いやどっちかっていうとこれドワオ! だろ!
中二病時代の経験を活かし練りに練った追加呪言+これまでの人生で初めて上げた雄叫びに近い絶叫。
明日への想いを籠めた魔法は。
遂に放たれ。
全てを飲み込むブラックホールの如く一点に収束し。
黒点となり。
次の瞬間。
これまで見たどんなフィクションよりも遥かに大きなとてつもなく極大なる爆発を起こした。
この世界にあるもの全てを破壊し尽くすかのような光の柱が、天を衝いた。
これは全くの予想もしていなかった偶然の出来事なのだが、追加呪言の際に「地の底から天上へと向けて放たれる〜」というワードを入れておいたことにより、爆発の方向が地上から空への一本の柱になったと考えられる。
「これが、アルティメット・ダークネス・エクスプロージョン! 魔王の最高の魔法か!」
天を貫く超大なる漆黒の炎の柱。
それを俺以外の誰よりも近くで目にしたシズカさんは——笑っていた。
魔族や人間たちは気絶してたり祈りを捧げてる風な感じでみんな息をするのも忘れてビビり倒して戦慄しているというのに。
シズカさんは、笑みを顔に貼り付けていた。
一体、何を考えているのか。
これだけの力があれば平和を齎すなど容易い! とか考えているのだろうか?
それとも、もし戦争になっていたらこれが自分たちに向けて放たれていたのか……とでも思っているのか。
残念ながら対人スキルの低い俺では表情一つから他人の心を読むことなど出来ない。
だから、喜んでいると思いたい。
停戦の約定が締結したことを示す爆発を見ての感動。
派手にやってくれ。というオーダー通りに、いや、それ以上に、想像を超えるくらいに派手に派手を重ねた派手の神の仕業かと思ってしまうくらいの派手な爆発を見れたことへの喜び。
裏なんかない。
表のむき出しの感情がそういうものであると信じたい。
そうじゃないと、俺は……シズカさんを……。
いや、勇者をどうこうするつもりなんてない。
俺はそんなことするつもりはないし、出来ない。
人とか殺したくないですし。
魔王になったからといって、人間でなくなったからといって、持ち前の性格まで変わったりはしない。
争いごとは嫌いだし、面倒は嫌だ。
何事も穏便に済ましたい。
問題は出来るだけスマートに解決したい。
俺はそういうタイプの性格なのだ……が、そうは思ってもやっぱり魔法はめちゃくちゃ凄いみたいで一心地ついた魔族の方々も驚いていた。
「す、すげぇ! なんて魔法だ!」
「ドン! って感じだな!」
「いやどっちかっていうとこれドワオ! だろ!」
「ふっ……流石は魔王様ですよ……」
「大したお方だ……」
「やはり天才じゃったか……」
「や〜まだ〜!」
いやはや。本当に今の爆発が周囲に広がらなくて良かった。
冷静に考えれば攻撃魔法を使うのはこれが初めてだった。
詠唱すれば威力が上がると知って、安易に「世界を全て包み込む〜」とか付けなくて良かったと心底思う。
やれやれ……本当に我ながら柄にもないことをしたなぁと思う。
周囲三キロを爆発で巻き込んだりしていたら大事になっていたところだ。
火柱が上がって威力が上にいって良かった。
被害がどこにも出ていないみたいで安心した。
「や〜まだ〜!」
「や〜〜まだ〜〜!」
「や〜〜〜まだ〜〜〜!」
……いや、実はさっき一瞬聞こえた時に聞き間違えじゃないかと思ったんですけど、明らかにこれヤマダって言ってますよね?
「や〜まだ〜!」
耳を澄ますと(耳なんて無いですけど)確かに聞こえる。
ヤマダという掛け声が。
これは一体?
こういう爆発を見てヤマダってどういうこと?
あれか? 花火見た時みたいな感じか?
でもそれだと「た〜まや〜!」のはずだが……?
何故に「や〜まだ〜!」なのか?
疑問に思ったその時、魔王ノートが薄く発光していることに気が付いた。
すごくどうでもいい余談。
「ドワオ」って個人的にかなり好きな効果音でして、常日頃よりどこかで使ってみたいなぁと思いましたので使ってみました。「ドワオ」う〜ん。いい響きですねぇ〜。すごくめちゃくちゃというか。なんかすげぇ爆発起きた感じがすごいしますねぇ〜。「ドワオ」いいですねぇ〜。もうこの字面から力強さが伝わってくるというかなんというか。やっぱり言葉のもつパワーってすごいですねぇ。なんかすげぇって思っちゃいますもんね〜。すごくどうでもいいですけど自分「刀使ノ巫女」めっちゃ好きで「とじとも」もプレイしているわけですが、今ガチャ爆死しました。「ドワオ」なんかこの使い方であってるかどうかわかりませんけど、ピックアップ全然来なかったので地味にショックです。「ズオ」




