こんな統治の仕方で大丈夫か?
人々は死を悟っただろう。
魔王がいて、勇者は魔王と手を組んでいて、逃げたのに逃げられなくて……考えるだけでもゾッとする。
全ての終わりだ。
世界の破滅だ。
そう思うのは当然だ。
だから彼らが色々と文句を言うのもよくわかる。
わかるが、相手はシズカさんなのだからそれは無意味だと悟って然るべきだ。
「勇者の目的は魔王を倒す事のはずだ!」とか「もうおしまいだあああああ!」とか「勇者は人間を裏切ったのだあああああ!」とか「この国は勇者のせいで破壊されてしまう!」とか「おのれ勇者ぁぁぁああああああ!! この国も貴様のせいで破壊されてしまったああああああああ!」とか色々と文句を言う者ばかりだったが、錯乱した者はシズカさんが殴って黙らせ、話しを聞ける状態のやつは懇切丁寧にここに至るまでを説明してあげていた。
それで全員納得した……とはもちろんいかなかったのだが、この世界で最強クラスの力を持つ者二人を前にして何か言う事など出来るわけもなく、彼らは無理やりこの状況を飲み込むしかなかった。
これにシズカさんは満足し「このまま和平を行うわけだが、行く行くは魔族だけでなくこの世界に生きる全ての種族との共存を目指している!」とついでと言わんばかりにいきなりすごい宣言をした。
この時にはもう「そんな事出来るわけがない!」なんて文句を言ってくるやつは一人もいなかった。
「友達100人出来るといいですねぇ〜」と、ニコニコ全身全霊の愛想笑いを浮かべていた。
人々は理解していた。
文句を言ったらぶっ飛ばされる。
だから黙って従うしかない。ということを。
俺はそんな様子を眺めながら内心「こんな統治の仕方で大丈夫か?」と思わずにはいられなかったのだが、文句を言うと俺もぶっ飛ばされそうだったので特に何も言わなかった。
こうして、人間の国は無事? 勇者の手によって平穏? を取り戻したのだった……。
すごくどうでもいい余談。
本作に課している個人的なテーマの一つに「一つの話に大体10パロディ」というものがある。数えていないが、たぶんそれくらい入っていると思う。もし入っていなかったらその時はその時である。自分も特に数えたりはしていない。一つは絶対に入っていると思う。まあ大体は大体なのでセーフという事にしておいて欲しい。それはそれとして「そう言えばこの作品はパロディなのにタイトルにパロディ入ってないやんけ!何でや!?」となったので、さっき慌ててタイトルを変更した。もしかしたらまた変わるかもしれない。たぶんこれからも色々と変更していくと思われる。とはいえ内容の大幅な変更とかはしないつもりなので安心して欲しい。細かな変化を見つけた場合、読者の方々は「まあWEB小説やしええか。好きにやれや」とか「作者迷走してんなぁ〜」とか「人気取りに必死かw」というような寛大な気持ちで読んでくれると有り難い。こうやって書いたものを公開しているのだし、作者は必死である。必死で、読者の方に楽しんで欲しいと思っている。私があれこれ右往左往しているところも含めて作品の一部である。ちなみにTwitterではこの作者名で読んだ本の紹介を主にしている。最近は和風サイバーパンクにハマっているので、どこかでその要素を活かせたらなぁと思っている。そんなわけでまあ色々と楽しんで欲しい次第である。




