粘土
『粘土』
夜がどっしりと座っている
君は
古びた△がきしむような
背骨の音が聞こえると言う
たぶん
何があるとか誰がいるとか
そんなことで我慢して
風が薫るとか花が咲いたとか
そんなことでごまかして
日々をやり過ごすことはできるだろう
けれど
どんよりと重い寝覚めに
一日がさらさらと剥がれ落ち
さまよい歩く夢の中
空しい空しい毎日の
果てに残るものはなく
向こうに見えるものもなく
ただ生きるために生きているなら
たぶんもういい
そうして君は
悲しい粘土となる