ずかしさと嬉しさを感じつつ訓練場に視線を戻すとこちらに気付いて見つめていたのだろう、テレサと視線が合った。

視線が合うとテレサが手を振ってきたから俺も手を振り返す。

テレサのその行動を見てセシリアが此方を見た。


「っ……少し休憩にしましょう」


休憩になった様なので観客席から下へと降りてセシリア達の下へと向かう。


「あ、エル!」


「シャー」


「「「「ふっ……ふふっ」」」」


クーデリアが俺に気付いたから挨拶代わりに猫パンチして答えたら皆笑った。


勝った。


その後訓練も程々に切り上げ俺達は揃って格納庫へと赴く。

今日この後、昼前くらいに物資が届くからそれの整理の為だ。

開けられた格納庫の扉から空を見ていると遠くに魔法使い達が見えた。

話によると今回もフィーユが隊長として来るんだったかな。

近付く魔法使い達、その下には幾つかのコンテナが吊るされていた。

コンテナは滑走路に降ろされる。

これだけコンテナの数があると幾つか試験品とかありそうだなぁ。


そう考えていた時、コンテナの一つが開き、中から何人もの人が降りてきた。

どうやら人員も魔法使い達によって運ばれて来たようだね。

その中で青い長い髪の少女と黒い長い髪の少女が出てきて周囲をキョロキョロと見渡したと思ったら二人して此方を見た、と思ったら黒髪の娘が猛ダッシュで此方に接近してきた。


「エルゥ!!!!!会いたかったよぉ!!!!」


「へ?」


そして抱きしめられ、身長差から顔がその大きな胸に埋もれる。

黒い髪に赤い瞳の少女の知り合いって言ったら……まさか……。


「サ、サリーネなの……?」


「うん!!!!!」


胸から顔を離し尋ねると目の前の少女は嬉しそうに答えた。

わぁ……成長したなぁ……。

と言うと青い長い髪の娘がステラか。


サリーネやステラ達の活躍はイコル聖王国やヴィンセント魔法大国の奪われた地を奪還したりなどとこの1年でよく聞いた。

今や連合の地上部隊で知らない者は居なだろう程の主力部隊なのだが何故こんな所に……。


「ゲネシス最強と謳われるplusfort(プリュフォール)隊の隊長がこんな所に一体何の用ですか?」


「幼馴染に会いに来たのよ」


そんな俺の疑問をセシリアが代弁してくれて、その問いには近くまで歩いて来ていたステラが答えた。

ステラは俺の方に歩いて来てサリーネ同様俺を抱きしめた。

ステラもまた大きくなったな……。


「久しぶり、元気そうで良かったわ……」


「そっちこそ、二人共無事で良かった」


再会を喜び、少しの間だけ3人で抱きしめ合っていた。







再会の喜びに浸るのも程々に俺達はコンテナの中身を格納庫へと収納する。

武器や弾薬は勿論、傷薬や食料など様々な物資がある中、俺はサリーネに抱きしめられながらある物達を見て顔を顰めた。


「こいつぁ飛翔する爆発物、名前はmissileミサイルで語源は古代語で意味は投げられるもの、だそうだ」


整備のおっさんが試作機や戦闘機に搭載する新武装の説明をしてくれた。

そう、支援物資の中にはやはりと言うべきか、試験品も含まれていたよ。


「大きさも大小と色々とあるね、取り付ける場所は……翼の下だったり機体後部だったり色々とあるみたいだね」


機体後部にミサイルの発射ユニット事取り付ける物もあればミサイル単体を機体の下に取り付ける物もある。

中にはただ下に投下するだけの爆弾もある。


「本当にエルは大変だね……」


「サリーネ達程では無いよ」


ぎゅっとサリーネの抱きしめる力が強くなる、その上でセレーネさんが頭を撫でてくる。


「と言うかセレーネ様?勝手に居なくなるのやててください」


「良いじゃない、エルに会いに行くって書き置きしたのだし」


「そういう問題では無くて……」


「そうですよ!ズルいです!私達だってエルに会いたかったんですから!」


「違うそうじゃない」


セレーネさん偉い人なのにそれで良いのだろうか……普段からステラが苦労してそうだな……。


「セシリア様やセレーネ様と知り合いだったのも驚きですがプリュフォール隊の隊長と副隊長とも知り合いだなんてどんな交友関係してるんですか」


「普通に生きてきただけだぞ」


俺と一緒に試験品の確認をしてるクーデリアがそんな事を言った。

俺が知りたい、俺は俺で普通に生きてきただけなんだけど。

ちなみにステラが隊長でサリーネが副隊長の様だよ。


「エルはね、私達の命の恩人なんだよ!」


「恩人ですか……?もしかしてその左目の傷と関係あったりします?」


サリーネの言葉にセシリアが反応してしまった。

それはそれとしてサリーネさん?貴女胸大きくなったんだがら出来ればこの状況で胸張るのやめてね。


「あるよぉ!」


サリーネの言葉に詳しく聞きたいのであろうセシリアとクーデリアが目を向けてくる、なんなら物資の整理しつつ聞き耳立ててたのだろうソフィー達もこっち見たんだけど。

まぁ少しだけ話すとしようか。


それから賊の頭との一件で目を切り裂かれた事を話したらセシリアがサリーネから俺を強奪して強く抱き締めて離さなくなってしまった。

なんならセシリアに抱き締められて動けない俺の頭をクーデリアは勿論ソフィーやヴィクトリア、テレサ、果てはフィーユまで撫でてくる様になってしまった。


それでセシリア達が落ち着くまで少しの間だけ作業は中止、落ち着きを取り戻した所で作業を再開する。


取り敢えず武器や食料等を整理し、個数を数えて記録する。


「暴発しねぇだろうなこれ」


「「「「エル、縁起でもないこと言わないで」」」」


新武装のミサイルを見てつい口に出てしまった言葉にセシリア、セレーネさん、ステラ、サリーネが同時に言い放つ、息ぴったり。


ステラやサリーネ、フィーユ達も基地に泊まっていくそうなので取り敢えず物資の整理をクーデリア達に任せつつ俺はステラ達を部屋へと案内し、荷物を置いた後に基地内部を案内してそれぞれ自由に過ごしてもらった。

と言っても久々の再会だったので基本ステラとサリーネは俺の傍に居たけど。

同じ隊の人が居た筈だけど良いんだろうか……?

そんな風に思いながら物資の整理をしてこの日、1日を終えた。

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