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最後の記述

 明日、我輩は死ぬ。

 勇者に討ち取られて。


 我輩の死によって、勇者は天界へと帰る。

 そして約定により、魔族と人間は停戦する。

 争いは終わる。

 魔王はもう復活しない。

 勇者も召喚されない。


 我輩はその証明として、棺を粉々に打ち砕いた。

 人間側も同じように、勇者を天界に帰した後に神殿を破壊するという。

 これらの決まり事が守られるかどうか……我輩に確かめる術は無いが、守られる事を願っている。



 ……とはいえ、次の魔王である君がこの日記を読んでいるという事は、約定は破られたという事であり、我輩の死は無駄となったわけであり、とても悲しく、無念なのだが……そうはいってもそうなってしまったのだから、仕方が無いか。


 恐らく人間は神殿を破壊せず、魔族の殲滅の為に勇者を再び召喚した。

 あるいは、アリスちゃんをそのまま利用しているのか……。

 我輩の死が無駄だったとは思いたく無いので、前者の方がマシだが……そういう事になっているから、魔族は対抗策として棺を直して、魔王を召喚。否、蘇らせたのだろう。


 やれやれである。


 まあ、我輩も万が一に備えてというか、そういう事態を見越して、アルティメット・ダークネス・エクスプロージョンで棺を無に返さず、超高性能なゴレ子の手で組み立て直せる程度に破壊したわけだが。


 備えあって憂い無し。という事だろう……たぶん。


 そういうわけなので、次の魔王よ。

 君は、我輩のようにはなるな。

 生きるにしても、死ぬにしても。

 我輩のように、勇者が可愛かったから……などと情に流されて事を起こさずに、よく考えて、最善を尽くして欲しい。

 決して、後悔しないように。


 ……さて。

 ではこれから、派手に散ってやるとする。


 斬られた瞬間に全ての魔力を放出して、凄まじい爆発を起こしてやるとしよう。

 最大出力だ。

 追加呪言エンチャントもマシマシにしてやる。

 幕引きに相応しい最後の切ない一撃を演出してやろうではないか。

 もちろん、アリスちゃんには魔力でバリアを張って完璧にガードして無傷で済ませる。

 あの子の美しさを損なうわけにはいかないからなぁ……ぐへへ……。


 さあ、我輩による最初で最後のショータイムだ。

 我輩がアリスちゃんにとっての最後の希望だ。


 我輩の生き様……見せてやる!

 心の叫びを聞けぇ!


 レッツゴー覚悟!!!

 ゴーゴー魔王!!!


すごくどうでもいい余談。

一時期ラップにハマっていたことがある。あらすじはその名残である。ラップはかなり高度な技術が必要であり、多くの単語を記憶する知力と、それを繰り出し、跳ね返す柔軟性。更には相手をディスり客を沸かせるユーモアが必要となる、高度な戦いなのである。……などと書いてみたが、リリックの組み立てを考えたり、仲間内で少しサイファーをやったくらいで、人前でラップバトルをしたことはない。もしもあの時、フリースタイルラップバトルの道に進んでいたら……恐らく普通にボコボコにされて死んでいただろう。ラップは楽しい。だが、戦うとなると困難を極める。ラップバトルの最前線で死闘を繰り広げている方々を私は尊敬している。yo yo ……何か上手いことを書こうと思ったが全く思いつかなかった。やはり、ラップは難しい。

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